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伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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「継続性」「一貫性」なんて言ってるから役人は駄目なんだ!

2015-06-26 14:33:13 | Weblog
(慎太郎節)

タイトルは、もと都知事の石原慎太郎氏のことば。
知事時代の回顧録「東京革命」という本の
新聞広告に書かれています。

「継続性」「一貫性」なんて言ってるから役人は駄目なんだ!

トンでもない!
行政の仕事に継続性や一貫性がなかったら
めちゃくちゃになっちゃう、石原さん何言ってんの?

行政の仕事は今だけでなく、昨日、今日、明日と続きます。
なぜその仕事をやるのか、継続性や一貫性が無かったら
住民や議会は振り回されてしまい、信用も得られない....。

これは極めて行政側の考え方です。
私は二十一年間、県庁職員でしたので
行政の考え方が染み付いています。



(180度の転換)

だがまてよ、
その考え方で良いのか?

長く続く仕事をやっている間には、環境も変わります。
事業に対するニーズの増減や、他の政策手段の出現、
財政的余裕の増減や、もっと緊急性の高い仕事の出現、
人口や年齢構成、産業構造の変化などなど。

日本の公共事業は、走り出したら止まらない、と言われます。
いったん計画を作り、事業開始しても、
時間の経過とともに環境は変わります。

にもかかわらず、当初決めたとおりに、
いえ、多くの場合それ以上の税金をつぎ込んで
公共事業は進められます。

先進国の中で、ずばぬけた財政赤字大国なのに、
新国立競技場建設のような進め方をしてれば、
そりぁ、赤字が膨らむわけです。

 2008年北京五輪スタジアム   420億円
 2012年ロンドン五輪スタジアム 610億円

 東京五輪 新国立競技場 
 2012年 コンペで建築家ザハさんの案が選ばれたが、
     当初予算の倍の3000億円かかることが判明。
     見直し開始。
 2014年 基本設計     1,625億円 
 2015年 6月26日現在  2,520億円

こんなことを思い出すと、石原氏の指摘、
「継続性」「一貫性」なんて言ってるから役人は駄目なんだ!
は、極めてまともな意見に思えてきます。
「やめられない、止まらない」は、かっぱえびせんだけで十分。
価値観が180度変わりました。

ただし、事業費が大盤振る舞いの方向へ
ジャンプするなら反対します。
それは置かれた状況を理解していません。



(PDCAはどうなっている?)

仕事を進めるのに、
PDCAサイクル」というのがあります。

 Plan(計画) → Do(実行) →  Check(評価) →  Act(改善)

この4段階を繰り返して、業務を継続的に改善します。

近年は「時のアセスメント」もできましたが、
止まらない公共事業の影には、
DOが長すぎるという問題が潜んでいそうです。

行政の仕事や予算は年度単位です。
毎年事業を取り巻く環境は変化しますので、
少なくとも年一回は、現状や効果をCheck(評価)すべきです。

それを翌年度の予算と事業に反映して、
PDCAサイクルが回っているなら、
時代に合わなくなった公共事業が
「止まらない」ということはないでしょう。

どうも、事業が始まってしまうと、
いったん立てた計画を「実行」することが「目的」になってしまい、
DOが何年続こうと、とにかく実行。
評価は事業が完了してから、
こんな意識になっているのではないでしょうか。



(参考)
岩手県知事寄稿 公共事業のあり方





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