雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

星空から 星雲・銀河へズームアップ(講演会資料その2)

2014年08月20日 | 天体写真よろず話
また広島の方で土砂災害が発生したというニュースが朝から流れています。
そんな今年の夏、8月はまだ星の撮影は皆無です。
そこで今回も先日の講演会の内容報告で撮影できるまでの時間つなぎとします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( 一部画像はすでにブログ掲載していますが、講演会のの流れにあわせて再掲しました。)

手持ちのカメラの広角レンズから反射望遠鏡まで使って、
星空の写真から、かなたの星雲や銀河のクロ-ズアップまでお見せします。

(これ以降の画像はクリックで拡大表示できます)
これが現在 私が撮影に使っている主な機材です。
上の方の長い望遠鏡が30年以上前に買ったものです。
(いまでも太陽の撮影などに使っています。)
他は再開してから中古品を購入したものがほとんどですが、ずいぶん増えてしまいました。
これからお見せするのは、これらの機材を総動員して撮影したものです。

これは、春 北の星空を広角レンズで撮ったものです。
おなじみの星の並びが見えていますが、わかりますでしょうか?

北斗七星はおおぐま座のお尻から尻尾にあたる部分で、全体はとても大きな星座です。
ししゃくの先を延長すると・・ 北極星の探し方のひとつですね。
それでは画面の上の方、星のまばらなエリアを拡大してみます。

中央にかすかなシミのようなものが見えてきました。
このエリアを望遠レンズで更に拡大してみます。

星にまじって、いくつかの遠い銀河が見えてきました。
これをさらに望遠鏡を使って撮ると・・

それぞれの銀河の特徴までよくわかるようになりました。
右下の均整のとれた渦巻銀河はM81。 右上の中央が爆発しているかのような銀河はM82。
M(エム)というのはメシエカタログのことで・・18世紀のフランスの天文学者シャルル・メシエ
(この天文学者は彗星の発見に熱心だったそうで、いつもおなじ場所に見えるぼーっとした、
彗星とまぎらわしいじゃまもののリストを作りました・・それがメシエカタログです。)
メシエは、このぼおっとしたものの招待を知っていたのでしょうか?(たぶん知らなかったのでは)
次に上に見えているM82を更に拡大撮影したものをお見せします。

いつもは前の画面の下に見えていたM81とのコンビで撮影するのですが、
今回M82単独で撮ったのは・・超新星(2014J)が出現中だったため。
この超新星は今年1月23日ロンドン大学で学生の実習授業で偶然発見されたものです。
この写真はその2か月後の4月1日夜わたしが撮影したものです。
まわりの星はすべてわたしたちの天の川銀河内のものですが、
見えている超新星は1200万光年はなれたM82銀河で星が最後を迎えて爆発した姿です。
(今年1月といいましたが、実は1200万年前の光がやっと届いたものです。)

これは去年の5月末(31日)に、 金谷山スキー場で撮った、昇ってくる天の川銀河です。
普段は自宅で撮影しているのですが、天の川の南に低い部分も撮りたくて、
めずらしく出かけました。 さそり座、いて座、天の川銀河の中心部()はこのあたり、
天の川銀河の南半分は、日本からは地平にかくれて見る事ができません。
つぎにさそり座からいて座の範囲を写した画像になります。

これも同じ夜に金谷山スキー場で撮影したものです。
右端の赤い星はさそり座のアンタレス。 黒いガスや塵の雲がたなびいています。
アンタレス付近もいろんな色のガスが入り混じって美しいエリアなのですが、
今回ズームアップするのは、銀河中心に近い、いて座の散光星雲が集まったところ

右下に見えている明るく大きな散光星雲は干潟星雲と呼ばれています。
満月が3個も横に並ぶほど見かけの大きな星雲ですが、南に低いため
肉眼では写真のようにあざやかに見るのはむずかしいでしょう。
右上に小さいながらも赤と青のきれいな星雲は三列星雲と呼ばれています。
次に干潟星雲を望遠鏡で撮影したものです。

もともと大きく明るい星雲ですが、中心部は特に明るく輝いています。
その中心部を更に拡大してみました。

これは望遠鏡に拡大レンズを付けて撮影したものです。
まだ中心部がとても明るく、細部は見えませんがこの中心部をハッブル宇宙望遠鏡が撮影しています。

まるで竜巻のようなガスの姿が写っています。

画面が変わって秋の星空を見上げた様子です。
アルファベットのWをくずしたようなカシオペア座。上にはアンドロメダ座。
左下のはくちょう座から右側ペルセウス座にかけて秋の天の川がながれています。
広角レンズで広い範囲を写したものですが、すでにアンドロメダ大銀河の姿がわかります。

明るくおおきなアンドロメダ銀河は比較的簡単に写す事ができます。
望遠レンズで拡大すると・・

これは持っている一番大きな望遠レンズで撮ったものです。
渦巻く銀河の姿や、お伴の銀河も良く見えています。これをわたしの望遠鏡で撮ると・・
見かけがとても大きいため、全体がおさまりません。
そこで2枚に分けて撮る事にしました。

これは東側半分を撮ったもの。大きすぎて銀河の外側がはみだしています。

これは西側。一部重複させて撮影することにより、2枚をつなぐ事ができます。
前にお話しした「モザイク合成」です。

これもデジタルならではの便利なところ
大きな本体がM31アンドロメダ大銀河。 他に小さなお伴の銀河も見えています。
星と見間違う明るいM32。細長い楕円のかたちのM110。

( 画はPowerPoint2013の画面切り替え機能の”折り紙”を使ったものです。)
このほかに冬の星空にもオリオン大星雲など興味深い対象があるのですが、
時間の関係で省略させてもらいました。


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この夏、天候がよろしくないのは全国的なようです。
ブログ仲間の皆さんも長いこと写真が撮れずモンモンとしております。
今我が家の庭では先日ブログで紹介した”ヒュンヒュン百合”がまっさかり。
外来種はたくましい。

雲上くもがみ
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30年ぶりに天体写真を始めた理由(講演会資料その1)

2014年08月18日 | 天体写真よろず話
月も下弦を過ぎたのに一向に星の見えそうな気配がありません。
そこで先日終了した「上越清里 スターフェスティバル」での講演会内容のあらましを
何回かに分けてブログ掲載することにしました。

今回は自己紹介が終わったあとの最初のテーマになります。
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なぜ30年も前にやめた天体写真を、この歳になって再開したのかですが・・
「仕事をやめると毎日が日曜日になるから」・・これも“ ピンポーン! ” なのですが・・
一番の理由は、昔に比べると、天体写真を撮る機材や技術が格段に進歩していたからです。

では、30年前はどんなだったかというと・・

これは昭和53年(1978)・・今から36年前に発行された天文ガイド 別冊号です。
この雑誌の裏表紙には、当時わたしが給料数か月分をはたいて購入した望遠鏡が載っています。

この雑誌に、当時の撮影風景が載っています。
まだカメラといえばフィルムの時代で、
天体写真向きの高感度のフィルムは白黒フィルムでした。
それで暗い星や星雲を写すには長い時間シャッターを開けていなければなりません。
問題は地球の自転で撮影中に星が動いていく事。
この星の動きを望遠鏡を使って追いかける必要がありました。
画面は撮影中の様子ですが、カメラを望遠鏡にのっけて、
撮影者は十字線を張った接眼鏡で、星を逃がさないように望遠鏡を動かします。
忍耐の必要な作業ですが、更に悪い事に、フィルムには長い時間
光を当て続けると次第に感度が落ちてくるという性質がありました。
結局 長い時間の間に星はずれて、出来上がった写真は星が流れたように写っていました。
他にもめったに星の見えない雪国の悪天候などもあって、
わずか1,2年でわたしはやめてしまったのですが・・
そんな中でも頑張っていたアマチュアの人たちがいます。

これは、当時最先端を行くマニアの一人、古田さんという人の紹介記事
自前の観測所に大口径の望遠鏡を据え付け、
自作したカメラをドライアイスで冷やす事により、長時間露光によるフィルムの感度低下を防いでいます。
わたしも当時古田さんの撮った写真集を何冊も持っていました。
でも、今では私でも暗い星雲や銀河を写す事ができるようになりました。

それもカラーで。

ではこの30年でなにが変わったのでしょうか。

これは現在私が使用しているデジタルカメラです。
30年ぶりに天体写真を再開した最大の理由は・・
デジタルカメラの性能向上と価格が安くなったこと
特に性能面では年々高画素で高感度となりフィルムの能力を越えてしまいました。
デジタルカメラの特徴として非常に効率良く、光を記録できること。
フィルムのような長時間露光による感度低下もありません。
他には・・
これは撮影中の様子ですが、もうガイド望遠鏡をのぞき続ける必要がなくなりました。
コンピュータで制御できる赤道儀が一般的になったからです。

このようにパソコン画面を見続ける必要もありません。
ガイド用望遠鏡につけた小型カメラで星を自動追尾します。
タイマーリモコンで露光時間・撮影枚数をセットしたら時々チェックに見に来るだけ。
これは大変ありがたいことで、寒い冬場や蚊におそわれる夏場は、
撮影中 部屋でのんびり待機できます。

その代わりに、望遠鏡はコードでごちゃごちゃになっております。
(つまり撮影準備には大変時間がかかるという事になります。)

更にわたしが天体写真にはまってしまったわけがあります。
それはさまざまな画像処理が可能になったこと
たとえば・・
画像を重ね合わせる事による効果
これは一晩に撮影した画像の一覧ですが同じ画像を何枚も撮影しています。
1枚15分間露光の撮影ですが、同じものを何枚も撮る事により、何時間もかけています。

このとき撮ったおおぐま座にある子持ち銀河の画像を拡大したものです。
ノイズによりザラザラした画像ですが、15分間もシャッターを開けた画像ですので、
これでも親子の銀河がつながっている様子はわかります。
これを何枚も重ねあわせると・・
これは18枚重ね合わせた画像です。(合計露光時間は4時間半になります。)
別の夜に撮った画像を使う事もあるのですが、何枚も重ね合わる事によって・・
かすかな銀河の腕の形やその色合いまで浮かび上がらせることができます。

これも重ね合わせ処理なのですが、各画像の平均では無く
明るい画像を優先して重ね合わせます。
露光時間 1分間の写真です。
これはカメラを三脚にのっけて、そのまま1分間シャッターを開けたままにして
撮ったものです。中央に北極星が見えていますが、
これを連続して30回撮ったものを重ね合わせると
約30分間の星の動きとなります。
このような写真はフィルムの時代でも撮れたのですが、そのまま30分もシャッターを開けておくと、
空の明るさで星が埋もれてしまいます。
このように明瞭に星の軌跡がだせるのはデジタル処理のおかげです。

次は「モザイク合成」。聞きなれない言葉ですが、パノラマ写真と同じようなものです。
これははくちょう座の大きな星雲を反射望遠鏡で撮影したものです。
ごらんのように星雲の一部しか撮れていませんが、その分細部まで見ることができます。
これを写す範囲をずらしながら3回に分けて撮影します。
これをモザイク合成すると。

見た目は望遠レンズで撮った写真に近くなるのですが、解像度が大きくちがいます。
画素数は約3枚分ですので、プリントなら大きく伸ばしてもあらが見えないということになります。
(これはマイクロソフトが無料で提供している「イメージコンポジットエディター」でつないでいます)
他にもビデオ画像を使った、月や惑星の拡大撮影方法などがあるのですが、時間の関係で省略しました。
( 絵はPowerPoint2013の画面切り替え機能の”折り紙”を使ったものです。)

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今回の講演会資料はPowerPoint2013を使用して作成したのですが、
以前現役時代に仕事で使った頃に比べて、ずいぶん機能が増えました。
画像の移動・拡大も自由で、画面の切り替え方法も多彩です。
おかげで素材は静止画像でしたが、動きや変化を付ける事ができました。

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娘が書いた講演会レポート

2014年08月16日 | 天体写真よろず話
昨晩(15日)あいにくの空模様の中「上越清里 星のふるさと館」で私の講演会がありました。
8月13日から3日間 『上越清里スターフェスティバル』の最終日の行事になります。
雷雨にでもなりかねない雲予報となっていました

もうこの歳になって緊張することもないだろうと思っていたのですが・・
客観的に報告する事が難しい状況でしたので、以下 誰も来てくれないのではと、
一緒に行ってもらった末娘のレポートで報告いたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・

初めまして、雲上の娘です。
普段から父にブログを見るように(そしてイイネ!を押すように)再三言われつつも
ちっとも見ずにいる私ですが、本日は「星のふるさと館」での講演会をサクラとして聞きに行くことになりましたので、
せっかくなのでレポートを記したいと思います。

講演会当日、あいにくのどんよりとした空模様の中を上越清里へ向かいます。
星のふるさと館の付近はあいにく濃霧に覆われており、非常に視界が悪いです。
こういうところに日ごろの行いの悪さが出るのでしょうか。(誰の行いのこと?・・雲上)

さて、今回会場として使わせていただくのは、なんとプラネタリウムの中!
講演会終了後には、私の大好きなプラネタリウムの番組
「銀河鉄道の夜」も上映されるとの事で、期待が高まります。

開演5分前頃になると、ちらほらお客さんが。
せいぜい私を含め5人いればいいところだろうと思っていましたが、
なんとご家族連れも含めて15人ほどの方が来てくださいました!
まさかの予想を裏切る大盛況の中で、講演会が開演となりました。

こちらは星のふるさと館のHOSOYAさん。
講演の前にご紹介をいただきましたが、父は3年間の付き合いがありながら、
名前の読みまでは覚えていただいていなかったことがここで明らかになりました。
(そういえば私もHOSOYAさんの名前までは・・雲上)

名前のまちがいを修正するタイミングがないまま講演がスタートします

緊張のためか、始めはぎこちないしゃべり。聞いているみんなもハラハラします。
(アドリブも入れなきゃと考えたのが間違いだった・・雲上)
しかしパワーポイントにも助けられ、次第に話もスムーズに。
前半は、機材の進歩や我が家での撮影方法などについての話が中心です。

呆れる母を尻目に集められた各種の機材。私には何に使うものかさっぱり分かりません。
もちろんここに出ているものは「今使用している機材」のみですから、
新しい物が好きな父がここにたどり着くまでにどれほどの出費を繰り返して
きたかと思うと胸が痛みます。(最近はそんなに衝動買いはしてないけど・・雲上)

続いて話は、すばる望遠鏡と我が家の望遠鏡を比べてみよう!というテーマに。

我が家の望遠鏡ではぼんやりとしか映らない銀河も、すばる望遠鏡にかかれば色鮮やかにくっきり美しく。
圧倒的な技術と性能の差を思い知らされます。

( 長くなるので画像は省略 )


こちらはハッブル宇宙望遠鏡。わし星雲は我が家の望遠鏡では全体像をとらえるのがやっとですが、
ハッブル宇宙望遠鏡ならそこでどのような現象が起こっているのかまで鮮明に写しだす事ができるのです!

7000光年離れた宇宙での映像だなんて信じられませんね!さすが宇宙の天文台と呼ばれるだけあります!

天体写真にはあまり興味のない私ですが、
今回の講演会で、すばるとハッブル宇宙望遠鏡の撮影した写真を見る事で、
いかに宇宙が広大で、かつダイナミックな現象の起こっている世界なのかということを実感する事ができました。
今後も、すばるとハッブル宇宙望遠鏡がもたらしてくれる素晴らしい宇宙の映像を楽しみにしています。
(ここは父さんの撮った写真をほめるべきところでは・・雲上)

さて、10分ほど予定時間を越えたところでようやく講演会は終了いたしました。
いよいよここからが本日のメイン、プラネタリウムの時間です。待ってました!(おいおい・・雲上)

(クリックで番組ホームページにリンクします。)

このプラネタリウムの番組「銀河鉄道の夜」は、みなさんおなじみの宮沢賢治の小説を
もとにして作られた作品です。もともと宮沢賢治という作家は、非常に美しく繊細な言語表現を持った作家であり、
特にこの「銀河鉄道の夜」における幻想的な風景の描写は圧倒的と言ってもいいほど。
物語自体はやや難解ではありますが、それでも無数の人々をとりこにしてやまない「美」がそこにはあります。
だからこそ、この「銀河鉄道の夜」の映像化というのは、ファンにとっては原作のイメージを
壊しかねないものとして警戒されがちなわけですが……
 
( あまりに長いので途中 大幅に割愛 )

さて、3回目の「銀河鉄道の夜」鑑賞も大変素晴らしいものでした。
この番組も見られる場所が限られていますから
(初めてのときはわざわざこれを見るために東京の府中まで行ったのです)、
この星のふるさと館で見る事ができたのは本当にうれしい事でした。
夏休み中は引き続き上映が行われるようですから、お近くにお住まいの皆様は
ぜひ足をお運びになってはいかがでしょうか?
(ふぅっ 長かった。・・雲上)

以上 娘の講演会レポートでした。

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記事からおわかりのように、娘は星の観望会が中止になれば、
代わりに「銀河鉄道の夜」が見れるという事で来てくれました。
(星の観望会を楽しみにしていた皆さんすみません。)
帰りは雨と一寸先も見えないような濃霧で運転が大変でした。
そんな中、山の上までおいでくださって本当にありがとうございました。

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このくらいなら流れてもいい?(by R200SS)

2014年08月15日 | それでも星は流れる
いよいよ今夜は星のふるさと館で講演会を行うのですが、前線通過で天気が思わしくありません。
せめて雷雨などの荒れ模様にならなければいいのですが・・

天気ばかりはどうしようもないのですが、ブログの方も先月28日以降まったく
撮影できていないため更新が何日も空いてしまっています。
2年前にブログ開設して以来はじめてのことです。
そこで今回はまだ作成途中だったガイドの許容量について書く事にしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・

私が天体写真を再開してから、常に課題となったのはガイドの追尾精度の問題でした。
( ノータッチガイドから始まってPHDガイディングまでの苦労話は
左サイドバーのカテゴリー「それでも星は流れる」から参照願います。 )
メイン鏡筒のR200SS(Vixen)については親亀子亀方式に変えた以降も星の流れは残っているのですが、
実用上は許容範囲におさまり、ガイドエラーで使えない撮影画像はほぼ ”0”になっています。
私が考える許容量とは、光学系の収差や大気の揺れなどにより星が点像にならず広がりを持つことから、
画像処理後には星がほぼ円状に見える程度の星の流れをいいます。
ではその許容量とはどのくらいなのか、具体的にR200SSとEOS 60Dを例に考えてみます。

R200SSの収差イメージ(純正コマコレクタ装着時)
(「天体望遠鏡ガイドブック」西條義弘 誠文堂 を参考にして作成したもの )

実際の星像はここに大気のゆらぎなどが加わって以下のようになります。
( クリックで元画像表示 )
数値は余り変わりませんが、星像のコントラストが低下しています。
参考にエクステンダーを使用した星像もお見せします。
個人的には純正エクステンダー(現在販売中止)の星像を評価しています。

この星像の大きさからガイドエラーの許容量が出てくるのですが・・
経験から、星に芯があれば星像の半分くらい流れても大丈夫と考えています。
つまりR200SS(バーダーMPCC)なら4~5pixelまでという事になります。
ポイントは撮影画像はコンポジット(重ね合わせ)されるため、
撮影画像1枚当たりの流れ量になるということ。
では実際の流れ量はというと・・

最近撮影したデータです。
( クリックで比較明合成で流れた画像約2時間分を表示 )
これは10分露光で撮影していますので、1枚当たり約2pixelの流れとなります。

次のデータはエクステンダー2段重ねで、こと座のリング星雲を撮影したものです。
( クリックで比較明合成で流れた画像約1時間半分を表示 )
f=3000mmで大きく流れていますが5分露光で撮影していますので、1枚当たり約4pixelの流れとなります。
更に星像が劣化して肥大化しているため、これでも許容範囲となります。

*興味深いのは、これまで南中後の撮影では星は必ず西から東に流れていたのですが、
今回のデータは珍しく南中前の撮影で、星が流れる方向も逆になっていること。
(やはりバランスくずれによる鏡筒のたわみが原因でながれている?)

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ほんとは、鏡筒の固定方法の変更や接眼部の補強など
たわみを少なくする方策もあるのですが、費用の面などから
鏡筒の光学性能とのバランスを考えて保留しています。

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ヒュンヒュン百合と初朝顔

2014年08月11日 | 我が家の四季
いつごろからでしょうか? この時期になるときまって見られる光景。
我が家の庭にも・・、お向かいさんの空き地にも・・

そしてこんなところにも・・
ところかまわず林立するその姿に、” ヒュンヒュン百合 ” と名付けました。
前には見なかったのですが、ここ数年団地内のいたるところで咲いています。
山百合の種でもとんできたのかと思っていたのですが・・
調べてみたところ、思いがけない事がわかりました。
確定ではないのですが、ヒュンヒュン百合の本名は「タカサゴユリ」という台湾原産の外来種のようです。
テッポウユリによく似た花を咲かせるので、除草されず、広がりつつある。 荒地に生育し...
と書いてありました。(我が家の庭はやはり荒地にちかいようです。)
興味深いのは、この百合は風にのってたくさんの種子をとばすのですが、
根付いて数年すると球根がウィルスによる連作障害となり、その地域から姿を消すそうです。
見れるのはあと何年でしょうか?

去年は7月22日のブログで登場した ”初朝顔 ”でしたが、今年は8月9日でした。
(開くのが遅かったのは天候というより、単に種をまくのが遅かっただけ?)
足元の鉢のなかにも・・、どこからはいりこんだの?

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台風11号は長女夫婦の里帰りに重なって心配したのですが、
吹き替えしの風もほとんどなく、無事帰っていきました。
被害を受けた方にはお見舞い申し上げます。

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