雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

FSQを超えたか!?(ヨンニッパ(改) 検証その2)

2015年11月23日 | 機材
20日夜、ヨンニッパ(改) でとりあえず上弦過ぎの月を撮ったあと、
月明かりの空で西に傾いたベガとデネブで検証してみました。
いつものようにパソコン2台体制で検証しました。( 上のPCでカメラ制御と自動導入、下のPCは自動ガイド 専用)
肉眼では気が付かなかったのですが、写真に撮るとずいぶん雲がありますね。(10秒露光)

こと座ベガの60秒露光(ISO 800)の画像です。
( 画像クリックで元画像の20%表示 )
元画像は月明かりで明るいため、見やすいように表示レベル調整のみ行っています。
20%の拡大ではわかりづらいので、等倍で中央、4隅の星像を見ると・・
ちょー気持ちいい!! 四隅もまんまる

ついでに、以前気になっていた明るい星のゴーストもチェック。
( 画像クリックで元画像の20%表示 )
フラット処理なしの1枚画像のため、下端にミラーBOXによるカゲりが発生しています。
端の方に はくちょう座のデネブを入れて撮った2分露光(ISO 800)の画像でも、
ゴーストは発生していないようです。

ヨンニッパの前面ガラスを外した効果が確認できて気を良くしたついでに、
月明かりの中で星雲を撮って見る事にしました。
月明かりでまともな画像は無理なので、おりおんショットもソフトフィルターなしの手抜き。

選んだのは、大きいけど淡いケフェウス座の散光星雲 IC1396
通常F4でISO800なら良い時で20分露光も可能な自宅撮影なのですが、
TST撮影では月明かりで3分から5分といったところでした。

雲で中止するまでの総露光時間わずか34分を無理やり処理した画像です。
( 右が北の方向 ) 
フラット未作成のため変なカゲりが発生しています。(右下のカゲりは改造元で冷却の結露対策強化した以降に発生)
撮影DATA: 2015/11/20 21:34’~ canon NFD400mmF2.8手製絞り F相当 * 前面保護ガラス取り外し) 露出 分×3枚分×5枚
 ISO 800 Cooled 60D (気温9℃ 冷却 オフ)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
他にお見せできるものがないので、最初に横構図で撮った3分6枚の画像も重ねてみました。

これで、まともな空だったら・・(わくわく)

ところで 記事タイトルのFSQを超えたか!? (注) という点ですが、
(注).当初は「FSQに近づいたか?」だったのですが、山口のじぃさま からの助言で変更しました。
残念ながら、このレンズ発売当時は世界に誇れる明るい高性能レンズだったのですが、
それは今から34年も前の話。
おまけにプロ用ではあっても、天体写真用のレンズではありません。
今回も撮影した元画像を拡大して見ると・・
( 画像クリックで20%の全体画像を表示 )
( 中央付近の等倍トリミング画像 )
ジャスピン状態で、明るい星や赤色系の星の周囲に赤いにじみが発生しています。
この辺は天体写真専用に作られた現在のFSQにはかないません。
ただ処理を行った後の画像では・・
( 画像クリックで一回り大きい等倍画像を表示 )
赤色系の星では赤いにじみが残りますが、星像自体が小さいため許容できる範囲だと思います。

あとひとつ、前面保護ガラスを外した事による効果の確認 ですが、
下の画像は14日の記事でもお見せした今年1月にヨンニッパで撮った
まがたま星雲の元画像中心付近の等倍トリミングです。
( 画像クリックで20%の全体画像を表示 )
今回撮った星像に比べると、ピンボケみたいですが、
直前に撮ったバーティノフマスク画像からジャスピンであることを確認済。
これが保護用に入れてあった2枚の平面ガラスでの往復反射によるボケだと思います。
皮肉なことに、赤いにじみまでボケて目立たなくなっています。

日中に雨があったため湿度が高く機材はビショぬれでしたが、
今回も露除けフード(F4用)のガードはバッチリでした。

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検証はこのくらいで、早く本番で撮ってみたい。
ただじきに満月なので、
一週間以上は待たなくてはなりません。
ほんとに、にっくき月です。
ずっと朝食を彩ってくれた 「こくうまトマト」ともお別れです。

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コメント (12)    この記事についてブログを書く
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12 コメント

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Unknown (やまねももんが)
2015-11-23 05:45:07
おはようございます。
前回の月の画像を拝見してびっくりしていたのですが、やはり効果はかなりのものですね。
これからこのレンズの出番が増えそうですね。
私の100mmレンズも星像の大きさが最少のところでは赤フリンジがだいぶ出るので、それが少なくなるところまでフォーカスをずらして撮影しています。
返信する
エェ感じ!! (山口のじぃ)
2015-11-23 07:12:38
エェですねぇ!
1396、素晴らしい!
こぉゆぅの見ると嬉しくなりますねぇ。
フリンジ!?保護ガラス外してここまでやったら、
もはやそれは「味」とゆぅもので、ガス。
ハハッハハハハッハハハッハ!!
返信する
そうそう、赤フリンジ! (雲上(くもがみ))
2015-11-23 07:56:15
やまねももんがさん おはようございます。
コレクターPHでもそうだったのですが、
星像がシビアになるといろんなものが見えてきます。(笑)
赤フリンジというのでしたね。(以前 聞いたことあります)
むかしEFズームでも悩まされたため、
今回の検証の際にピントをずらすと軽減される事を確認できています。
ただせっかく星像が鋭くなったのに・・・悩みどころです。
星景写真ではソフトフィルターの代わりにもなる一石二鳥の方法かもですね。
返信する
同じような事を・・・ (さすけ)
2015-11-23 07:58:42
それなりの人は同じような事を考えるんですね~(^_^)http://ryutao.main.jp/equip_fd400.html
違うのは「空が晴れないから」と言ってレンズをいじってしまうところ^^;。
追伸:写真と写真の間の説明分が「いったいどっちの説明?」って時に文章の先頭に↓↑をつけるといいそうです。雲上さんのブログは写真がいっぱいあってもどっちの説明かはわかりますよ、念のために。
返信する
ドーンと行ってみました。(笑) (雲上(くもがみ))
2015-11-23 08:00:51
山口のじぃさま おおせに従い、タイトル ドーン! と行ってみました。
味とコスパで、FSQと勝負してみます。
当分、全国的に雨模様なので気長に待ちますか。
返信する
わたしがヨンニッパをポチッた理由 (雲上(くもがみ))
2015-11-23 08:08:23
さすけさん おはようございます。
ヨンニッパレンズを衝動買いしたのも、
全面保護ガラスが入っていることを知ったのも
紹介していただいた記事からでした。
まさかそれを外すことになるとは夢にも思っていませんでしたが・・(笑)
おっしゃるとおり、写真と注釈が交互のときは
1行空けるなど一応配慮しております。
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Unknown (テナー)
2015-11-23 10:32:57
おはようございます
カメラレンズ早く詳しくありませんが全面保護ガラスなんて言うものが
付いている事に驚き!そのガラスを取って撮影したIC1396の解像度にも
更に驚き。
400mmの出番が多くなりますか?
越後の冬空はすぐそこですね。
返信する
Unknown (おりおん)
2015-11-23 11:52:41
おぉー!!これはいいですねー!!
超えてるんちゃいますか!!
「ちょー気持ちいい!!」という10年前の流行語大賞が思わず出たのがわかります(笑)
いやほんと、これは楽しみですねー。
雲上さんの撮影処理技術をもってすれば確実にFSQを超えますね。
私もがんばらないと(笑)
返信する
飛んでくるボールから保護? (雲上(くもがみ))
2015-11-23 12:44:30
テナーさん こんにちは。
このレンズ東京オリンピックの室内競技の撮影用に開発したものだとか・・
ボールとか、何が飛んでくるかわからないので、
大事なUDレンズ保護のため入れたんでしょうか?(笑)
テナーさんも気になるコレクターPHとワイドアダプターDXの検証が
後回しになってしまいました。
おっしゃるとおり、越後の冬がそこまで来ていますので、
年内でどれだけ撮影できるかが問題です。
返信する
ライバルはFSQ130? (雲上(くもがみ))
2015-11-23 12:56:34
おりおんさん FSQに勝るのは明るさくらいのもんです。
ただ画像のすみずみまで星像がきりりと丸いというのは、
初めての経験で正直感動しました。
どうせなら開放(F2.8)は無理でも、作成済のF3.2フードでも曇らないよう、
乾燥空気を送り込む材料を買ってきたところです。
これでライバルはFSQ130。(笑)
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