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伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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沢田マンション 個人的には世界遺産

2017-04-30 16:12:33 | Weblog

高知市にある沢田マンション。
地下1階、地上5階建てで、80世帯以上が入居。
建築の世界では有名な建物です。

なぜ有名かというと、建設会社ではなく、
大家さんご夫婦が二人だけで建てたからです。
セルフビルド建築としては、世界一の規模とも言われます。

基礎を掘る作業から
鉄骨を建てたり、部屋の内装や配管までお二人で。
人間の力の偉大さを感じます。

建築確認をとらないまま建てられたので、
当時は違法建築物でもありました。
(現在の状況は未確認)

複雑な作りで、「日本の九龍城」とも呼ばれているようです。
沢田マンションの公式ホームページはこちら
詳しくは、ウイキのページをご覧下さいと案内されています。

建築学の研究者や学生、建築に関心のある方や
芸術家など、たくさんの方が見学されるようです。



夫の沢田嘉農(さわだ かのう)さんは、
残念ながら2003年にお亡くなりになりました。
奥さんの裕枝さんからお話を伺うことができました。



お二人が結婚されたのは、裕枝さんが14歳の時。
日本の法律では結婚できない年齢ですが、
凄い人がいるものだと驚きました。

お二人のことや、マンション建設の経緯は、
「沢田マンション物語」という本に詳しく書かれています。

私は3月に、高知大学サッカー部OBの集まりがあり、
久しぶりに高知へ行く機会がありました。

気になっていた沢田マンションを見学させて頂き、
ありがとうございました。

建物の魅力と大家さんのお話に圧倒されて、
すぐにはブログに書けませんでした。


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この建物は普通の住宅です。見世物ではないので、
住民の方にご迷惑をかけないように注意してください。
大家さんの許可を得ずに敷地内の写真撮影はできません。

1、2階にはお店もありますが、
1~4階は住宅になっていますので、お店以外は撮影はできません。
5階は、大家さんの住宅と、木工の作業場。
6階は屋上の畑になっています。



高知駅から見ると北方の山のふもとにあります。
むかしは辺鄙な場所でしたが、大きな道路が東西に開通し、
目の前にヤマダ電機や、ツタヤ、スタバなどができて
とてもオシャレな地区に一変しました。

マンションの西側のようす。


マンションの東側のようす。


敷地は南東の角が入り口です。


1階に大家さんが経営するカフェがあり、
オリジナルグッズの販売もあります。
タオルを購入しました。

住民の方が世間話しをしたり、家賃を払いに来たり、
コミュニティスペースになっています。






ちなみに、沢田マンションでは家賃を払うと
大家さんからトイレットペーパーを貰えます。

昭和47年、部分的に入居開始。
沢田マンションができたころ、まだ世間には水洗トイレがなかったので、
トイレットペーパーが普及しておらず、とけない紙を流されて、
よくトイレが詰まったそうです。

それを直す費用がばかにならないので、
大家がトイレットペーパーを渡した方が安い、
ということで始めたそうです。
その名残なので、たくさんはもらえないと思います。

5階はワンフロア全部が大家さんのお宅。
東の方が木工所?製材所になっていて、
所有している山から切り出した丸太を、
リフトでマンションの5階まで上げて、大家さんが製材しています。
(作業されているのは沢田裕江さんの娘さんの夫)





製材した木材で、マンションの内装工事などを行います。


沢田マンションの凄いところは、
ご夫婦ふたりだけで建てたということだけではありません。

なんと、全ての部屋の間取りが違うそうです!
ビックリ。
マンションと言えば、上から下まで、ほとんどの部屋が
同じ間取りなのが常識かと思っていたので驚きました。

住む人が、より使いやすいように配慮しながら
作ったからのようです。

建設会社が作るときは、
大勢の職人さんが一斉に各部屋で作業するのでしょうが、
沢田マンションは、夫婦二人で建てたので、一部屋づつ
手間と時間をかけながら作られたのでしょう。

部屋の中は、借りている人がかなり自由に改造して
つかえるようです。



マンションにはエレベーターはありません。
そのかわり、ゆっくり歩いて上がれるように、
コンクリート製のスロープ(坂道)が5階まで続いています。
その結果、
マンションなのに5階まで車で上がれます。

いまならショッピングセンターの立体駐車場へ、
車で登っていくのはめずらしくありませんが、
このマンションができた当時は、マンション自体がめずらしかったので、
車で登れるマンションは、かなり珍しかったと思います。

住民の方は、意外と若い方が多いです。
小さな子供もいて、ご家族で住んでいらっしゃる方もいました。

5階から、6階の屋上へ上がるらせん階段。

このあたりにウサギやニワトリが放し飼いになっています。
ミニブタくんも、犬小屋に飼われていました。
名前を呼ぶと、喜んで飛び出してきます。


屋上にある赤い巨大クレーンも、
ご夫婦で作ったそうです。

このリフトで、1階から5階まで移動できます。
ただし、大家さんのみの使用。


むかしは屋上が水田でお米を作っていましたが、
現在は畑です。

別の場所に田を持っているので、
今はそちらでコメを作っています。

4月は転勤の時期なので、ホームページを拝見すると
今は空室があるようです。
私が訪問した3月は満室で、空室待ちの方がいる状態で、
人気のマンションです。

私は高知大生の時、
沢村荘という家賃7千円のアパートに住んでいたので、
沢田マンションには、なにか心惹かれるものがあります。

沢田さんご夫妻がこのマンションを建てるには、
生死をさまようほどのご苦労がありました。
けして裕福だから建てられたのではありません。

人間は、一念を持ってとりくめば、
これほど大きな仕事をなしとげられるのだと
圧倒されました。

巨大建築、コミュニティ、共同住宅や、お二人の人間性に
関心を持たれた方は、「沢田マンション物語」をぜひお読みください。
アマゾンで中古で販売されています。
(文庫本もありますが、単行本のほうが写真やイラストが豊富です)














(5月1日追記)

本などによれば、沢田マンションの部屋番号は他に類を見ないユニークな付け方。
普通のマンションは1階なら101、102~、
2階には201~などとつけると思いますが、沢マンは違うのです。
なんと入居順につけているのです。

なので1号室が何階にあるのか、2号室はどこにあるのか、部外者には分かりません。
しかも、沢田マンションが建てられた時には、大家さんは別のアパートも所有しており、
そちらも入居順でしたので、その続きの番号が沢田マンションの部屋に振られたようです。

長く入居されている方を大事にするというお気持ちからだと思いますが想像を絶します。
郵便物については、1階に集合ポストがありますので、郵便屋さんはセーフ。
しかし、宅配業者さんは80世帯以上が暮らすマンションの前で
茫然とたたずむしかありません。

入居順位に誤りが見つかると部屋番号の訂正が行われますが、
そのたびに混乱に一層拍車がかかります。
こんな沢マン、私は好きです!



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