Bunkamuraオーチャードホールで行われた『ワーグナーガラ・コンサート』に行ってきました。
開場20分前のオーチャードホール前です。
磯地美樹ちゃん応援団のユミ&コッコーはホール前で少々びっくり
お花の華やかさで、今回のコンサートは有名なものなのかと・・。
WAGNER GALA CONCERT
ワーグナー ガラ・コンサート
2009年9月3日(木)19:00開演・9月5日(土)15:00開演
Bunkamuraオーチャード・ホール
Richard Wagner
歌劇「タンホイザー」序曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と“愛の死”
休憩
楽劇「ワルキューレ」第3幕
<演奏会形式>
飯森泰次郎(指揮)
アラン・タイスト(バリトン)
キャスリン・フォスター(ソプラノ)
増田規子/渡海千津子/江口順子/津山恵(ソプラノ)
磯地美樹/橋本啓香/庄司祐美/金子美香/西舘望(メゾ・ソプラノ)
出演者変更
アラン・タイストは咽喉頭炎から引き起こした高熱のため、来日が不可能となりラルフ・ルーカスとなりました。
オーチャードホールの杮落としがワークナーとのこと、今年20周年を迎えたので再びワーグナーを取り上げ、新たな一歩を踏みだしたいとの企画だったようです。大きなイベントですね。
歌劇「タンホイザー」序曲と楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と“愛の死”はワグネリアといわずとも、ワーグナーファンになってしまいますね。専門的には分かりませんが飯森さんの指揮も東京フィルハーモニー交響楽団もよかったのでしょう、とてもよかったです
休憩後はいよいよ美樹ちゃんの登場です。昨年2月東京文化会館での「ワルキューレ」の再演ですが主役のヴァーダンとワルキューレの長女ブリュンヒンデはドイツからのご招待ラルフ・ルーカスとキャスリン・フォスターです。ワルキューレの妹たちは前回のメンバーのです。
ワルキューレ姉妹はオペラの舞台では羽をつけ、ピタピタのコスチュームでしたが、今回は自前の衣装で登場です。美樹ちゃんのご衣裳きれいで目立ちましたよ。
前回はオーケストラボックスからの演奏でしたが、今回は舞台で主役のオーケストラがガンガン演奏する前に立つワルキューレ姉妹方、頑張って歌っていました。勿論、どなたも声量たっぷり、美しい声です。
長女ブリュンヒンデのキャスリン・フォスターの大きいこと、父ヴァーダン役のラルフ・ルーカスが小柄に見えました。最後にお二人が抱き合うシーンはキャスリン・フォースターさんが屈んでましたね。さすが音楽の盛んなドイツでの実力者のお二人のお歌は余裕たっぷりですばらしかったです。
長女ブリュンヒンデ「・・・そのように重い罪なのですか・・・」に始まるお二人のシーンはウルンときました。
ヴァーダン役をアラン・タイストで見たい気もしますが・・。
2階席でしたが、思ったより見やすくて、美樹ちゃんのお顔もよく見えましたし、きれいな声量のある声も聴けました
とてもいいコンサートでした。
昨年2月の『ワルキューレ』の鑑賞を掲載したコッコーのブログから『ワルキューレ』の簡単な解説とあらすじをコピーします。今回のガラコンサートで取り上げた部分を赤文字にします。
『ニーベルングの指輪』Der Ring des Nibelungen
リヒャルト・ワーグナーの書いた楽劇で、「序夜と3日間のための舞台祝典劇」と題します。上演には15時間を要する長大な作品なので、少なくとも4日間をかけて上演するようです。
序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold):2時間40分
第1夜 『ワルキューレ』(Die Walküre):3時間50分
第2夜 『ジークフリート』(Siegfried):4時間
第3夜 『神々の黄昏』(Götterdämmerung):4時間30分
ワグナー、35歳(1848年)から61歳(1874年)にかけて台本を書き作曲しました。さらに上演の時には、演技や衣装の指導、劇場建築すべてに指示を出したといわれています。
物語はワーグナーがゲンマン神話に着想したものです。
(ヨーロッパ中世騎士道文学「ニーベルンゲンの歌」はゲルマン神話をもとに出来ました。
その後、ドイツでゲルマン神話が掘り起こされ始めたのは18世紀末から19世紀初期でした。ヘルダーという哲学者・文学者・詩人・神学者の影響を受けてゲーテがゲルマン神話を広める役割を果たしました。その後、19世紀後半にプロイセン(王ヴィルヘルム1世・宰相ビスマルク)によるドイツ統一が進むというドイツナショナリズムの高まりの中で、ゲルマン神話も益々人々に広がっていきました。ナショナリズムの高まりの時期にワーグナーのニーベルンゲンの指環の創作活動が行われたのも興味深い思いがします)
ヨーロッパのアルプス以北の森にはインド・ヨーロッパ語族のゲンマン人が住んでいました。ゲルマン人神話でも、ずーっと昔には神々と人が生活していた時がありました。
さて、物語のはじめはラインの河底で遊ぶ3人の娘たちに、ニーベルング族(ゲルマンの一部族)の醜い矮人アルベリヒが言い寄ろうとしている時に、偶然にも黄金を発見しました。黄金を護る娘たちは不用意にも、黄金で作った指環の持主には無限の権力が与えられること、ただし愛の力を断念した者だけが指環を作ることができることを教えてしまいました。この秘密を知ったアルベリヒは、愛を呪い、黄金を奪って逃げてしまいました。
一方、ライン河畔の山上では神々の主神ヴォータンが、巨人族の兄弟ファゾルトとファフナーに作らせたヴァルハル城の完成を喜んでいました。巨人族への報酬は主神ヴォータンの妻・婚姻と復讐の女神フリッカの妹フライアでした。しかし、フリッカもフライアも不服だったので主神ヴォータンは狡猾な火の神ローゲを頼りました。巨人族の報酬としてアルベリヒがラインの底から奪った黄金の指環を奪いとろうということになり、主神ヴォータンと火の神ローゲはアルベリヒを騙して黄金の指環を奪い取りました。主神ヴォータンは黄金の指環をすべて巨人族に渡すのがおしくなりましたが、智の女神エルダが現れて、神々の黄昏が近いことを伝え、黄金の指環を手放すよう警告しました。決心した主神ヴォータンは指環を手放しました。
その後、主神ヴォータンはヴォルフェ(狼族)という名前で人間界におり女性と結ばれ、ジークムントとジークリンデの双子の兄妹をもうけました、が、勇猛果敢なヴォルフェには敵が多く、ヴォルフェの留守中に家族は襲われてしまい、離れ離れになってしまいました。ジークリンデは的に拉致され無理やり結婚させらました。時が流れジークリンデの家に、怪我をしたジークムントがやってきました。双子の兄妹ということを確認した二人は結婚しようと逃げ出しました。兄妹の結婚に主神ヴォータンの妻フリッカは怒り、夫に二人を罰するように詰め寄ります。主神ヴォータンの本心は2人を助けたいのですが妻の迫力に負けてしまいます。
主神ヴォータンと智の女神エルダとの間にヴァルキューレと呼ばれる娘たちがいます。ヴァルキューレの中で最も主神ヴォータンの気持ちが分かるブリュンヒンデは父に代わって、ジークムントとジークリンデを守ろうとします。しかし、悲劇が起こってしまうのです。ジークムントとジークリンデの夫フンディングとの決闘中に主神ヴォータンがジークムントの剣を砕いてしまい、ジークムントは戦うすべを失いフンディングに討たれてしまいます。
ジークムントを失ったジークリンデも死のうと思ってのですが。ブリュンヒンデから、ジークムントの子どもを身ごもっていることを知れされ、生きようと決心します。ブリュンヒンデは必死の働きでジークリンデを逃がしてやりましたが、神である父の命令に背いたということで、炎に守られた岩山に閉じ込められます。ジークリンデは英雄ジークフリートを生み命絶えました。
英雄に成長したジークフリートは巨人族から黄金の指環を取り戻しますが、呪われた指環のためにジークフリートも討たれ、ゲルマンの神の時代は終わりました。
真夏の夕方のような暑さの渋谷です。
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