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『日本の地震地図 東日本大震災後版』とNewton別冊『地震列島と原発』より 地震の基礎(お勉強メモ)

2012年06月14日 | 東日本大震災・原発事故
Newton別冊『地震列島と原発』

震災後も懸念される大地震:東北地方太平洋沖地震の震源域の周囲、北と南ではプレート境界地震、東ではアウターライズ地震、西では福島のような内陸の地震。ただし、この地域だけで発生するわけではない。

プレート境界地震:房総半島沖と青森沖。「余効変動」地震の後も続く大地の変動。「余効すべり」地震による急激な動きと同じ方向に断層がゆっくり動く。二つのプレートが地震前と同じようにかたく結びついていない。

房総半島沖:1677年にM8クラスの地震が発生、房総半島の太平洋側で高さ約10m、茨城~宮城で数mの津波が押しよせたと推定。青森県沖にも似たような状況はあてはまる。

アウターライズ地震:アウターライズ=海溝の「外側が」「隆起した」地形。海側のプレート内部の断層で発生。正断層型が多い。プレートが引っ張られることで発生。東北地方太平洋沖地震の40分後に沖合でM7.5のアウターライズ地震が発生。

アウターライズ地震:プレート境界地震からかなりの期間が過ぎても発生する場合がある。過去にはM8クラスも。2006年11月千島列島沖でM8.3、2007年1月にM8.1のアウターライズ地震。

アウターライズ地震:1896年M8.2~8.5の明治三陸地震、37年後の1933年にM8.1の昭和三陸地震。チリ地震(1960年、M9.5)の余効すべりは数十年継続した。

アウターライズ地震:震源域が遠くなるのでゆれによる被害よりも津波による被害に注意。昭和三陸地震。ゆれの大きさだけで津波の大きさを判断しないように。

スラブ内地震:海のプレートが深く沈み込んだ場所でプレートが圧縮されることで発生。逆断層型(なかには正断層型ものも)。2011年4月7日の宮城県沖M7.4の地震は、気象庁は広い意味での余震に含めているが、プレート境界ではなく逆断層型のスラブ内地震。

スラブ内地震:陸に近いため強いゆれになる場合もある。津波の心配はない。

内陸の正断層型地震:地殻変動と余効すべりにより北アメリカプレートが引っ張られることで発生。福島県浜通りで頻発。今後もある程度の長期間、正断層型地震が発生しやすい状況が続く。

地震発生の確率が低いと考えられていた断層(双葉断層など)も、周辺で誘発されている地震の影響を受ける可能性がある。

北海道大学・日置幸介教授:東北地方太平洋沖地震発生のおよそ1時間前から震源域の上空の電子数が増加していた。


「トラフ」海溝よりも浅い溝状の地形。南海トラフのプレート境界地震:90-150年間隔。宝永地震(1707年M8.6)は三連動、過去最大の地震。1605年の慶長地震:津波地震=海溝よりやトラフよりのプレート境界で発生。

池に残された2000年前の巨大地震の痕跡。三連動+南海トラフ寄りの地域で同時に地震(M9クラス)が発生すると、ゆれはこれまでの想定と大きな変化はないが、津波の高さはおおむね2倍に。琉球海溝でもM9クラスの可能性。喜界島の海岸段丘。

プレート境界にエネルギーが蓄積されるモデル。「宮城県沖地震」などのエネルギー放出は完全でなく、蓄積されたまま次の地震サイクルが繰り返され、蓄積されたエネルギーが一気に放出されたのが東北地方太平洋沖地震。

プレート境界に沈み込んだ海山が巨大地震を誘発(仮説):防災科学技術研究所の熊谷博之主任研究員。1994年のインドネシアの地震(Mw7.6)。東北地方太平洋沖地震も。

「高レベル放射性廃棄物」の有害性は減らせるか? 「分離変換技術」日本原子力研究開発機構・大井川宏之。ADS:加速した陽子で大量の中性子を発生させ、マイナーアクチノイドの核変換を起こす。一種の原子炉。未臨界で運転される。

放射線で青く光る安価なプラスチック。ペットボトルを改良した放射線探知素材。シンチレックス。京大・放医研・帝人。

地震調査研究推進本部地震調査委員会:2011年11月25日発表。三陸沖北部から房総沖の想定地震と発生確率。http://www.jishin.go.jp/main/index.html

三陸沖北部から房総沖の海溝寄り:Mt8.6-9.0:30年以内に30%程度程度(津波地震)、50年以内で40%、Mt8.3前後:4-7%(正断層型)。三陸沖北部:Mt8.2前後:0.7-10%、繰り返し発生する地震以外の地震 Mt7.1-7.6:90%前後。

Mw(モーメントマグニチュード):規模が大きな地震で周期の長いゆれも考慮して算出。Mt(津波マグニチュード):津波の大きさからマグニチュードを算出。

東北地方太平洋沖地震は869年の貞観地震との1000年周期ではなく、過去2500年間に、紀元前3-4世紀、4-5世紀、貞観地震、15世紀頃、今回と計5回起きていたことを確認。

地震の発生確率が高まった可能性のある活断層(地震調査委員会):糸魚川-静岡構造線断層帯(中部/牛伏寺断層)、立川断層帯、双葉断層、三浦半島断層群、阿寺断層帯(主部/北部 萩原断層)

11の活断層帯で地震の発生率が10倍以上に(東京大学地震研究所・石辺岳男特任研究員):横手盆地東縁断層帯(約28倍)、真昼山地東縁断層帯(約11-44倍)、長町-利府線断層帯(約57倍)、長井盆地西縁断層帯(約33倍)、六日町断層帯南部(約10倍)、十日町断層帯西部(約22倍)、高田平野東縁断層帯(約13倍)、北伊豆断層帯(約70倍)、牛伏寺断層帯(約27倍)、境峠・神谷断層帯主部(約66倍)、猪之鼻断層帯(約11倍)

首都圏:元禄関東地震(1703年)と大正関東地震(1923年)が同じ相模湾フィリピン海プレートのプレート境界型地震と特定。その他は発生間隔が特定されているものはほとんどない。地震調査研究推進本部(2004年)、今後30年間にM7級の地震の発生確率を70%と評価。震災後、98%に。

首都圏:1)プレート境界地震(陸側のプレートとフィリピン海プレート) 2)フィリピン海プレート内部の地震(スラブ内地震):どこで発生するかわからない 3)プレート境界地震(フィリピン海プレートと太平洋プレート) 4)太平洋プレート内部の地震:震源が深いため大きな被害をもたらす地震は少ないと考えられている。どこで発生するかわからない 5)陸側のプレート内部の地震:「活断層」首都圏近辺で5つが知られている。「地下に隠れた断層」どこにあるかわからない。

中央防災会議(2005年):南関東地域で発生する地震:19の断層面を仮定→被害が最も大きくなるのは「東京湾北部の地震」(M7.3):フィリピン海プレート上面で発生する逆断層型の地震。最悪の場合、1万1000人の人的被害と112兆円の経済損失。

首都直下地震…なぜ被害想定が1.5倍に? 最新の観測で、震源が浅くなると考えられたためです http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/qanational/20120606-OYT8T00921.htm

最新津波浸水予測:神奈川県「明応型地震」「慶長型地震」「元禄型関東地震と神縄・国府津-松田断層帯の連動地震」を想定(2011年12月8日):明応地震(1498年):東海・東南海連動型、海岸から1キロの鎌倉大仏殿まで津波が達した。慶長型:鎌倉市で従来想定の2倍、最大14.4mの津波。


『日本の地震地図 東日本大震災後版』防災科学技術研究所 岡田義光

「あなたのまちの地域危険度-地震に関する地域危険度測定調査(第6回)」(平成20年2月公表・東京都都市整備局)http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm

日本の国土面積(約38万km^2)は、地球の全表面積の約0.07%、周辺の海域を含めて1%程度だが、世界中で起きる地震の約10%は日本とその周辺で発生している。明治以来、地震災害でなくなった方はおよそ20万人。

大きな地震も小さな地震もその発生場所はいつも同じところで起きている。

「海溝型地震」「プレート内地震」「内陸型地震」

海溝型は通常はM8級、100年から200年程度の間隔で何度も繰り返し発生。
内陸型はまれに濃尾地震(M8.0)のような巨大地震になることはあるものの通常はM7くらいまで。繰り返し周期は数千年から1~2万年程度と大変に長い。

ひとたび内陸型地震を起こした断層は再び地震を引き起こす傾向が強く、最近数十万年の間に繰り返し地震を発生させ、現在もその能力を維持していると思われる断層は、とくに「活断層」と呼ばれている。

大小合わせて2000近い活断層の存在が知られている。

日本列島の活断層分布 活断層研究会編「新編日本の活断層」東京大学出版会1991

地震の発生予測
2005年3月 地震調査研究推進本部 http://www.jishin.go.jp/main/index.html
調査の対象とする活断層帯は110に拡大

地震発生の規則性がある程度わかっている地域では、次に地震の発生時期を統計的に予測することができる。(地震の発生確率は時間とともに変化していく)
地震発生の規則性がよくわからない地域では、地震がランダム(不規則)に起こるものとして発生確率の評価がなされる。(地震発生の確率はいつでも同じ)

100~150年の間隔で繰り返す海溝型地震は別として、活断層型の地震の発生間隔は数千年~数万年と長く、地震発生確率は非常に小さな値になる。

3%以上のもの「高いグループ」、0.1%以上3%未満のもの「やや高いグループ」 各々活断層全体の約1/4ずつ
地震発生確率の高い順番に発生するわけではない

青森県付近では、青森湾西岸断層帯が「やや高い」、津軽山地西縁断層帯と折爪断層が「不明」

地震動予測地図
防災科学技術研究所「地震ハザードステーション」 http://www.j-shis.bosai.go.jp/

わが国の周辺で最近111年間に発生したM7以上の地震は118個、平均ほぼ1年に1個。
北海道や東北地方の沖合が圧倒的に多い。
1000人以上の死者をともなった地震は10例。
10例中、1923年関東地震、1933年三陸沖地震、2011年東北地方太平洋沖地震を除いた7例はすべて近畿地方の周辺。
近畿地方周辺ではM7以上の地震はめったに起こらないものの、ひとたび発生すれば大きな災害をもたらす場合が多い。

北海道
地震予測
千島海溝沿いのM8級海溝型地震
十勝沖・根室沖・色丹島沖・択捉島沖 単独ではM8.1、7.9、7.8、8.0前後
十勝沖・根室沖連動でM8.3程度
1839年以降、それぞれ3回、2回、2回、2回 平均活動間隔72.2年
今後30年以内の発生確率 0.3-2%、40-50%、50%程度、60%程度

千島海溝沿いのM7級海溝型地震
十勝沖・根室沖 1900年以降5回 平均発生間隔17.5年
2004年釧路沖1回
色丹島沖・択捉島沖 1963年以降4回 平均発生間隔10.5年
特に規則性はなく不規則に発生 今後30年以内の発生確率 80-90%

十勝沖・根室沖連動の場合の津波については触れられていない

東北・新潟

東北地方西方沖の日本海東縁部では、東北地方をのせた北米プレートと日本海の下のユーラシアプレートとが青森県沖から新潟県沖にかけて新しいプレート境界をつくりつつある
特殊なタイプの地震が発生 1964年新潟地震、1983年日本海中部地震

東北地方・新潟県周辺で起きる地震
1)三陸沖から福島県にかけて発生する海溝型地震
2)東北地方とその太平洋側沖合の下で発生するプレート内地震
3)東北地方内陸の浅いところで発生する内陸型地震
4)青森県沖から新潟県沖にかけての日本海東縁部で発生する地震

地震予測
東北地方太平洋沖地震の型の広域地震 紀元前3-4世紀、4-5世紀、869年貞観地震、15世紀と過去4回発生
平均発生間隔600年程度 近いうちに発生する確率はほぼ0%

三陸沖北部 M8.0前後の巨大地震
最近約400年間で1677年、1763年、1856年、1968年と4回発生 87.8-111.8年 平均約97年
前回1968年十勝沖地震 43.6年前 今後30年以内に0.7-10%

M7級地震 1885-2011年の127年間に9回(...1994年、2011年) 平均14.1年
特に規則性はなく不規則に発生 今後30年以内の発生確率 90%程度

三陸沖南部海溝寄り M7.9前後
1793年(宮城県沖と連動 M8.2)、1898年(単独 M7.7)、2011年の3回
平均109年程度 今後30年以内ではほぼ0% M7級では50%

津波地震
三陸沖北部から房総沖まで
1600年~2011年の412年間に4回発生 1611, 1677, 1896, 2011
103年間隔 不規則に発生
全領域のどこかで今後30年以内に津波地震が発生する確率 30%程度
特定の地域では412年ごと 今後30年以内に7%程度

正断層型 全領域で1933年三陸沖地震(M8.1)1つしかない
400-750年の発生間隔で不規則に発生するとして
今後30年以内に4-7% 特定の領域では1-2%

関東地方・伊豆地方
1)関東地方内陸の浅いところで発生する内陸型地震
1)’伊豆半島や伊豆諸島などで発生する内陸型地震
2)相模湾から房総半島南方沖にかけて発生する海溝型地震
3)関東地方の下のフィリピン海プレート内部で発生するプレート内地震
4)茨城県沖から房総半島東方沖にかけて発生する海溝型地震
5)関東地方の下の太平洋プレート内部で発生するプレート内地震

(以下省略)

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