戦争を挟んで生きた女性の回顧録

若い方が知らない頃のセピア色に変色した写真とお話をご紹介いたします。

地獄の沙汰も金次第・・・22/03/25

2010-03-25 17:11:42 | Weblog
死んだとて知らせてやれば来にゃならぬ  つい忘れたとうっちゃっておけ (3月23日の読売新聞の編集手帳から)

こんなに不景気になると嘗て思った事はなかった。物は有り余り、賞味期限がこんなに取り沙汰された事もない。ごみステーションには使えるような電化製品やら鍋、食器類が並んでいる。捨てに来るのは老人、しかもおばあさんだけ。まれに若い女性が犬などの散歩がてらに立ち寄るが、古くから住んでいる顔見知りではない。
捨てる物は溢れているけれど、決心がつかずなかなか捨てられない。ピカピカに光ったステンレスのセットのお鍋もやはり早く捨てよう。持つだけでも重いし、新品に近いので決心がつかないのでなかなか持って来られないのだ。結局無いのはお金だけだ。
年寄りばかりなのでお葬式が出るとあっという間に5、6回のお葬式が続く。
私が元住んでいた所でも半年の間に6人が亡くなったという。
増えたのはお返しのお茶だけ・・・
昔から“葬式の費用だけは残しておかないと・・・”と云っていたけれど、葬式なんてどうでもいい。
死ぬまでのお金が今は1番必要なのだ。今にゴミを捨てるさえお金が必要になる。