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「ゲットオンザバス」@「CSI:NY」ホークス先生を探せ!

2006年12月17日 | CSI:NY
今回の「ゲット・オン・ザ・バス」は「ラストゲーム」と同じスパイク・リー監督作品です。
amazonではDVD販売がなくビデオだけ扱われていますが、最近レンタル用にDVDが出たばかりのようなので、探すと多分見つかるのではないかと思われます。(TSUTAYAのDISCASではまだ新作扱いです)


「ラストゲーム」より2年前、「ER」の出演の前年、「漂流教室」の翌年の96年公開の作品なので、ちょうど10年前ですね。
ホークス先生は30歳。しかし、今回はやっと高校生役から脱出しています!
(というか、2年後に高校生役に若返ったともいうが)


この映画では、映画学校に通う19歳の青年エグゼビア役です。いつもひいきの大学バスケチームのパーカーを着てカメラを持っています。ヒゲ面です。


・・・もしかして・・・ホークス先生は「CSI:NY」でもヒゲ生やしてますが、彼ってヒゲがないと童顔になってしまうということなのでは??

1968年にキング牧師が呼びかけて行われた「ワシントン大行進」は、「コールドケース2」19話「チェス」にも出てきましたが、1995年にルイス・ファラカンの呼びかけによって行われた、やはりワシントンでの「100万人の大行進」がこの映画のモチーフになっています。
「100万人の大行進」に参加すべくツアーに参加した黒人の男たちが、LAからワシントンを目指しアメリカ横断のバスの旅に出発するのですが、目的は同じはずなのに立場の違いから様々なトラブルが起こる・・・というロードムービーです。
全編ブラックミュージック満載。「ジェームズ・ブラウンの無いバスツアーって?」と、大合唱でツアーが開始されるところから、音楽が効果的に使われています。ブルースにラップにソウルに。バックにはマイケル・ジャクソンをはじめいい曲使われています。あーこれはサントラ欲しくなるなーと思ってしまいます。

Get on the Bus
Original Soundtrack
B000001Y31

サントラの1曲目の「Shabooyah」は、試聴を聞いていただくとわかりますが、「Shabooya! sha sha shabooyah roll call!」の合いの手を挟んでラップ調にリズミカルに、4フレーズでオチをつける自己紹介をするというものです。前回書いた「ラストゲーム」にもこれが出てきたので、「ブラザーの決まりごと」なのでしょうか。
それを次々決めていくのだから、いやー黒人の人たちはやっぱしリズム感いいなぁ(プラスの偏見)とか感心して見ていたら、エグゼビアはフレーズが思いつかずにコケて笑われてしまうのでした。
おいおいオチですか!




エグゼビアはバスに乗ってきた人たちにカメラを向け、「なぜ大行進に参加するのか?」と質問をします。そこでカメラを向けられた人々はそれぞれに理由を語り、そして自分の人生を語り、次第に隠された思いを吐露していきます。
カメラを向けられることによってそれぞれが自分の内側を見つめなおすことになり、立場の違いから軋みが生まれ、時間と共にバスという狭い空間の中に黒人社会が凝縮されていくようになります。

ブラザーとして同じ目的を目指す同志だったはずが、被差別者の中に差別があり、ブラザー同士の暴力があり・・・敵のように憎みあったり罵りあったりが始まることに。

役名「エグゼビア」ですが、一度エグゼビアの別の名が呼ばれます。「スパイク・リーJr.」と。
そう、彼が演じているのは監督自身なのですね。
ホークス先生は非常においしい役割です。監督の分身ですからね、かなり見込まれてのキャスティングといえるわけで。
隠れ主役といえる存在で、このロードムービーはエグゼビアの成長物語でもあるのです。

車中、キャラの濃い人ばかりなのですが、メンツがまたドラマファンには嬉しい顔ぶれが揃っています。

ツアーを仕切ってるジョージ役は、「FBI~失踪者を追え」でチェット・コリンズ役で記憶に残るCharles S. Dutton。
彼が約20人のブラザーをワシントンまで連れて行き、最後に旅の意義も総括します。


「デンゼルとの映画が決まりそう」とか虚勢を張ってひとこと余計なことを言ってしまうために、トラブルメーカーになりがちな俳優のフリップ役Andre Braugherは、「ホミサイド/殺人捜査課」の一匹狼フランク・ペンブルトン刑事役。


途中でバスのトラブルで退場するドライバーのクレイグ役のAlbert Hallは、「ザ・プラクティス」と「アリーmyラブ」での厳格なウォルシュ判事役や、「24」の第3シーズンではパーマー大統領の後援者アラン・ミリケン(パーマー弟が妻を寝取った男)役を演じていたオジサマ。


「ホミサイド」組がもうひとり。クレイグと入れ替わりにドライバーとしてツアーに帯同したユダヤ人ノリック役のRichard Belzerは、「ホミサイド」ではマンチッチことジョン・マンチ刑事役。


途中で乗り込んできて、自分も黒人なのに「ニガー」連発のイヤーな男ウェンデル役は「サード・ウォッチ」の第1シーズンに出演していたキャンディマンことコンラッド巡査役のWendell Pierce。


いきなり「僕を愛してると認めたらどうだ!」と言って車内の空気を凍らせるゲイカップルの片割れランドール役は、「ER Ⅲ」でジェニーの恋人だったドクターフィッシャー・・・というよりは「マトリクス」のロック役で映画スターになってしまったHarry J. Lennix。
この間「HOUSE」では、黒人の大統領候補なのにHIV疑惑、という患者として登場していました。


そのランドールのゲイの恋人カイルは・・・なんと!今飛ぶ鳥を落とす勢いの!(え?)
このひとです!!



「グレイズ・アナトミー」のドクターバークこと、Isaiah Washington!!
このひとが・・・ゲイカップルの片割れ・・・

「んもぅ(はぁと)」って感じにランドールの唇を愛しげについたりする仕草をするわけですよ。色んな意味で、思わずニヤニヤ笑いと複雑な気持ちをこらえきれなくなってしまうわけで・・・。


うわあああ。あのバークがこんなことを。
・・・これ以外では、歌ったり、カッコイイ喧嘩シーンを演じたり、彼のファンにも嬉しいなかなかいい場面もあります。

黒人社会のパワーの原動力と、そのパワーが作り出す陰というものを、強く強く感じられる映画です。
我々にとっては異文化であると同時に、普遍的な課題でもあるわけで。なかなかいい映画でした。オススメです。
そして、ホークス先生にとっては転機になったであろうこの作品がこんないい作品でよかったなぁとしみじみ感じたのでした。
作品全体に重みを与えているジェレマイア役のOssie Davisは公民権運動の活動家でもあった俳優ですが、昨年2月に88歳の大往生を遂げたそうで。

映画の中では彼からブラザーの魂を教わったエグゼビアのように、ホークス先生もやがてはルーツを守る黒人俳優として、そしてさらにその枠を超えて大成して欲しいなと思ったりしたのでした。
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4 コメント

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ゴージャス!! (Garoto)
2006-12-17 13:33:39
またまた若作り?ホークス先生映画紹介、ありがとうございます。
しかし、なんと豪華な俳優陣なのでしょう。
ペンブルトンとマンチの共演なんて夢のよう!
っていうかこの中にマンチがいるのが不思議なんですが、マンチそのままのところが凄すぎる。
別人の役のときは変身すればいいのに。
知ってる人オンパレード映画って、きゃあきゃあ言いながら観てしまいそうです。
返信する
Garotoさんへ (くまぷー)
2006-12-17 22:08:01
豪華でしょう(^O^)
オヤジ満載映画なので、きっとGarotoさんもお気に召すと思います。
マンチは・・・マンチまんまですよね(^_^;)
彼は代理で派遣されたので、「なんで白人が」と逆差別されまくって、「ユダヤ人だから迫害の立場はわかる」と必死に対抗するのですが、Harry J. Lennixがからみまくって・・・マンチかわいそうでした(^_^;)
ペンブルトンはとにかくヒールで悪目立ちしまくりでした。
この他の登場人物も濃くて濃くて、「見たことあるんだけど不明」っていうひともいるので相当ゴージャスです。多分、多くの黒人俳優がこの映画に出たがったのではないでしょうか。
返信する
ぎゃあ! (それいゆ)
2006-12-18 00:25:32
バーク!
なにしてんですか!つんつんと(爆)!!

んで、CSI見てないにも関わらず、くまぷーさんのこの先生を捜せ!シリーズですっかりホークス先生ファンになってしまった気がする…。
返信する
それいゆさんへ (くまぷー)
2006-12-20 23:42:14
バークとゲイといえば、中の人がほら(-_-;)
だから、余計にこんなシーンを見ると「な、な、な」とジョージ張りにきょどってしまいますね。

ふふふ、結構ホークス先生のファン増やせたでしょうか。年明けのNYのスタートに向けて、とりあえず自分はしっかり気持ちが盛り上がりました(爆)
それいゆさんも見ませんか(^_^;)だめ?
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