畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

日本人の色彩感覚

2017-09-11 19:36:32 | 日記


最近、空を見上げてじっくりご覧になったことはございますか?
秋の気配を感じる雲も浮かんでいます。
そういえば最近、深呼吸したことも記憶になく、肺の空気も淀んでいるのかも。

日本人の色彩感覚って、どうなんでしょうか。
日常会話で出てくる色は小学生低学年のクレヨンと一緒でせいぜい12色程度。

「きれいな青空だなア、」
「この湖、真っ青だねえ」
「木曽川のこの水の色はなんていうんだろう」

「信号は青だよ。」(実は緑色)
「この無花果の色は何色なんだろう、梨も最近店頭で見かけるけど、この梨の色は?」
  この無花果や梨の色を言葉で表現出来る方は相当なものです。

「今年もあちらの山も紅葉で真っ赤だねえ。」(実際は真っ赤ではなく少しくすんだ紅色)
「春になると眼にも鮮やかな青色だね」(実際は若葉色や深い緑色)

日本人は緑色と青色の区別をあまりせず、大雑把なようです。

リンゴ、ピーマン、スイカ、みかん、ねぎ、なす、キュウリ、アスパラガス、ほうれん草
などなど、「どんな色」って説明できますか?

話は変わって北陸新幹線の車両の色はどこから。
最近、金沢の西茶屋街のお茶屋さんでお聞きし、知りました。

加賀藩13代・前田斎泰が母の隠居所として建てた成巽閣の壁の色。
「群青色」から。
成巽閣(せいそんかく)は兼六園に隣接し、行ったのは随分前のこと。

群青色は元々は天然の岩絵の具、岩群青の略称とか。
粒子が粗い紺青で、粒子が細かいと「白青(しろあお)」とか。

日本画材の岩絵の具の群青は桃山時代の障壁画、江戸時代の琳派の屏風絵に貴重な色彩と
して使用されてきた、とあります。

写真は成巽閣の群青色について西茶屋街での説明を受けているシーンです。
このお茶屋さんにも群青色の部屋があり、庶民には縁のない貴重な色とされてきました。
そしてお茶屋さんの調度品の立派なこと、座卓は輪島塗、超高級品です。
お軸など当にお宝ばかり。
まさに美術館の如く。

このお茶屋さん、夜は一見さんお断りです。

壁の色が群青色とは、初めて目にしました。

群青色は誕生色では5月7日生まれの方、思慮深く規律、しなやかとあります。

小生の誕生色は紺色です。

芸術の世界では数えきれないほどの色相が存在し、実生活では色彩に関心ある方は
稀なようです。