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インフルエンザの予防・診断・治療 2012-2013年版

2013年02月02日 | こども・小児科
 予防については予防接種が原則ですが、流行開始後の効果は限定的です。現在流行している型はA香港型(A/H3N2)ですが、例年流行のピークが過ぎた頃からA型の別のタイプ(A/H1N1-2009など)やB型との混合流行がみられるので、予防接種ご希望の方には引き続き実施しております。手洗いは全ての感染症予防に共通です。

 診断は「症状・経過・診察所見・検査」を総合して判断しています。インフルエンザの迅速診断キットが診断の補助として使われていますが、この検査は陽性の時にインフルエンザと診断できても、陰性の時にインフルエンザを否定することはできません。「流行期は検査陰性でもインフルエンザの可能性が高く、流行が下火になれば陰性の時にはインフルエンザの可能性は低い」と判断しています。詳しくは2012年2・3月号をご覧下さい(手元にない時にはHPにPDFが掲載されています)。

 家庭での看病の原則は「保温・安静・栄養」で、合併症や重症化の徴候がないか注意しながら、症状に応じて適宜受診して下さい。一番大事なのは「休むこと」です。

 インフルエンザの出席停止基準は、保育園・幼稚園では「発症後5日かつ解熱後3日」、学校では「同・解熱後2日」となっています。この意味は、例えば土曜・日曜と熱があり月曜日に下がったとすると、「火曜・水曜で2日」と数えて、小学生は木曜日、乳幼児では金曜日に出席可能になるということです。大雑把に考えて「発症当日から一番軽くても5日、普通の経過なら1週間」は休ませるようにして下さい。

 治療薬としては、抗インフルエンザ薬として経口薬のタミフル(1-9歳)、吸入薬のイナビル(小学生以上)と、漢方薬の麻黄湯(全年齢)を処方しています。

(院内報2012年12月・2013年1月号より)

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