くまぷーの海外ドラマblog

海外ドラマを脇役チェックなどしつつ
あれこれ見ています。

CSI:4 第18話「骨の音」

2005年09月06日 | CSI:科学捜査班
【CASE トニー・スキアラー】
 現 場 :カジノの駐車場
 被害者 :フィラデルフィア在住トニー・スキアラー
 死 因 :頭部打撲による瀰漫性軸策損傷
 関連人物:カジノの掃除婦、撲殺犯ウォルター・ダリアン
      
 担 当 :ギル・グリッソム、ウォリック・ブラウン、キャサリン・ウィロウズ、
      ニック・ストークス、サラ・サイドル、ジム・ブラス警部
 背 景 :ホテルにチェックインしたばかりの巨漢の男トニーが、カジノの駐車場で殺害。
      目撃者によると急いでいた様子だった。凶器からの飛沫血痕はなく、爪に抵抗した痕
      跡。拳での肉弾戦とみられた。監視ビデオによるとトニーがギャンブルをしている横
      でチップをくすねている男がいたことが判明。トニーに発覚してトラブルに。
      検死では、頭部を激しく何度も殴打されたことによって脳神経が切断されたのが死因
      と見られ、やはり素手での攻撃と考えられた。首に左手で押さえつけた痣、胸に膝で
      のしかかり、断続的に殴り続けた単独犯ではないかと見られた。
      
カジノのトイレで手から血を洗い流していた男をレストランで発見、逮捕する。グリッソムがその男ダリアンの爪から残留物を採取したところ、熱が高いことに気づく。
すると突然ダリアンは暴発してグリッソムに襲いかかる。それを止めようとした警官たちが警棒で殴ったところ、ダリアンは死亡してしまう・・・・


【CASE ウォルター・ダリアン】
 現 場 :市警取調室
 被害者 :ウォルター・ダリアン 38歳
 死 因 :日常的不整脈から貧脈を発し心停止
 関連人物:ダリアンの妹ベス
 背 景 :ダリアンの遺体は死後時間が経過しているにもかかわらず38.6度と異常に高かった。
      発見されたダリアンの車には、隠そうともせず殺害時の服が放置されていた。
      また、くすねたのであろう大量のチップが。他にも万引きしたと思われる品が値札の
      ついたまま発見され、ダリアンは盗癖の持ち主と推測された。
      また、車内からロードサイドダイナーの制服を発見。名札はリビー。制服は焦げ穴だ
      らけだった。検死の結果、警棒による殴打は死因ではなく、不整脈によるもの。
      しかし心臓病や内臓疾患は見当たらなかった。
      ロビンス医師によると平熱が高いのは珍しくないことだという。

拘留中の容疑者を死なせたことで保安官は激怒するが、ブラスは正しい対応だったと突っぱねる。
しかし親族を呼んだところ妹のベスは、暴力的で欲望を抑えられない兄と距離を置いていたので、死んでほっとしたと言い、保安官を当惑させる。
ベスによると、平熱が高いのは昔からだったという。

襲われたグリッソムの首には痣が。思ったより本人のダメージは深い。
トニー事件の犯人はダリアンということで彼の死亡により決着したが、グリッソムはまださらにダリアンを調べようと、彼の経営していたモーテルを捜索する。
そこで庭に何かを埋めてコンクリートで固めた不審な痕跡を発見。発掘してみると人骨が・・・・。

ダイナーの制服のリビーは、8年前に皿洗いで入って、勤めて1日で辞めた女の子のものだった。しかしそこからダリアンへはつながらない。ダリアンの毒物&組織検査の結果はすべて陰性。病気もなかった。

【CASE マリッサ・クリアリー】
 現 場 :ウォルター・ダリアン経営のモーテル
 被害者 :マリッサ・クリアリー
 死 因 :絞殺
 関連人物:ショーン・クリアリー
 背 景 :結婚指輪以外には服装もないため性別も不詳、白骨化していて毛髪も皮膚も残留して
      いなかった。骨の状態から死後3年以上経過。骨盤の下からナイフが発見され、凶器と
      見られたがDNAは抽出不可能な状態。
      モルグでの調査の結果、骨盤の形状から未経産の白人女性と判明。
      親知らずから年齢は20代前半とみられた。骨に顔を殴られて防御した痕跡。
      臼歯と大腿骨から抽出したDNAはデータベースになく、捜索願は出されていなかった
      ことがわかる。骨盤から本人と男性のDNAが出たが、男性は父親か息子だと判明。
      
ダリアンは物を捨てられない強迫性障害の持ち主だったのか、モーテルは物で溢れていた。
その中から子供の物と見られる野球帽を発見、毛髪を採取する。また、マタニティウェアのつまった旅行カバンに、二枚に破られたカップルの写真が。そのカバンの身分証の女性マリッサ・クリアリーが白骨の歯形と一致、頭蓋骨から復元された画像もマリッサと一致。やっと身元が判明する。
マリッサの骨盤に出産の形跡はなく胎児の骨も残っていなかったため、一緒に埋められていたナイフで赤ん坊を取り出したのではないかと考えられた。骨盤のDNAは胎児のへその緒の残留したものだったのだ。つまり、マリッサが妊娠していたのは男児だったことになる。

マリッサの夫ショーンは死亡の知らせを聞いてショックを受ける。妊娠がわかって結婚したが、結婚後言い争うようになり、職場にかかってきた電話で「出て行く」と言われそれきりになって8年たっていたのだという。
ショーンはすぐ帰ってきてやりなおせると思っていたが、絶縁の手紙が送りつけられてきたので、結局捜索願を出さなかったのだ。
その絶縁の手紙は文面は印刷だったが、サインが入れられていた。しかしその筆跡はマリッサのものではなく、文面のプリンターもダリアン所有のものとは不一致だった。

ダリアンの部屋にあった野球帽の毛髪は、マリッサの息子のものとDNAが一致、2~3年前のものと判明する。
マリッサからショーンに届いた絶縁の手紙の消印はヘンダーソンだが、ダリアンが住んでいたのはスローン。手紙を出しに行くのには不自然に遠い。しかしヘンダーソンに住んでいる人物がいた・・・・ダリアンの妹ベスだ。
ベスの腕にはやけどの跡があり、実は探していた「リビー」はベスだったことがわかる。そして、ベスには8歳の息子のマーティンが。マーティンはショーンとマリッサの子供だと判明する。
マリッサの偽造した手紙のサインもベスのものだったが、ベスは「子供は兄が捨て子だと言って連れてきた、スーツケースの写真を見て申し訳ないと思って手紙を偽造して出した」と供述する。ベスは・・・・マーティンを育てたのは自分だ、愛していると言う。

ベスの証言を覆す物証は何もない・・・まだ。グリッソムはわだかまる疑問を解決するため、ひとりダリアンの残した荷物に立ち向かう・・・・


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この回、難しくてまとめられずに何回も見てしまった。
多分すっきりと終わってなくて意味も不明で、おそらく「好きなエピソード」ランキングとかやったら決して上位には入らないエピなのではないかと思われる。しかし何回も見たせいか、しまいには実にこの「最後の余白の多さ」が気持ちよく感じられたというか、つきつめると面白かったと思う。

今回のエピソードでは3つの遺体が登場した。その中でスキアラーとダリアンの死は科学的に証明済みなので、解決。しかしマリッサ・クリアリーの死はなんら物証で裏付けられていない。
事件において物証で確定しているものは真実だが、捜査官たちが推測していることは必ずしも真実ではなく、証言はさらに嘘を含んでいる場合がある。マリッサの死は、ダリアンの性格の類推とベスの証言で、すべてが「推測」で成り立っている状態で終了している。
事件は終わっていない、でも続かない。(ベスは今後登場予定がないため、続編は現在未定)マーティンをショーンの元に返すことが最善の策でもない。微妙に大岡裁きになるのが現実的だし仕方がない、しかしグリッソムは納得がいかないのだ。

おそらく、ベスは嘘をついている。
ひとつにはマーティンの帽子だ。絶縁状態にあったはずの兄妹なのに、2~3年前のマーティンの毛髪のついた帽子が車にあったということは、マーティン込みで何らかの交流が続いていたことになる。
また、「リビーの制服」をなぜ持っていたのかの説明がなされていない。ベスがリビーとして働いたその1日は、ちょうど事件当時の8年前だったという。それを手元に持ち続けているということは、何らかの意味があったのではないだろうか。
ベスはマーティンをダリアンに夜中に連れて来られたと言っているが、ベスが殺人当時その場にいた証拠もなければ、いなかった証拠もないのだ。
ベスの言うことが本当なら、マーティンが連れて来られてそのまま育て続けることは不自然に思える。単なる母性本能では説明がつかない。ベスにとってもマーティンを表ざたにできない、またはマーティンが「特別」である意味や理由が、そこにはあったのではないか。
何一つ手放すことができず、欲しいものは手に入れる衝動を抑えることができない男が、「妹」と「赤ん坊」だけは手放すことができたのはなぜか?いや、二人は本当に手放されていたのか?・・・・グリッソムがいつか我々の知らないところで真実にたどり着いているのかもしれないし、またいつか語られる日がくるのかもしれない。

評判はよくないかもしれないが、実はけっこう考えられて3つの事件がぎっちぎちに詰められた脚本なので、オマケの部分が少なかった。主任がキャサリンの色っぽい電話に「おめでとう」と言ったところくらいかな。
15話「盛者必衰」でキャサリンが私生活が充実してなーい!と嘆いていたことが、やっと報われたんだねということで、ちらっとイヤミな祝福をしてみせる主任。電話を後ろから見守ってる時の、眉だけぴくっと挙げる表情がなんともいえなかった。
で・・・・主任はどうなんですか?


【 脇俳優チェック 】

◆彼女に失踪された男ショーン・クリアリー .... Josh Stewart
「サードウォッチ」の6から新人巡査Brendan Finneyで登場予定なので、10月以降にまた彼に会うことに。

◆よくぞ生きてた赤ん坊マーティン・ダリアン .... David Hall
オフィシャルによると、彼の姉のマディソンも弟のダニエルも、子役ちゃんらしい。アメリカショウビズ界ではあまり珍しいことではないのかもしれないが、大変だなぁ。

◆絶縁の妹ベス・ダリアン .... Megan Follows
もう、彼女といったら「赤毛のアン」のアンだ。不朽の名作の映像化をしょって立ってなかなか大変だったことだろうが、そのイメージを払拭するかのようにその後は色んな役に取り組んでいる模様。
今回の演技もなかなかだったが、「ER Ⅶ」14話「森の中の散歩」ではキムのレズビアン仲間としてウィーバーに引き合わされるクリスティ役で出ていて「ねぇ、ここにいる人はみんな、キムと寝てるのね」という大胆な台詞をこなしていた。
「CSI:マイアミ3」23話にも登場予定。

◆沸きっぱなしの湯沸かし器ウォルター・ダリアン .... Erik Passoja
TVムービーで「ビーチ・ボーイズ物語 ~僕らの サーフィンUSA」というのがあるのだが、彼はその中で稀代の悪カリスマ、チャールズ・マンソンを演じている。このTVムービーは2000年にエミー賞にミニシリーズでノミネートされているのだが、実在の人物を実録ものとして描いてあって登場人物がすばらしくそっくりさんな感じらしい。
日本国内だとスカパーでしか放送されたことがないらしいが、昨今我が家で「Smile」がらみでビーチボーイズブームが起こっており、なんとかして見られないかというので知っていた一本。
マンソンのそっくりさん・・・・なるほどなぁ。
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3 コメント

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実は私も。。。。 (nyan-routine)
2005-09-06 23:23:41
この話、1回では良く分からなくて、2度みたのですが、てっきり前後編ものだとばっかり思い、次週を楽しみにしたところ、全く話が違ったので「アレ?」と肩透かし状態でした。

いろんな「アレ?」が残ったままで、本当にダリアンの死は「あれで解決?」なのか、妹は今後、子育てをできるのか、この妹は怪しく思わないのか、等々、なんだか不完全燃焼状態でした。ペンディング・エピでもなさそうだし、ちょっとわかりにくかったですね。
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nyan-routineさんへ (くまぷー)
2005-09-07 07:14:50
前後編だと思いますよね、あの終わり方じゃ・・・。

5回くらい見るハメになりましたが、それでやっと「これ以上どうしようもないか」とあきらめがついたみたいな気が。

児童福祉局に通告して、ベスからマーティンを取り上げることはできるでしょうが、マーティンにとって幸福ではないでしょうし、難しいですよね。



こういう「ラストを視聴者に投げっぱなしにする」終わりかたは、けっこうCSIでは何回かありましたが、今回のが今までで一番投げっぱなしな感じがしました。ほんと、難しいエピだったですよね。
返信する
Unknown (きょうこ)
2020-01-27 01:47:34
てっきり19話に続くのかと思ったらそのまんまで、本当にすっきりしない回でしたよね。私も何か見落としたのかと思って何度か見返して、それでもわかんなかったので、"そういう回だったんだ"ということがわかってホットしました(((^_^;)
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