畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

篆刻家・小林斗盦先生 生誕100年記念展

2016-11-13 21:10:53 | 篆刻



小林 斗盦先生は1916.2.23.生れ、2007.8.13.ご逝去。
篆刻で初めて文化勲章を受けられた方です。
篆刻界では長い間、東の小林斗盦先生と西の梅舒適先生が重鎮として強い影響力を持っておられました。
お二人はご生誕もご逝去も略同時で、書道にも通じておられました。
因みに梅舒適先生は(1916-2008)で現代書道20人展にも長らく出品されていました。。
両巨頭がご逝去されてしまい、篆刻の世界もどういう流れになるのか、注目もされているようです。

斗盦先生生誕100年記念展が東京国立博物館・東洋館で開催中ということで拝見に行ってまいりました。
東洋館は建物と雰囲気が気持の安らぐ落ち着いた世界で作品を鑑賞するにはとても良い場所です。
何度足を運んでも気持ちが安らぐ気分になります。

先生の篆刻に対する考え方は、伝統的な作品を充分に身に付け、そこから新たに創造していくということです。

解説文から引用しますと「外見だけを似せる原始復古と決別し、本当の古典と再創造とを結びつけるという
創作モデルを創り上げたひと」と評価されています。

篆刻に使用する書体文字は「篆書体」が一般的ですが先生は最も古い書体である「甲骨文字」「金文」も
巧みに取り入れられています。

細心の注意を払って石に字入れし、刻るときは大胆に。
「小心落墨 大胆奏刀」

写真の作品は何と小学5年生のときのもの、その出来栄えに当にビックリ。

そして六本木の新国立美術館で日展を拝見。
特に篆刻を重点に鑑賞させていただきました。
個性豊かな作品も多く、小生の鑑賞力を超えた作品もあり、自分の未熟さを痛感いたしました。
小林斗盦先生の世界とは大きく離れた作品には篆刻の鑑賞力を磨く必要を実感いたしました。

それにしても現代人には漢詩や難しい熟語は縁遠く、篆刻や書道作品には作者と鑑賞者との距離は結構長いと
感じます。鑑賞者の予想以上に少ないことに複雑な気持ちになります。

なお、新国立美術館は書に限ってノーフラシュであれば撮影可能の旨、受付に記載されています。
写真下2枚が新国立美術館で外観と内部です。

名古屋でも日展が開催されますが地方展ということで東海地区在住の方の作品が主で、やはり全体の掌握には
東京へ行くしかありません。地方展は確か撮影禁止だと思います。

それにしても東京の地下鉄は銀座線など古い地下鉄以外はプラットフォームまでの距離と深さがハンパでなく、
階段の長いこと、足腰が悲鳴を上げました。

靖国神社にも参拝、若い方も結構参拝されていましたが久々の東京、いささか疲れました。