ブログ
ランダム
今週のお題「#七五三」をチェック
記事を書く
検索
ウェブ
このブログ内で
ログイン
ブログ開設
トップ
dポイント
メール
ニュース
辞書
教えてgoo
ブログ
住宅・不動産
サービス一覧
閉じる
雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
高ISO感度による露光時間短縮の功罪
2015年02月15日
|
画像処理のはなし
資金を投入して純正のパーツで鏡筒周りを固めたのですが、これでガイド精度が向上したのか?
冬型の気圧配置でずっと星が見えないため検証ができません。
これは長焦点の
VC200L
反射鏡筒を活用するために避けて通れない問題だったのですが、
もう一つ、長焦点であるがゆえの問題があります。
VC200L
の焦点距離は1800mmで明るさは
F9
と暗い光学系になります。
以前から使っている
R200SS
は800mm
F4
ですので、その5倍も露光時間が必要になります。
そこで試したのがISO感度を1600から2500に上げて露光時間の短縮を。
結果は背景ノイズが増えて画像がザラついたようになったので、元のISO1600に戻しました。
実は露光時間の短縮は撮影効率というより、タワみによるガイド流れが
露光時間に比例して大きくなる事から、やらざるを得なかったものです。
もし今回のタワみ対策で大幅に流れが減少すれば、露光時間の延長が可能になります。
そこで今回は
ISO感度
と
露光時間
の関係について
S
(天体情報)
/
N
(ノイズ)
比の観点から検証してみました。
使用したカメラは冷却デジカメの
Cooled60D
ですが、今回は
冷却
オフ
で検証。付属の温度計で受光面の温度がわかります。
これまでにも
で
感度
や
露光時間
と
ノイズ
について検証を行ってきましたが、
今回は感度を下げて露光時間を延ばした場合についても検証してみました。
以下は異なったISO感度で、撮影時に天体からの情報量(受光量)が同じになるよう
露光時間を変えて撮った
ダークノイズ
です。
* ダークノイズ・・・光を受けなくても発生するノイズ
* 各表示画像はノイズが分かりやすいよう500%に拡大し、レベル表示巾を狭めています。
ISO
1600
露光時間
10分00秒
受光面の平均温度は
9.0 ℃
これまで R200SS F4での標準露光です。
ISO
2500
露光時間
6分24秒
受光面の平均温度は
8.4 ℃
露光時間は短くなっているのにノイズは明らかに増えています。
* 図のヒストグラムの裾野の巾が広いほど、背景ノイズのザラつきが目立つようになります。
ISO
800
露光時間
20分00秒
受光面の平均温度は
8.0 ℃
露光時間は ISO2500の3倍以上になっていますが、ノイズは
大幅に減少
しています。
実は低い感度ISO
800
での撮影はこれまでやった記憶がありません。
むろん、露光時間がその分長くなるのですが、もし大幅にノイズが減るとしたら・・
ランダムノイズを均一化するためのコンポジット(重ね合わせ)枚数を減らせるかも知れません。
実は今回の検証にあたっては、15秒の間隔をおいて4枚連続で撮影しています。
次の図はISO2500を4枚コンポジットした画像です。
ISO
2500
露光時間
6分24秒 × 4枚コンポジット
受光面の平均温度は
7.8 ℃
露光時間の合計がISO800の1枚画像より長くなりましたが、ノイズはISO800 1枚の方が少ない。
これは予想外の結果です。
ついでにISO1600についても比較してみました。
ISO
1600
露光時間
10分00秒 × 4枚コンポジット
受光面の平均温度は
10.6 ℃
露光時間の合計がISO800の2倍になりましたが、ノイズはこれでほぼ同程度。
一応 ISO800の4枚コンポジット画像も ⇒
これまで注目していなかった
ISO感度を下げる事による低ノイズの恩恵
。
実は天体写真ブログ仲間の
ミッチーさん
が、一貫してISO800で素晴らしい画像を見せておられます。
これまでは、画像処理技術の差や撮影場所のせいにしていたのですが、
もしかすると低感度設定の恩恵もあるかも知れません。
もし雪国にも星が見える夜が訪れたら、ガイド精度の検証と合わせて
ISO800による低感度での撮影についても検証してみたいと思います。
現在「ダークファイルライブラリー」にはISO1600と2500のみ
ただ、ISO800については「ダークファイル」「フラットファイル」とも皆無で、
”0”から構築しなければなりません。
================================================
ダークファイルは星が見えなくても取得できますので、
今夜から早速ISO800のダークファイル作成を。
VC200L(f1800mm)では無理でもレデューサを付けて、
また短焦点のR200SSではすぐに効果が期待できそうです。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
こちら
から。
雲上
(
くもがみ
)
ブログランキング参加しています。
←いつもポチッとありがとうございます。
にほんブログ村
==========================================
コメント (7)
分析途中で何ポチッてんねん!
2015年02月11日
|
それでも星は流れる
前々回の
記事を
書いている最中に、たまたま、以前からガイド対策用機材として考えていたものの一つが
定価の半額程度(中古)で売りだされているのを見つけ、思わずポチッてしまいました。
問題はこのプレートより 組み合わせて使う鏡筒バンドの方が高いのですが、
そちらも中古でという、うまい話しはある訳が無く、勢いで新品を注文してしまいました。
『
軒先貸したら、母屋も貸しちゃった。
』 といったところでしょうか。
(おいおい!)
「早まったか!」 と後悔する間もなく、物が届きました。
左が中古で見つけた「
Mプレート(中)
」、右が新品の「
鏡筒バンド(232WM)
」。 いずれもタカハシ純正品です。
さっそくEM-200赤道儀に取り付けみました。
このあと搭載するガイド鏡筒もタカハシ製。撮影鏡筒以外は純正品になりました。
なんと、プレートとバンドだけで2.6㎏もあり、R200SS用バンドがきゃしゃに見えてきました。
VC200L
鏡筒、D50mmガイド鏡筒を搭載してみました。
バランス合わせを完了した状態です。 ウェイトは総動員で13.5㎏と重量級になりました。
見かけは「ドンキホーテ」方式に似ているのですが、
○
メイン鏡筒
アリガタ2個で固定
[ ドンキホーテ ]
⇒
鏡筒バンド 2本のボルト締め
○
ガイド鏡筒
キャリーハンドルのカメラネジで固定
[ ドンキホーテ ]
⇒
鏡筒バンドを2本のボルト締め
更に頑丈なプレート・鏡筒バンドと、各段に強固な固定になっています。
頑丈になっただけでは無く、バランスも大幅に改善されました。
2本の指で鏡筒の向きを変えられ、クランプフリーでどこでも静止します。
ガイド鏡筒は30年以上前のものですが、光軸修正も可能な手抜きのないタカハシ純正品です。
フィルムの時代に手動ガイドするため、イメージシフト機能がついています。
期待を込めてもう一つのメイン鏡筒
R200SS
も搭載してみました。
VC200Lほど極端な鏡筒のアンバランスがないため、 ウェイトは10㎏と軽量にになっています。
ファインダー位置が斜め横で、アンバランスの要因になっていました。
ファインダー位置の違いからVC200Lとは、左右の位置を変えてバランスをとっています。
その結果、むしろVC200L以上に全体のバランスがとれているようです。
これまではアンバランスを避けるため、撮影時はファインダーを外していましたが、
今後はVC200Lを含め、ファインダーを外さなくても良くなりました。
今まで使っていたR200SSのバンドは捨てちゃうの?
今後はサンニッパ・ヨンニッパ専用で使っていく予定です。
「
O軸ガイドシステム
」と名付けています。
================================================
夕方少し雲が切れたので、なんとかガイド結果の検証だけでも・・
設営はしたのですが、じきにみぞれでも落ちてきそうな空に。
あわてて撤収しました。
今月は満月の夜に星が見えただけです。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
こちら
から。
雲上
(
くもがみ
)
ブログランキング参加しています。
←いつもポチッとありがとうございます。
にほんブログ村
==========================================
コメント (4)
VC200Lガイド検証(その2 ブレの犯人探し)
2015年02月09日
|
それでも星は流れる
前回の記事
では
機材の”
タワみ
”による
ゆるやかな流れ
について検証を行いました。
思い起こせば30数年ぶりに天体写真を再開し、
ガイド撮影による長時間露光を行うようになってから、いつも付きまとっていた問題でした。
それが機材の搭載方法を試行錯誤する中で、長焦点(f=1800mm)の
VC200L
反射鏡筒のガイドもあと一歩というところまできました。
これは現在の搭載方法で、
タワみによる流れ
が少なかったガイド結果です
上図のガイド結果では
VC200L+60D
カメラの撮影では1時間で約
10
画素流れています。
これは15分露光なら
1枚あたり
2.5
画素
というガイド精度になります。
実際の星像が
8
画素程度の事を考えると十分な精度です。
それなのに
「中央部の星像」を見ると丸い円では無く、東西方向に流れたような
細長い楕円
になっています。
その原因は上図の右側にあるガイドソフト
PHGガイデイング2
のガイドグラフでわかります。
グラフを見ると基準になる位置(ガイド星の元の位置)を中心に短時間の
ブレ
が連続しています。
そのブレ巾は平均で赤経RA(東西方向)
±4.6
画素
、赤緯Dec(南北方向)
±2.6
画素
もあります。
両方向にブレている事を考慮するとに
タワみ
による流れの4倍ほどにもなり、
これでは星が楕円になるのも無理はありません。
そこで、今回は
Ⅱ.
ブレによる短時間の流れ
について
これまでの検証データからその原因を探ってみます。
最初にまず前回の検証結果を元に
タワみ
による流れとの関係を調べてみました。
サンプル数が少ない上に、PHDガイディングの設定値も異なっていますが、
タワみ
と
ブレ
は別物と考えた方が良さそうです。
(むしろ
タワみ
とは逆の相関関係があるようにも見えます。)
ほかにもブレ巾の平均(RMS)をみるといつも赤経RA
(東西方向)
の方が
赤緯Dec
(南北方向)
の
2倍から3倍
と大きいのも気になります。
先入観なしにブレを起こしそうな
容疑者
を挙げてみました。
(A)
大気のゆらぎ(シンチレーション)
(B)
ガイド信号による過剰な制御(ハンチング)
(C)
赤道儀のギヤ・潤滑油の劣化による回転ムラ
(D)
PHDソフトの設定値が不適正
*
(B)にも関連
(E)
風による鏡筒のゆれ
(F)
姿勢変化の遅れ(タイムラグ)
(G)
その他、未知の原因
*
風
はブレの原因になると思うのですが、撮影時に風のあった記憶が無かったので今回は除外しました。
これより、検証結果による状況証拠でどの容疑者が怪しいか調べてみます。
(状況証拠.1)
ガイド制御の有無によるブレの変化
先日4日、満月の夜に50mmガイド鏡だけを搭載して検証。
( 軽量のためバランスウエイトが合わず省略しました。結果 ガイド鏡側が重くなっています。 )
PHDガイドスタート時のグラフです。
(タテ軸スケール
4”
)
PHDガイド中に赤道儀に制御信号を送るコードを抜いてみました。
(タテ軸スケール
8
”
)
コードを抜いている間、RAの波にウォームギヤによるピリオディックモーション(周期8分の進み遅れ)のようなものが見れます。
再びコードを差して制御を再開しました。
(タテ軸スケール
8
”
)
わかったこと
○
制御信号がなくてもブレは発生している。
○
制御信号がない時もRAの方がDecの何倍もブレている。
つまり
●
ブレ
の原因は
(B)
ガイド信号による過剰な制御(ハンチング)
ではないようだ。
これは まずい!
ハンチングが原因ならPHDガイディングの設定値の適正化で改善の余地があったのに・・
* もともとハンチングが起きにくいよう、RA: Agr(どの程度忠実に制御するか)を50%程度と控えめにしています。
(状況証拠.2)
搭載荷重の違いによるブレの変化
( ウェイト10㎏でバランスがとれています。)
同じ夜にO軸ガイドシステムでサンニッパレンズを搭載したガイドグラフです。
PHDの制御間隔でもある露光時間はガイド鏡だけのときの半分の1secとなっています。
わかったこと
○
搭載荷重が大きくてもバランスがとれた方がブレは小さくなっている。
○
PHDの露光時間が短い方がブレが小さくなる?
バランスについては数値化しにくいので、2つめのPHDの露光時間と
ブレ
の関係を調べてみました。
このグラフからは
●
PHDの
露光時間が短い方
が、
ブレが少ない
傾向がある。
●
赤経RA(東西
方向
)のブレは、赤緯Dec(南北
方向
)のブレの2倍ほど大きい。
これは何を意味するのか
推理
してみました。
推理1
赤緯Decのブレはシンチレーションによるもの
(注)
ふだんは静止している赤緯Decの変化は
シンチレーション
(
大気のゆらぎ
)と、
その補正のための制御信号によるものしか考えられない。
(注)
シンチレーションの継続時間は1/1000秒から約1秒と言われており、
グラフはPHD露光時間内(数秒)に何十回、何百回も変化するガイド星の平均位置を表している。
推理2
赤経RAのブレはシンチレーションと回転ムラが合成されたもの
赤経RAのシンチレーション
(赤緯Decと同程度)
(注)
に、常に回転している
赤経モータの伝達ギヤの回転ムラ
(わずかな進み遅れ)
が加わる。
(注)
シンチレーションは大気の密度のわずかな差で発生し、RA(東西
方向
)がDec(南北
方向
)より常に大きいとは考えにくい。
推理3
赤経モータの伝達ギヤの回転ムラは、
ピリオディックモーションほどではないが、比較的ゆるやかに変化する。
(注)
シンチレーションと違い、その変化が制御可能な継続時間であれば、
露光時間(=制御間隔)を短くすれば回転ムラによる進み遅れは補正が可能。
(注)
数個のギヤで回転を伝達する際に、その形状から必ずわずかな回転ムラが発生する。
もしこの推理が正しければ
特に
星像へのダメージが大きい
赤経RAの
ブレ
を起こしている犯人は
主 犯
(C)
赤道儀のギヤ・潤滑油の劣化による回転ムラ
(2015/06/05 追記 )タカハシのHPより第一世代のTemma赤道儀まではステッピングモータの回転ムラがあることが判明
共犯者
(A)
大気のゆらぎ(シンチレーション)
になります。
ただし、
大気のゆらぎ
(シンチレーション)の補正については
はじめからPHDガイディングでは補正対象外としています。
結局 状況証拠しかないので、推理というより推測で終わらざるを得ないのですが、
実際の運用にあたっては
1.
できるだけ強固な固定方法を撮る事により、
タワみ
による流れを”0”に近づける。
2.
PHD露光時間を短くしてギヤの回転ムラによる
ブレ
も抑制する。
大気のゆらぎ(シンチレーション)が大きい時はしかたないとあきらめる。
といったところでしょうか。
================================================
連載までした記事なのに、尻切れトンボのような
終わり方ですみません。
タワみ対策で購入した中古のプレートは届いています。
結局追加注文してしまった片割れが届いたら
ブログにて報告させてもらいます。
雪はほとんど消えていたのですが、真冬に逆戻りしました。
また星空が遠くなりました。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
こちら
から。
雲上
(
くもがみ
)
ブログランキング参加しています。
←いつもポチッとありがとうございます。
にほんブログ村
==========================================
コメント (6)
VC200Lガイド検証(その1 タワみによる流れ)
2015年02月07日
|
それでも星は流れる
せっかく、短焦点反射鏡筒
R200SS
(口径
20
cm焦点距離
800
mm)
を
「親亀子亀方式」でガイドすることにより、星の流れを許容範囲に収める事ができたというのに・・。
昨年9月、口径は同じものの焦点距離が倍以上
(
1800
mm)
の
VC200L
(中古)を
ポチッてしまった事から、新たな苦労が始まりました。
奥にあるのが
R200SS
、手前が新しく購入した
VC200L
。(鏡の口径は共に20cm)
その経過についてはブログの中で報告してきましたが、未だ満足できるガイド精度が得られていません。
ただ、その検証の過程で、星の流れは次の
2つに分類
できることがわかりました。
タイプ
Ⅰ.
タワみ
によるゆるやかな流れ
原因は荷重の変化により、撮影鏡筒・ガイド鏡筒の向きがズレるためと思われる。
ズレは露光時間と共に増大する。
タイプ
Ⅱ.
ブレ
による短時間の流れ
はっきりした原因はわかりませんが、
大気のゆらぎやガイド信号による過剰制御、赤道儀のギヤ摩耗による回転ムラなど
特定できていませんが、いろいろ考えられます。
露光時間が増えてもブレの量はあまり変わらない。
今回は
Ⅰ.
タワみによるゆるやかな流れ
について
これまでに得られたガイド結果の実績データを元に検証をおこないます。
タワみによる流れについては、
R200SS
の頃からの課題で、
主に撮影鏡筒とガイド鏡筒の搭載方法が問題となります。
VC200L
においても購入直後から試行錯誤の連続でした。
Step
1
サイドスコープ
方式
VC200L
は鏡筒バンドではなく鏡筒本体のアリガタで固定する方式のため、
そのままでは「親亀子亀」方式が使えず、プレートにガイド鏡と並列に搭載しました。
関連記事は
⇒
こちら
<ガイド実績データ>
①
2014/09/22
⊿Ra=
21.5 pixel/H
⊿Dec=
2.5 pixel/H
⊿L=
21.6
pixel/H
* 星像の位置データは
ステライメージ7
の自動位置合わせのデータから取得しています。 右は
PHDGuiding
で表示されたグラフ。
②
2014/09/22
⊿Ra=
28.0 pixel/H
⊿Dec=
4.6 pixel/H
⊿L=
28.4
pixel/H
③
2014/09/23am
⊿Ra=
35.6 pixel/H
⊿Dec=
6.5 pixel/H
⊿L=
36.2
pixel/H
それぞれ別個に鏡筒を固定しているため、
R200SS
の時と同様
(それ以上?)
に
時間とともに赤経Ra(東西方向)が大きくズレて、星像が長く伸びています。
得られる星像の流れは赤経Raと赤緯Dec(南北方向)の流れが合成されたものになります。
上記3件の合成された流れの平均は
露光1時間当たり
28.7
画素
(VC200L+60D)になります。
流れの許容値
ですが、実際の星像は最小で
8
画素
程度でしたので、その半分の
4
画素
以下
を許容値
とします。
つまり1枚15分露光ならば
1時間で
16
画素
までが許容範囲となるのですが、
この方式ではかなりオーバーしていることがわかります。
* 実際はこれに
「
短時間のブレ
」
が加わるので、もっとシビアな許容値が必要。
Step
2
親子鷹
方式
VC200L
は筒底に荷重が集中し、
R200SS
以上にバランスがとりにくい鏡筒です。
そこでこんどはマルチプレートに2個のアリミゾで固定し、
ガイド鏡筒はキャリーハンドルについていたカメラネジを利用して取り付けました。
関連記事は
⇒
こちら
<ガイド実績データ>
④
2014/09/28
⊿Ra=
42.7 pixel/H
⊿Dec=
4.5 pixel/H
⊿L=
43.0
pixel/H
結果は
露光1時間当たり
43
画素
(VC200L+60D)
と大幅にオーバー。
これは予想していた結果で、VC200L鏡筒の固定は強固になったものの、
ガイド鏡とマウントをカメラネジ1個で支えるのは無理がありました。
Step
3
ドンキホーテ
方式
カメラネジでガイド鏡を固定するのは無理があるとわかったのですが、
重心を下げてもっとシンプルな固定方法ではどうか試してみました。
より焦点距離の長いガイド鏡にしたのですが、イメージシフトにより鏡筒バンドで直に固定できます。
関連記事は
⇒
こちら
<ガイド実績データ>
⑤
2014/10/01
⊿Ra=
35.4 pixel/H
⊿Dec=
83.4 pixel/H
⊿L=
90.6
pixel/H
きつく締めたのですが、カメラネジの回転方向にあたる赤緯(Dec)だけで
なんと露光1時間当たり
83
画素。赤経(Ra)と合成するとなんと
91
画素
にもなりました。
長い槍で風車に挑むドン・キホーテの様に無理があったようです。
Step
4
ドンキホーテ(改)
方式
VC200L本体はアリミゾ2個所で固定されているので、
ガイド鏡も前後二か所で固定する方法を考えてみました。
鏡筒前部に巻きつけてあるのは、鏡筒回転用バンドのハンドルを外したもの。
関連記事は
⇒
こちら
<ガイド実績データ>
⑥
2014/10/11
⊿Ra=
3.6 pixel/H
⊿Dec=
2.8 pixel/H
⊿L=
4.6
Pixel/H
⑦
2014/10/17
⊿Ra=
7.8 pixel/H
⊿Dec=
19.4 pixel/H
⊿L=
20.9
pixel/H
⑧
2014/10/17
⊿Ra=
37.5 pixel/H
⊿Dec=
33.5 pixel/H
⊿L=
50.3
pixel/H
この方式でもっとも流れが大きかったガイドデータ
⑨
2014/10/18
⊿Ra=
6.5 pixel/H
⊿Dec=
6.2 pixel/H
⊿L=
9.0
pixel/H
⑩
2014/10/19am
⊿Ra=
2.5 pixel/H
⊿Dec=
2.3 pixel/H
⊿L=
3.4
pixel/H
もっとも流れが少なかったガイドデータ
これ以降のガイドソフトは
PHD
2
を使用しています。
⑪
2014/10/19
⊿Ra=
7.6 pixel/H
⊿Dec=
2.7 pixel/H
⊿L=
8.0
pixel/H
⑫
2014/10/19
⊿Ra=
2.5 pixel/H
⊿Dec=
2.3 pixel/H
⊿L=
3.4
pixel/H
⑬
2014/10/24
⊿Ra=
13.4 pixel/H
⊿Dec=
10.0 pixel/H
⊿L=
16.8
pixel/H
⑭
2014/10/24
⊿Ra=
35.1 pixel/H
⊿Dec=
15.8 pixel/H
⊿L=
38.5
pixel/H
VC200L鏡筒本体に加えてガイド鏡も2箇所で固定としたことから
飛躍的に流れが減少しました。
大流れしたことがあったため、平均では1時間当たり
17.2
画素
(VC200L+60D)と、
許容値をわずか越えていますが、
「
ブレによる流れ
」を考慮しなければ実用域に入っています。
ただこの方式の
欠点
として
● 搭載重量が過大で負担が大きい(人・赤道儀)
(バランスウエイトだけで12.5㎏)
● R200SS鏡筒使用時に大幅な組み換えが必要
Step
5
コンバーチブル
方式
VC200L
鏡筒のアリガタの取り付けがわずか4本のネジだったため、
取り外して
R200SS
の鏡筒バンドを使用して「親亀子亀方式」にしてみました。
鏡筒の固定が1か所になるという問題はあるのですが、
これならR200SSと共用で使うことができます。
関連記事は
⇒
こちら
<ガイド実績データ>
⑮
2014/11/20
⊿Ra=
32.1 pixel/H
⊿Dec=
20.4 pixel/H
⊿L=
38.0
pixel/H
⑯
2014/11/20
⊿Ra=
10.1 pixel/H
⊿Dec=
2.7 pixel/H
⊿L=
10.4
pixel/H
⑰
2014/11/21am
⊿Ra=
7.6 pixel/H
⊿Dec=
9.9 pixel/H
⊿L=
12.4
pixel/H
⑱
2014/11/21am
⊿Ra=
12.8 pixel/H
⊿Dec=
8.0 pixel/H
⊿L=
15.1
pixel/H
⑲
2014/11/22
⊿Ra=
11.5 pixel/H
⊿Dec=
20.4 pixel/H
⊿L=
23.5
pixel/H
この方式の平均に近いガイドデータです
⑳
2014/11/22
⊿Ra=
25.1 pixel/H
⊿Dec=
20.3 pixel/H
⊿L=
32.3
pixel/H
ドンキホーテ(改)
に比べて、搭載重量は減ったのですが、
アリミゾ固定が1か所に減っています。
ガイド結果の平均は1時間当たり
22.1
画素
(VC200L+60D)と、
少し流れが大きくなってしまいました。
この方式は今後も使用頻度が高いと思われる
R200SS
と共用できるというメリットもあり、
悩ましい結果となっています。
ガッチリ固定でR200SSでも使えるとなると・・
やはり
あれを買うしかないか
。
今回、検証に使ったガイドデータをグラフにして比較してみました。
( 画素数はVC200L f=1800mm相当に換算)
VC200L本体、ガイド鏡筒ともに2個所で固定した、
ドンキホーテ(改)
方式
が有利なことがわかります。
次回はまだ原因の特定ができていない
タイプⅡ.
ブレ
による短時間の流れ
について 分析を行う予定です。
================================================
この記事を書きながら、
あれ
について検索していたところ、
たまたま
その片割れ
が中古で定価の半分くらいで売り出されているのを見つけました。
気が付いたら注文していました。
どうすんだよ! まだ分析の途中だろ。
それに
もう片方
の方が高いのに。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
こちら
から。
雲上
(
くもがみ
)
ブログランキング参加しています。
←いつもポチッとありがとうございます。
にほんブログ村
==========================================
コメント (10)
久々に 星見えた夜は 満月昇る (字余り)
2015年02月05日
|
天体写真(月・惑星・彗星)
前回は”怪人”としての登場でしたので、
今回は”俳人”として風流人 雲上
( くもがみ )
を装ってみました。
ほんとは2週間ぶりに星が見えたのに満月の夜だった。という、
雪国の冬を怨念を込めて詠んだ一句です。
えっ、
「 季語はどれだ? 」
ですって?
えー ・ ・ っと あっ、これは川柳でした。
4日は午後から陽がさし、夕方には雲があったのですが星が見えそうな気配が。
ずっと撮ってないので月の太さにも無頓着になってたのですが、調べてみたらちょうど満月。(残念!)
いつもは30秒露光のおりおんショットですが、今回は空が明るくて15秒が限度。
こんな夜はいさぎよく撮るのをやめればいいのですが、
この季節、月に1,2回しか晴れないとなるとそうも言ってられません。
作品などははじめから無理なことは承知だったのですが、
オートガイドの検証データが欲しくて設営してみました。
とは言ってもせっかく設営したので、雲が切れるのを待って 少し忘れかけていた
ラヴジョイ彗星
を。
右の明るい星
(みたいなの?)
は γAnd(アルマク)2等星です。
撮影DATA
:
2015/ 2/ 4
19:53’~
canon NFD
300
mm F2.8
(手製絞り
F
4
相当)
露出
1分×15枚
コンポジット ISO 1600 Cooled
60D
(気温0~-0.3℃ 冷却 オフ) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG ガイドスコープGS-60S PHD2 Guiding ステライメージ7
普段なら5分以上の露光が可能なのですが、空が明るくて1分までしか。
ほんとは、アンドロメダ座のフェースオン銀河NGC891とのツーショットを狙ったのですが、
あまりに明るい空でやる気がなくなりました。
(NGC891はもうわずか左にあるはずです。)
ものはついでに、まだ高い位置にあったスバルも撮影。
寂しいスバルですが、満月の空ではこれが限界です。(1分×8枚)
地面が凍り付いてきたので、本日の目的であったオートガイドの検証に切り替え。
ガイド鏡筒(D50mmf700mm)だけを載せて、オートガイドの検証を。
検証内容は
○ 搭載機材の荷重の違いによるガイドグラフの変化
○ 制御信号用コードを抜いた時のグラフの変化
などになります。
コードを抜いて制御信号が届かない時のPHD2のグラフ
現在、VC200Lによる来るべき春の銀河祭りに向けオートガイド検証結果の分析中です。
まとまった時点で2回に分けてブログ掲載予定です。
================================================
昨夜は早々撤収したのですが、
一晩中晴れていたようで、朝は放射冷却でガリガリ。
今夜は晴れなくていいので、月が細い別の日にして欲しい。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
こちら
から。
雲上
(
くもがみ
)
ブログランキング参加しています。
←いつもポチッとありがとうございます。
にほんブログ村
==========================================
コメント (5)
ランキング参加してます
にほんブログ村
応援(クリック)してね
天体写真 ブログランキングへ
記事一覧
|
画像一覧
|
フォロワー一覧
|
フォトチャンネル一覧
«
前ページ
次ページ
»
プロフィール
フォロー中
フォローする
フォローする
自己紹介
雲上(くもがみ)
めったに星の見えない雪国で、30年ぶりに天体写真に挑戦しています。
ログイン
編集画面にログイン
ブログの新規登録
最新記事
さんかく座銀河 中心部(C11鏡筒開眼 !? その3)
ステファンの5つ子(C11鏡筒開眼 !? その2)
月明りも 雲もない夜に、C11鏡筒ついに開眼 !?
C11鏡筒の”結露”、月明りの中で対策検証(その2)
C11鏡筒のラスボスは”結露”、月明りの中で対策検証(その1)
去り行く紫金山・アトラス彗星(ラストショットはヨンニッパと赤道儀で)
C11重厚長大フードは期待外れ
自宅で撮った紫金山・アトラス彗星(10月14日)
サンニッパ持って行ったのに、写っていたのは広角ズーム(紫金山・アトラス彗星)
C11鏡筒 実戦初ショットは低空の月
C11 vs VC200L 星像の差は歴然?『C11鏡筒がやって来た』
光軸調整 これが限界?(屋外検証 第三夜) 『C11鏡筒がやって来た』
初めて見えた星像は?(屋外検証 第二夜) 『C11鏡筒がやって来た』
いよいよ屋外設置で検証(第一夜)『C11鏡筒がやって来た』
星が見えなくてもやれる事。『やって来たC11鏡筒』
続3・夢のお告げで問題解決?『やってきたC11鏡筒』
続2・無理なのは赤道儀ではなく 私の体力だった。『やって来たC11鏡筒』
わたしのブログでは評判の良くなかった NGC281パックマン星雲
10ヶ月後のリベンジ 『象の鼻』(ケフェウス座 IC1396内)
久しぶりのM27あれい星雲(熱帯夜の趣味部屋スルー作戦 成功!)
>> もっと見る
バックナンバー
2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月
2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月
2023年11月
2023年10月
2023年09月
2023年08月
2023年07月
2023年06月
2023年05月
2023年04月
2023年03月
2023年02月
2023年01月
2022年12月
2022年11月
2022年10月
2022年09月
2022年08月
2022年07月
2022年06月
2022年05月
2022年04月
2022年03月
2022年02月
2022年01月
2021年12月
2021年11月
2021年10月
2021年09月
2021年08月
2021年07月
2021年06月
2021年05月
2021年04月
2021年03月
2021年02月
2021年01月
2020年12月
2020年11月
2020年10月
2020年09月
2020年08月
2020年07月
2020年06月
2020年05月
2020年04月
2020年03月
2020年02月
2020年01月
2019年12月
2019年11月
2019年10月
2019年09月
2019年08月
2019年07月
2019年06月
2019年05月
2019年04月
2019年03月
2019年02月
2019年01月
2018年12月
2018年11月
2018年10月
2018年09月
2018年08月
2018年07月
2018年06月
2018年05月
2018年04月
2018年03月
2018年02月
2018年01月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年09月
2017年08月
2017年07月
2017年06月
2017年05月
2017年04月
2017年03月
2017年02月
2017年01月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年09月
2016年08月
2016年07月
2016年06月
2016年05月
2016年04月
2016年03月
2016年02月
2016年01月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年09月
2015年08月
2015年07月
2015年06月
2015年05月
2015年04月
2015年03月
2015年02月
2015年01月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年09月
2014年08月
2014年07月
2014年06月
2014年05月
2014年04月
2014年03月
2014年02月
2014年01月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年09月
2013年08月
2013年07月
2013年06月
2013年05月
2013年04月
2013年03月
2013年02月
2013年01月
2012年12月
2012年11月
カテゴリー
上越天体写真友の会
(8)
全記事一覧(カテゴリー別)
(5)
天体写真(系外銀河)
(263)
天体写真(星雲・星団)
(288)
天体写真(月・惑星・彗星)
(153)
天体写真(流星群・星野写真)
(27)
自宅で撮った『大宇宙SCALE』
(64)
画像処理のはなし
(86)
それでも星は流れる
(44)
天体写真よろず話
(114)
機材
(145)
手作りグッズ
(10)
ガイド星図22時
(17)
天体アルバム2021
(4)
天体アルバム2020
(4)
天体アルバム2019
(4)
天体アルバム2018
(4)
天体アルバム2017
(5)
天体アルバム2016
(5)
天体アルバム2015
(5)
天体アルバム2014
(4)
天体アルバム2013
(8)
天体アルバム2012
(3)
みんなの宇宙(そら)
(35)
今夜のターゲット
(6)
春の銀河アタックプラン
(6)
ブログのはなし
(13)
我が家の四季
(96)
日記
(20)
5年前のそら
(7)
そら(宇宙)のかるた
(6)
木製帆船
(10)
ブックマーク
「上越清里 星のふるさと館」
新潟県内最大の口径65cmの望遠鏡、プラネタリウム設置。
アクセス状況
アクセス
閲覧
902
PV
訪問者
451
IP
トータル
閲覧
3,958,442
PV
訪問者
1,400,430
IP
最新フォトチャンネル
ch
212204
(24)
天体アルバム2012
>> もっと見る
ポチッとお願いします。
天体写真 ブログランキングへ
文字サイズ変更
小
標準
大
カレンダー
2015年2月
日
月
火
水
木
金
土
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
前月
次月
goo blog
お知らせ
ブログを読むだけ。毎月の訪問日数に応じてポイント進呈
【コメント募集中】goo blogスタッフの気になったニュース
gooブロガーの今日のひとこと
訪問者数に応じてdポイント最大1,000pt当たる!
goo blog
おすすめ
おすすめブログ
【コメント募集中】
スタッフの気になったニュース
@goo_blog
お客さまのご利用端末からの情報の外部送信について
最新コメント
雲上(くもがみ)/
ステファンの5つ子(C11鏡筒開眼 !? その2)
さすけ/
ステファンの5つ子(C11鏡筒開眼 !? その2)
雲上(くもがみ)/
C11鏡筒のラスボスは”結露”、月明りの中で対策検証(その1)
さすけ/
C11鏡筒のラスボスは”結露”、月明りの中で対策検証(その1)
雲上(くもがみ)/
自宅で撮った紫金山・アトラス彗星(10月14日)
さすけ/
自宅で撮った紫金山・アトラス彗星(10月14日)
雲上(くもがみ)/
いよいよ屋外設置で検証(第一夜)『C11鏡筒がやって来た』
マルさん/
いよいよ屋外設置で検証(第一夜)『C11鏡筒がやって来た』
雲上(くもがみ)/
星が見えなくてもやれる事。『やって来たC11鏡筒』
さすけ/
星が見えなくてもやれる事。『やって来たC11鏡筒』
メッセージ
メッセージを送る