雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

コンパクト赤道儀による、さそり座(高気圧通過イベント第4種目)

2013年05月23日 | 天体写真(流星群・星野写真)
17日夜は、移動性高気圧が真上を通過する絶好の撮影日和でした。
球状星団M5を拡大撮影した後は、
南中したばかりのさそり座のアンタレス付近を、
サンニッパ(CanonNFD300mmF2.8)レンズで狙う事にしました。
時刻はすでに1時を回り、薄明まで2時間足らず。
この夜は透明度も良く、"もったいない"という気持ちから、
これまで出番の少なかったポータブル赤道儀のTOAST Proで、
自宅からのさそり座を同時に撮影する事にしました。
去年2月に購入したTOAST Pro
(退職の記念にと購入したものですが、優秀な機材なのに出番があまりありませんでした。)
これまで自宅から星野写真をほとんど撮っていない理由は、
田舎とは言え、住宅団地で敷地内南側に防犯灯があり、地上を含めた撮影は無理があります。
右の写真は、カメラに直接防犯灯の光が入り込まないよう、その都度取り付けている『防犯灯覆い竿』。
下の画像はこの夜の1分露光の画像ですが、隣家がもろに防犯灯に照らされています。
(肉眼では、防犯灯による明るさから天の川は確認できませんでした。)

自宅から見るさそり座 撮影DATA: 2013/05/18 01時36分~ TAMRON マクロズーム 17-50mmF2.8 (f=17mmm F4)
露出3分×5枚(σ1除外コンポジット) ISO1600 LPS-P2FIL KissDX(SEO-SP2) TOAST Pro ステライメージ7 他

透明度は良かったのですが、さそり座狙いだったため、
明るい天の川銀河の中心部が、まだ柿の木の枝にかかっていました。
更に南方向には高速道路のICの照明があり、空が明るいです。

去年の6月26日に同じ場所から撮ったものが下の画像です。(使用レンズは同じ。 f=24mm F4.5)

「自宅からでもこの程度の画像が撮れるって、なんて恵まれてるんだ!
という声が聞こえてきそうですが、
光害対策には苦労しています。

今年の夏は地上風景を含めた星野写真にも挑戦したいと思います。
それには、まず撮影場所探しから・・・。

次回は イベント第5種目 「サンニッパレンズによる南天の星雲」 の予定です。


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なんと、今夜も晴れて太びた月が見えていましたので、
シィーングが良ければ月と土星でも撮ろうかと思ったのですが、
家内から、「あんた、また目の下にクマができてるわよ!」 といわれ、
止める事にしました。

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多段階露光による球状星団M5(高気圧通過イベント第3種目)

2013年05月22日 | 天体写真(星雲・星団)
17日夜は、移動性高気圧が真上を通過する絶好の撮影日和でした。
高気圧真上通過記念イベントの種目目は、
月が沈んでから撮ったへび座の球状星団M5です。
球状星団は比較的明るいので、5分・3分・1分露光を各5枚コンポジットしてみました。

ISO 1600 1分露光 (周辺部の星の写りは不十分ですが、中心の星が分離しています。)

ISO 1600 3分露光 (写っている星の数が周辺部でもぐっと増えました。)

ISO 1600 5分露光 (3分露光とはあまり変わりませんが、中心部の星が団子状になってきました。)

中心部は星が密集しているため露光時間が長いと団子につながってしまう、
逆に露光時間が短いと周辺部のまばらな星が背景にうもれてしまう。
この問題は、画像処理でもかなりカバーできますが、撮影時に露光時間を変えて
撮ったものをコンポジットすると画像処理がやりやすくなります。

球状星団 M5 (へび座) 撮影DATA: 2013/05/17 23時17分~ R200SS+純正エクステンダー(合成f=1500mmm)
露出5分、3分、1分を各5枚コンポジット ISO1600 Cooled60D(外気温10℃ 冷却-13℃) EM-200赤道儀 PHD Guiding ステライメージ7 他

中心部を等倍に拡大した画像です。(クリックで等倍まで拡大できます。)


次回は イベント第4種目 「コンパクト赤道儀による南天のさそり座」 の予定です。


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さきほど外に出てみたら月が出ていました。
月に少しカサがかかっていたようなので、今夜はお休みとします。
ほんとはちょっと疲れ気味。(先日のモザイクのための月面画像処理疲れかも?)

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動画処理で撮る月・土星(高気圧通過イベント第2種目)

2013年05月21日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
17日夜は、移動性高気圧が真上を通過する絶好の撮影日和でした。
高気圧真上通過記念イベントの種目目は、
動画を活用した月面の拡大撮影および惑星(土星)の撮影です。

私が月面の拡大撮影や惑星の撮影に動画を使い始めた頃は、
ビデオカメラを使ったものだけだったのですが、
現在はフリーソフト『EOS Camera Movie Recode』を使って、
デジタル一眼のライブビュー画像を記録する方法も使っています。
今回は記念イベントという事で、両者の方法で月の拡大撮影を撮り比べてみました。

A.デジタル一眼レフを使った動画処理による月面撮影

ライブビュー画像を記録するため、パソコンを接続する必要がありますが、
他は静止画の撮影と同じようにカメラを接続します。
第1種目と同じく R200SS鏡筒+Vixen純正エクステンダー+Canon2xに
未改造のCanonEOS kissX2を接続して、合成焦点距離は3,000mmになります。
更に、記録する動画はEOS Camera Movie Recode のx5クロップで、
画像中央部を切り取ったものです。(全体の1/25の画素数を使用)

下の画像は約35秒の記録動画(圧縮形式)を、
VirtualDubMod」でAVI形式(1枚画像に分解されたもの)に変換し、
AviStack」でコンポジット・Wavelet処理したものです。

今回は”全面モザイク”などという無謀な事はやめて、数カットの部分モザイクにとどめました。
撮影DATA: 2013/05/17 20時42分~21時05分 R200SS+純正エクステンダー+Canon2.0x(合成f=3000mmm
x5クロップ 露出1/30sec ISO400 EOS X2 EM-200赤道儀 40秒前後の動画をコンポジット・モザイク EOS Camera Movie Recode AviStack 他

この撮影方法の良いところは、露光がマニュアルで設定でき、x5クロップで画像の中心部を使っているため
周辺減光も無く、ほとんど無修正でモザイク結合ができる事です。
(この画像も無修正ですが、つなぎ目がわかりますか?)


B.デジタルビデオカメラを使った動画処理による月面撮影

今度はエクステンダーの代わりに、接眼レンズで拡大します。
ビクセンの拡大撮影アダプタを使用しています。
人がのぞく代わりにビデオカメラを接続します。
使っているビデオカメラは、裏面照射CMOSで高感度な事から数年前に購入したSonyHDR-CX170。

下の画像は約40秒のビデオ画像(圧縮形式)を、
VirtualDubMod」でAVI形式(1枚画像に分解されたもの)に変換し、
AviStack」でコンポジット・Wavelet処理したものです。
こちらも数カット録画し、モザイクでつないでみました。
撮影DATA: 2013/05/17 21時18分~34分 R200SS+NLV20mm接眼レンズ SonyHDR-CX170 EM-200赤道儀 
40秒前後のビデオ画像をコンポジット・モザイク AviStack 他

掲載画像は無修正ですが、あきらかにつなぎ目がわかります。
アイピースの周辺減光によるものと思われます。
今一つ画像が冴えないのは、隣家の屋根に月が沈む寸前に撮影したため、
昼間温まっていた屋根の”かげろう”で、時間と共にゆらぎが増加していました。

両者の比較としては、本来のビデオカメラでの撮影はもっと高解像なのですが、
モザイクでつなぐ事を考えると、デジ一眼の方が効率は良さそうです。


C.デジタルビデオカメラを使った動画処理による惑星撮影

基本的には月面の撮影と同じなのですが、エクステンダーでは拡大不足で
接眼鏡もNLV9mmと、更に拡大倍率を上げてビデオカメラで撮影しました。

惑星(といっても木星・土星だけ)の撮影は、天体写真を初めてから
まだ数回しか撮った事がありません。
先日、輪の開いてきた土星が気になって『月をむずかしく撮った』後に撮影したのですが・・・
月はそれなりに写ってくれたのに、Wavelet処理をかけてもこの程度。(4月23日撮影)

今回はシーングが前回より良さそうだったのですが、期待はしていませんでした。
撮影DATA: 2013/05/17 22時20分 R200SS+NLV9mm接眼レンズ SonyHDR-CX170 EM-200赤道儀 
1分50秒のビデオ画像をコンポジット Registack5 他

前回と撮影方法は同じなのですが、シーングが良かったという事でしょう。
(短焦点反射のR200SSは、もともと惑星撮影には適していないようです。)


次回は イベント第3種目 「多段階露光による球状星団M5」 の予定です。


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コンテストでは無く、展覧会 です。
参加お待ちしています。

 
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5月定例展示作品募集(テーマは天空の花火、球状星団)

2013年05月20日 | みんなの宇宙(そら)
みんなでつくる「みんなの宇宙(そら)写真館

3月・4月と連続で「春の銀河」の特集を行ってきましたので、
もう当分、銀河は見なくていい!」 という方のために、
5月は天空の花火『球状星団 の特集を計画しました。
主に春から夏にかけての球状星団の写真を募集いたします。
これまでの展示については、
左サイドバーの  カテゴリーみんなの宇宙(そら) よりご覧いただけます。


球状星団は「メシエ天体」110個のうち約30個ですが、
天の川銀河の周りに150個ほど発見されているそうです。
かすかなガス星雲や遥(はる)か彼方の銀河と違い、
密集した星の集団のため明るく、撮影はしやすい方です。
ただ、見た目があまり変わらない事、色気が不足(?)している事から人気はいまいちのようです。
ほんとにみんな同じに見えるのか?拡大して見たらどう見えるか?
北天最大の球状星団 M13 (ヘルクレス座)

百聞は一見にしかず
まずは多数の球状星団の画像を応募いただき、見比べてみましょう。


展示は5月28日頃を予定しております。

応募方法はこちらをごらんください。

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投稿画像の部』 ブログをお持ちでない方の参加お待ちしています。
まずは、右サイドバー下の「メッセージ」(非公開)にてご一報ください。
ブログ参加の部』 より多くの画像を求めて、皆さんのブログにもおじゃまします。
良い画像を見つけたらお願いにあがりますので、そのときはご快諾を。

みんなで作る 「みんなの宇宙(そら)」写真館。
コンテストでは無く、展覧会 です。
参加お待ちしています。 雲上 くもがみ
是非、展示参加と、ご支援の1クリックを。
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デジタル一眼で撮る月面(高気圧通過イベント第1種目)

2013年05月19日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
17日夜は、移動性高気圧が真上を通過する絶好の撮影日和。
まずは上弦前の月の撮影から始めました。

VixenR200SS20cm反射鏡筒にVixen純正エクステンダーを接続、更にCanon2.0xも接続して、
合成焦点距離は3,000mmになります。
カメラは未改造のCanonEOS kissX2を使いました。

月が一枚には納まらないため、上下に分けて撮影しています。
この日は、上半分(北側)を64枚、下半分(南側)を32枚撮影。
ただリモコンでシャッターを繰り返し切るだけなので、ものの数分で撮影は完了です。

撮影した画像は、私が月の画像処理にもっとも適していると思っている
フリーソフト『AviStack』を使ってコンポジットを行います。
(注)処理の過程で8GBでもメモリ不足となるため、撮影画像を更に2分割して処理しています。

処理の終わった画像は、大昔に買った『PaintShopPro』でモザイク結合して完成です。

静止画コンポジットによる  (月齢7.1)
撮影DATA: 2013/05/17 20時30分頃 R200SS+純正エクステンダー+Canon2.0x(合成f=3000mmm
露出1/30sec ISO400 EOSX2 EM-200赤道儀 北部64枚 南部32枚コンポジット AviStack他

モザイクのつなぎ目はまずわからないでしょうが、上半分が枚数が多い分なめらかです。
(どなたが言いはじめたのかわかりませんが、”月面 X ” なるものが下の欠け際に見えています。


月面北部の拡大画像です。(クリック拡大で等倍になります。)

画面中央に広がる平地は「晴れの海」と呼ばれています。


次回、第2種目目は『動画による月面拡大撮影』の予定です。


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当初の予定では、今回デジ一眼を使った動画による月面撮影も含める予定でしたが、
AviStackの画像処理に時間がかかり、次回にまわしました。
ビデオカメラによる画像と比較するのもおもしろいかも?

そろそろ「みんなの宇宙(そら)」5月展示の時期が、・・・

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