雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

ステラショットで、ZWO社のCMOSカメラを使う 当面の対策(がんばれ!! アストロアーツ)

2024年04月03日 | 画像処理のはなし
ステラショットで、ZWO社のCMOSカメラを使うと発生するこの不具合について、
(ステラショットから始まった問題ではなく、ステラショットでも同じです)
アストロアーツ社からユーザーに対して知らされていないばかりか、
問い合わせたメールに対して
原因はカメラメーカーの仕様であり、実際の撮影では実害は発生しない。
との認識の回答があったことから
長年アストロアーツの天体アプリを使用しているものの一人として、このブログ記事を書いています。

その目的は、ステラショットのこの問題に対処したアップデータ
アストロアーツにできるだけ早く提供してもらう事にあります。

正直なところ、ステラショットを使って ZWO社のCMOSカメラで撮影を行っている人が
どれだけおられるのか知りません。( わたし自身デジ一眼からCMOSカメラに換えてまだ一年です )
ただ前回記事への3日間のブログアクセス数が518pvとこの4年間の記事の中で最も多かったことからも、
関心を持っておられるユーザーは少なくないと思います。

そこで 今回は、アップデータの提供についてはアストロアーツの決断を待つしかないとして、
アップデータが配布されるまでの間、
問題を抱えたステラショットをどう使っていったらよいかの検討を行ってみました。
( 早くしないと、雪国越後でも春の系外銀河シーズンが始まっちゃう!)

まずは、ゲイン(Gain)、オフセット(Offset)の設定次第で なんとかなるのかどうか?

今回の問題がJ-APA「上越天体写真友の会」で表面化したのは今年2月下くらいからだったのですが、
当初は ”Offset設定を大きくすると発生する問題” との受け止めでした。
ところが 前回記事 での検証結果から、オフセット値には関係なく
ダーク画像を含むすべての画像が青みがかる現象である事がわかりました。
ということは、オフセットの設定がまだできなかったステラショット2でも
すでに問題が発生していたことになります。
(*ステラショット2では、533MCのオフセット値は デフォルト(?)の ”1”で設定さていたことが判明しています)
そこで、昨年12月にステラショット2で撮ったアンドロメダ銀河の撮影画像を検証してみました。
( 今回はフラット処理(フラットダークを含む)についても検証しています )

オフセット”1”でも元画像が青みがかっていたという この検証結果を見て、
なぜ画像処理の時に気が付かなかったんだろう?との疑問が・・
問題の存在に気づかずにブログ掲載した画像はこちら

その答えは じきにわかりました。
今回は検証のため、撮影画像(RAW)をステライメージの「ベイヤー・RGB変換」の「色調整」を
あえて ”手動(R・G・B:すべて1.0)” としたのですが、
ホワイトバランス設定のないCMOSカメラになってから、すべて「自動」にしていました。
R・G・Bのヒストグラムのピークを強制的に合わせてしまう この設定の結果、
元画像のカラーバランスの崩れに これまで気が付かなかったという訳です。
ならば、今後もそれでいけばいい・・?

上図の最終画像を見て
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
青みがかった撮影画像を、ノイズまで青くなったダーク画像減算(ひきざん)して
更に青みが強いフラット画像除算(わりざん)したら、案外まともな画像になるのでは?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と考えた人がいるのでは?

私はついさっきまで、 ”そんな事があるわけがない !!” と思っていたのですが、
ダメ元で、わたしの小学校の算数レベルの頭で演算(シミュレーション)してみたところ
なんと、ダーク減算・フラット処理まで行えば
本来のカラーバランスに戻せるとの演算結果が。(ほんまかいな?)
(ただしフラット画像のホワイトバランスが正常な場合)
ダーク画像だけでやめると カラーバランスは崩れたままに。(上の図を参照)

撮影鏡筒を長焦点のVC200L(レデユーサHD)に換えて今年2月にステラショット3
撮影した画像についても検証しています。↓
( 画像クリックで拡大表示ができます )
室内で作成したフラット画像は、青みが強くなるステラショットの特性に加えて、
光源としたLED照明(緑が強め)が明るすぎたことによりひどいことになっています。
(フラットの光源がまともなら、ステラショットによる不具合で青だけが強いフラット画像となるはず)
フラット処理は撮影画像フラット画像で除算(わりざん)することなので、
フラット処理後の最終画像は、逆に赤っぽい色合いとなりました。
実はこの時点でも、まだ問題の存在に気づかずにブログ掲載した画像はこちら


確かに 光害対策でフィルターを挿入するだけでもカラーバランスは崩れてしまいます。
その対処策としては、「ベイヤー・RGB変換」の「色調整」で”自動”を選び、
それでも不自然さを感じるなら、
「オートストレッチ」を使うなど、色々処理の手段はあるでしょう。

しかしながら今回のステラショットの問題は、
光害カットフィルターの挿入のようなユーザーの意思によるものではない事です。
ユーザーの利益にならず、ユーザーが避けることができない
ステラショットによる撮影で保存された画像は すべて青みがかっている
という不具合への対処は
ユーザー側ではなく、
あくまでソフトを販売している供給側の責任で解決すべき問題と考えます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
記事タイトルに”当面の対策”と書きながら、
それらしいことは まだなにも書いてなかったですね。

●演算(シミュレーション)結果では、ダーク減算により 更にカラーバランスが崩れることはなさそうですが、・・・・・・・・・・
ノイズまで青みがかったダーク画像を新たに追加してつくるかどうかは、判断に迷うところです。・・・・・・・・・・

フラット画像については、ホワイトバランスに優れた光源で作成できるなら、フラット処理本来の・・・・・・・・・・・・・・
目的である ”周辺減光補正”、”カメラのごみ消去”などのほかに、ダーク減算と組み合わせて処理すれば・・・・・・・・
問題となっているカラーバランスの崩れも補正できるという演算(シミュレーション)結果になっています。・・・・・・・・・・・

ただし ダーク画像もフラット画像も室内で作成できるという簡便さはありますが、
あくまで「にはを持って制す」という、アップデータが供給されるまでの一時的なものになります。

◆撮影した画像は「ベイヤー・RGB変換」の「色調整」で一括”自動” 処理するより、コンポジットしたあとで・・・・・・・・・
「オートストレッチ」をかけた方が、ホワイトバランスの崩れ具合が把握できて良いのでは?・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆撮影にあたっては”青が強くなる事による画像へのダメージ”を少なくするため、オフセット値・ゲインは小さめ
が良いと思う。()の輝度レベルを飽和させないためにも)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上、思いついたことを書いてみました。

考えたくはないのですが
もし アップデータがいつまでも供給されない事態になったら・・・
ステラショットで導入補正まで終えたら、カメラを海外の撮像ソフトに切り替えて撮影する。
他のソフトで撮影中、ステラショットは オートガイドだけを担わせる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(カメラ冷却なども考慮すると、ステラショットならではの利便性が帳消しになってしまうのですが ・・)


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ステラショットで「庭撮り」ができれば
80歳までこの趣味「天体写真」が続けられそうだと思っていました。
機材が重くて設置できなくなくなったら、過去に撮りだめた撮影画像を
AIも使った最新の画像処理ソフトで再処理して楽しむ。
しかし、その保存された画像がすべて青く色づいたものだったとしたら・・・

ステラショットに愛着を持っておられるユーザーの皆さん、
アストロアーツに早期のアップデータの配布要望を上げましょう。
昨日、光ケーブル引き込みにかかりそうだった桜の枝を切りました
つぼみを持った枝を花瓶にいれておいたところ、今現在3分咲きになりました


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