くまぷーの海外ドラマblog

海外ドラマを脇役チェックなどしつつ
あれこれ見ています。

CSI:4 第23話「キメラの遺伝子」

2005年09月30日 | CSI:科学捜査班
【CASE リンレイ・パーカー】
 現 場 :新興住宅地サザンハイランズ近辺
 被害者 :カジノのピットボスのリンレイ・パーカー
 関連人物:精神科医トッド・クームス、トッドの妻クリスタル、兄のロジャー、兄のライリー、
      弟のベイリー、兄のケビン
 背 景 :新興住宅地サザンハイランズでレイプ事件。被害者が現場から逃げたところを保護。
      現場付近に足跡と放置された被害者の車両。周囲にブレーキ痕なし。
      車内の身分証から氏名などが判明する。被害者リンレイは状況を鮮明に記憶。
      車はネバダナンバー「446」SUVで黒。仕事帰りに事故を装い襲われたが、隙
      を見て逃げたという。顔を見ろと言われたので、その記憶を元に似顔絵を作成。
      精液が未解決レイプ殺人事件(エマ・ドビンス)のDNAと一致。現場も近く同サイ
      ズの足跡が発見されていた。被害者の車ポンティアックテンペストが行方不明。
      
車種・ナンバーと似顔絵を元に、精神科医のトッド・クームスが浮上。リンレイは面通しでトッドが犯人と断定する。しかしトッドの靴は現場の靴痕と不一致、DNAも不一致だったため釈放。それを聞いてリンレイは怒りと恐怖に怯えるが、キャサリンは携帯番号を教えることしかできない。
トッドは犯人ではなかったが、DNAは7つのアレルが一致していたので、トッドの兄弟が犯人ではないかと見られた。そこで家系図を調べたところ、父ヘンダーソン(両親ともすでに故人)にはロジャー、ラリー、ケビン、トッド、ベイリーという5人の息子たちと、サラ、ジョージアという2人の娘がおり、ジョスという息子が16歳で亡くなっていた。
ラリーとロジャーは二卵性双生児で二人で車の修理会社(クームスブラザースカンパニー)を経営していた。ベイリーは警備会社に勤務していたが犯行当日仕事をしていた。ケビンはDBにあった住所からは転居して行方不明。

そんな時切羽詰ったリンレイのSOSがキャサリンに届く。急いで駆けつけるが姿がない。車は窓ガラスが割られ、破片に犯人のものと思われる血液が付着。しかしクームスの他の兄弟たちは全員アリバイがあったが、トッドだけが花を買いにいっていて所在が確認できず、緊急配備。ブラス警部が発見したトッドは車を掃除しており、掃除機のゴミを密かに押収。
リンレイの携帯はGPS対応だったので発信元を捜索したが、リンレイは遺体で発見された。
首をストッキングで絞殺という手口はエマ・ドビンスと同じ。体に付着していた体毛を採取。リンレイは再びレイプされていた。

行方不明のケビンはクームスブラザースカンパニーの土地で隠遁生活を送っていた。彼は廃車のパーツを使ってアートを作って暮らしていたのだ。ケビンの車は黒のSUV。
ケビンの家の周りには無数の廃車が放置されているが、その中にエマ・ドビンスのものと同じポンティアックテンペストがあり、車体番号が一致。廃車はロジャーが疎遠の代償に与えていたものだった。リンレイの遺体が発見されたのもケビンの土地だった。
一方トッドが車に使っていた掃除機から花屋から買った鉢植えのラベルが出てきたため、トッドのアリバイは成立と見られた。同じゴミからリンレイの働いていたカジノのバッジが出てきたが、従業員が大勢いるためにリンレイと接触した確証にはならないため、ケビンの犯行説に傾くかと思われた。

車の窓から採取した血液は、二つのレイプ殺人の精液とDNAが一致。しかしケビンのDNAも他の兄弟同様不一致だった。
リンレイの証言と証拠の不一致に捜査が行き詰まりを見せた時、遺体に付着していた毛髪がトッドのDNAと一致したことがわかる。トッドは少なくともリンレイと会っていたのだ。
再びトッドの身体検査と着衣の微細物検査を行ったところ、手首に新しい傷があった。腰の古い手術痕は、白血病で亡くなった末弟のジョスに骨髄を提供したものだという。
その時、グリッソムはトッドの背中に不思議な線状の模様があることに気づく。そのブラシュコ線と呼ばれる皮膚の文様は紫外線を当てないと浮き上がらないもので、ギリシャ神話に出てくる怪物から名をとったキメラ現象と呼ばれる「一人で二人分のDNAを持つ」という特異体質の者に現れるものだった。
トッドの家宅捜索のときに撮影された写真には家の中にキメラの彫刻が飾られており、トッドは自分で特異体質を知った上で、DNAでは犯行が証明できないことを逆手にとって犯行を重ねていたのだ。
血液のDNAは精液と一致。それはトッドの体内に生き続ける、双子の片割れのDNAだった。トッドは二件の犯行とさらに余罪も自供。しかし反省の色はまったく見えない・・・・
      
事件が終わって一息つくCSIメンバー。そこに「サラが飲酒運転で捕まった」とグリッソムに連絡が入る。穏便に処理されたものの、追い詰められた表情のサラにグリッソムは何も聞かず、彼女の手を握り締めて語りかける。
「さぁ、帰ろう・・・・」

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キメラ・・・・ギリシア神話に登場する獣で、ホメロスの『イーリアス』では「前方は獅子、後ろは大蛇、まん中は牡山羊のかたちをなし、燃えさかる火の勢いを、もの凄いさまに口から吐いて出しているもの」とある。

クームス家の二卵性双生児の長男と次男が、理知的なロジャーと粗野なライリーという描き方。
二つの血がキメラとなって、普段理知的なトッドの中に獣を潜ませているのだ。そう見ると、なんとなくケビンも危なさそうだが、彼の場合は粗暴な仮面の下に芸術的なひらめきがかくれてるという・・・・
バランスをとってるベイリーが他の兄弟からは「利己的」に見えるという不思議。
クームスブラザースがそれぞれ割と「犯人クラス」の俳優さんなので、謎解きとしては騙されっぱなしだったが、しかし子供のけんかに飛び道具を持ち出されたような、無理矢理な後味の悪さは否めない。

サラの飲酒とこの事件は、バラバラに起こった事件のように見えて、実は相互に関係しあって悪い結果を引き起こしたような気がする。
もともとサラが主任とのことで精神的にもろくなっているところに、昇進の話でダメ押しで、そこに起こった事件が今回のレイプ事件。サラは第3話「喪失 傷だらけの屍」で被害者を死なせたせいか、リンレイと向き合うことができなくてキャサリンに聴取を頼んでいる。(第3話のときは普通にしていたので、今回の過敏な反応はあれがトラウマなのかなと)
もしここでサラがあの時のことを繰り返さない、という強い気持ちで事件に向かうことができたら、キャサリンのように心ならずも、中途半端にリンレイを突き放すことはなく、最悪の事態は避けられたのではないかという気がする。
それで結局トラウマを繰り返す羽目になって、ニックには無理してる自分を見透かされて、心が決壊してしまったのではないか。

私自身は、サラの気持ちというのは「恋愛」というより「保護者に甘えてる」ように見えるし、主任を公私共に万能の庇護者として求めるばかりで、主任の心の屈託を支えるとか受け止めるとかそういうのがないのが相当にマイナスに見ている。
手術の事だって主任はキャサリンには言えてもサラには言えないわけで。
できることなら、第12話「蝶の亡霊」でサラがすっぱりあきらめてくれればよかったのに、とすら思ってる。
サラがどんなに主任でなきゃだめでも、サラじゃ主任を困らせるだけなんだもん。主任を幸せにしてくれるひとじゃなきゃイヤなんだい。

それにしても、同じミスでどうして被害者を二回も死なせなければならないのかなぁ。
ブラス警部がそれで平気なわけはないのだが、どうにかならなかったのかと、そう思わずにはいられない。

・・・・クリフハンガーは、「あの手の握りはどういう意味?」くらいで、グレッグは一人勝ちだし、他は懸案事項がないし。要するにサラだけがごねてるんだよなぁ。
次のシーズン、サラ問題が今シーズンの「主任の耳」みたいに、あっさり解決してくれてるといいんだけど・・・・


【 脇俳優チェック 】

◆ベイリー・クームス .... Michael Reilly Burke
「テッド・バンディ 全米史上最高の殺人者」で主演のテッド・バンディ。ドラマはゲストであちこち顔を出している。「トゥルー・コーリング」の最終話で遺体の不倫相手ラッセル・マークスや「コールドケース」の第1話「テニスラケット」でダメ弟エリック役現代版で記憶に新しいが、古いところでは「ビバリーヒルズ青春白書」第8シーズンでケリーのクリニックに医師としてやってきたジェフ・ストックマンだったり。
「デスパレートな妻たち」の第1話でも登場・・・・とIMDBとTV.comにはあったのだが・・・・このことについては「デスパレート」のほうで。

◆ロジャー・クームス .... Mark Kiely
「ブルックリン74分署」で第1話で狙撃されて、ストーリー中ほぼ復帰のためのリハビリをしていたケビン・パトリック巡査役。「ビバリーヒルズ高校白書」ではウェストビバリー高のギル・マイヤーズ先生(ブランドンの新聞部の顧問)役で登場していた。

◆ラリー・ク-ムス .... Tom Kiesche
オフィシャルサイトあり。コメディアンでこんな映画を作ったりしてるらしい。
「ER Ⅶ」でグリーン先生がエリザベスとの結婚式に駆けつけようとしたら渋滞にはまり「パトカーに乗せろー」と言われた巡査かな?

◆トッド・クームス .... George Newbern
スティーブ・マーティン主演の「花嫁のパパ」と続編の「花嫁のパパ2」で娘婿のブライアンを演じている。
ドラマでは「Bullブル~ウォール街への挑戦~」の主演のディト役。また「フレンズ」第5シーズンでレイチェルが付き合った雪男みたいなダニーで登場していた。ヒゲをそったらカッコイイ男だったが、キョーレツなシスコンだったためにサヨナラしたというあのダニーだ。また、「プロビデンス」の第4~5シーズンに弁護士のオーウェン・フランク役で登場している。
「シカゴ・ホープ」第4シーズンでスコット・フランク医師でサブレギュラーなど。

◆ケビン・クームス .... Drew Pillsbury
「フェリシティの青春」でベンの水泳のコーチで1~2シーズンに登場。他「ベイウォッチ」「犯罪捜査官ネイビーファイル」などにゲスト。
映画ではマドンナの「フーズザットガール」など。

◆リンレイ・パーカー .... Nina Siemaszko
「ザ・ホワイトハウス2」15話でバートレット大統領の娘エレノアで登場。今後第5シーズンにはもっと出てくるようになるらしい。ソーキンつながりでTWWの原形「アメリカンプレジデント」ではアネット・ベニングの妹役。
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7 コメント

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見落としてばかり (yasishi)
2005-10-01 11:14:44
兄弟の順番等、間違ってみていたみたいです。

トッドの背中の文様はそういった特異体質に現れるものだったのですね。なぜあれに注目したのか良くわかりませんでした。

トッドの部屋にキメラの彫刻が置いてあったのも気づきませんでした。

今回、見落としが特に多かったみたいです。

見落としに気づかないまま自分のところに書いてしまいました...。

容疑者が釈放されておびえている被害者をそのままにしていたのはひどい。その結果が死ですから。キャサリンも被害者リンレイに対してそっけないように感じました。

サラは昇進問題だけでなく今回の事件のことでもナーバスになっていたのですね。

このゴタゴタも『主任の耳』状態にスッキリと片付いていることを期待しましょう。

返信する
yasishiさんへ (くまぷー)
2005-10-02 10:55:20
兄弟の順番は、家系図のところで録画を何度も一時停止しながら把握したので、普通に流れで見てたら、人数とかわからないと思います・・・・無理なことさせますよね(^_^;)

それとキメラの像の写真が出てきたのも、けっこうあれはわかりにくいです。



肝心の謎解きのところで説明が足りないのはグリッソム仕様ってことで(違うだろ)。

でもほんと細かいところで目が離せないドラマだったりしますよね。
返信する
クームス兄弟 (がろと)
2005-10-02 12:07:46
やっぱりふてぶてしかったディトじゃなくてトッドばかりが気になってましたが、他の兄弟もいろんなところに顔を出してる俳優さんなんですね。

二卵性双生児だから似てなくていいんだよねって、無理やり納得しながら観てました。



リンレイさんが殺されてしまったのは絶対防げたはずだし、サラがどんどんウザラに見えてくるしとかなり首をかしげるファイナルだったけど、今週からは気持ちを切り替えてマイアミに向かいたいと思います。



クリフハンガー、絶対次ではあっさり片付いてるんですよ。それがクリフハンガーのお約束ですから
返信する
つけたし (がろと)
2005-10-02 12:09:07
TBさせていただきました。

相変わらずブーたれてますが。
返信する
ああサラの動かし方、一つだったか。 (まうゆう)
2005-10-02 23:07:45
キャサリンじゃなく、サラが担当し抜いてたら、被害者は死なないですみ。

サラもここまでヒドイ?状態じゃなかったかも、とも。



いろんなCSIのキャラ中で最低ラインにサラがいてくれるからこそ他が光るのか?とも思っちまいましたw。

TBさせていただきます^^
返信する
TBありがとうございました (KEI)
2005-10-03 05:43:32
くまぷーさん、こんばんは。



サラとグリッソム、S5ではどう描かれて行くのでしょう。

わたしは、やはりこの2人に注目してS1からCSIを見て来たので、

それはこれからも変わらないと思いますけど、

どうにも進めない関係をグダグダと描くぐらいだったら

どこかで区切りをつけて欲しいです。

そして、新たに上司と部下しての絆を築いていって欲しいです。

できるかどうか分かりませけど~

とにかく、Season5での心機一転に期待しています!
返信する
皆様ありがとうございます (くまぷー)
2005-10-03 21:46:11
>がろとさんへ

「割と見た顔」兄弟だったので、キメラ持ち出されるまでは謎解き的予想はつかなかったですねー。

「クームスの顔だ」ってバルタン刑事にいわれても、けっこううそ臭い程度の似具合だったと思いました。



あの二人の関係は要するにサラの気持ちひとつじゃないのかなーって思ったりするわけですが、5ではどうにかなるんでしょうかねー。



>まうゆうさんへ

サラがこの先、色んなものから(仕事も含め)逃げてるのに、逃げながら仕事してる状態が続くと、きっともっともっと悲惨なことになると思いますよね。

少なくとも!主任との気持ちについては、整理つけてから仕事に取り組むような風になって欲しいもんです。



>KEIさんへ

サラが恋愛感情でもこじれ、昇進問題でもこじれ、全部を一緒くたにして「私を認めて欲しい!」っていう気持ちだけ熟成させて、内にこもってたら悪化する一方ですよね。

主任はまだしも古女房のキャサリンとならケンカもできるのに。主任が微妙に腫れ物に触るようにしてる現状が解消しないことには・・・・



結局サラなんですよ!(^_^;

5ではサラが自立したいい女になって、主任を踏み越えて仕事に生きて欲しい(あんまり解決になってないかもしれない)もんです。
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