持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

ラスト・ファイブ・イアーズ

2005-07-08 01:10:33 | 演劇:予告編
『ラスト・ファイブ・イアーズ』 The Last Five Years
会場 : 梅田芸術劇場 メインホール
期間 : 2005/8/7
作詞/作曲: Jason Robert Brown
演出 : 鈴木勝秀
出演 : 山本耕史,Nao


記事としては二度目だが。一度目は、まだ右も左もわかっていなかった頃の文章なので。この際なかったことに(笑)。あえて言えば、昨日のつづき。
二人が過ごした5年間を、キャサリンは愛の終わりから二人の出会いへと遡り、ジェイミーは恋した瞬間から二人の愛が壊れるまでを辿る。逆行する二つの時間軸が交差するのは、ただ一度同じ愛を分かち合った結婚式・・・。観るものは二人の結末を知っている。
なんと切ないラヴストーリー。


各Web新聞に、7/4のプレビュー公演の話題満載。やはり注目度は高いんだね。シアターガイドでは、舞台稽古の写真が。かなり異色な舞台なので。できれば、白紙の状態で初見を迎えたいが。ネットを浮遊すると、ツボ(ネタバレ)を踏んでしまいそうで。8月の観劇日まで、危険がいっぱい。果たして避けきれるのかっ? 注目は。演出の鈴木氏が、90分全編歌のみをどう捌くのかと。なにより主演の一人、山本氏がどう演じてくれるのかということ。

山本氏を認識したのは、演劇雑誌の記事からで。それは、BreakThrough Musical というアオリをもつ『RENT(初演1998年)』の、再演時(99年)の記事で。この演目には、レントヘッズと呼ばれる熱いファンがついているのだけど。なんとその記事には。再演の開演時には、舞台に役者さんが登場しただけで、拍手が湧きおこり。鳴り止まず。芝居が始められなかったという、逸話が書きとめられていて。本屋でその記事を読みながら、肌がそそけ立ったのを記憶している(←もちろん、お買い上げしたよ)。

観客としていえば。もちろん、開演時に拍手をしたものはある。それでも。芝居の始まる空気を感じるなり、止めるのが常識で。それが止められないとは。どれだけ待ち焦がれたことなのか。それを。演者がどれだけの気持ちで受けたのかと思うと、震えが走る。
彼は、この演目の再演を熱く望んでいて。こちらとしても。主人公と同じ年齢になった彼の、世界一パワーがある(@本人談)マークは。ぜひ観たい。

これほどの。稀有な体験をもつ役者さんが、どのように成っていくのかを。追い続けたくなるのは必然で。この山本氏が、『RENT』に匹敵する作品だと称する今作(『L5Y』と略すらしい)に、期待をせずにはいられない。

ふたり芝居

2005-07-07 02:02:35 | 演劇:いろいろ
大人数でドタバタする劇も良いけれど。少人数でがっつり向き合う劇も好き。

ひとり芝居は。ひとつだけを、何度も観続けている。加藤健一氏による『審判』。裁判劇で。彼は、ことの顛末を語る被告役。そう、役。なのだけど。いつしか、客席は陪臣員席に変わる。彼の喋る、七万語という膨大な台詞が、いつしか台詞でなくなって。それを観劇しに行ったはずの我々は。気付けば、客ではなくて舞台の一部になっている。彼の罪や、それに値する罰を判断しなければならない立場になっていて。当事者になってしまっていることに、恐れ慄くことになる。

ふたり芝居の最高峰(←だと思っている)は。やはり加藤健一事務所の『セイムタイム・ネクストイヤー』。本来は。再演の観劇制覇には、こだわらない。けれど、これだけは。いつまでも、上演されるたびに観に行く、という態勢でいる。店でたまたま知り合った二人が意気投合し、一夜を共にする。どちらも既婚のため、5年後ごとの再会を約束して別れ。それは、なんと30年間も守られる。心の近さが、決して身体の近さとは同じではないのだと、知らされた作品で。観る側の意識(年齢や経験)によって、これほど違って見えるものなのだということを教えられた作品でもある。だから、この二人が舞台にいる間中は。何ひとつ見落とすことの無いように。しっかりと見届けなければ、という使命感に支配されている。

逃げ場がない、なんてことを過去に何度も書いたけど。それを、とても楽しんでいるので。決して、否定的な言葉として書いていないと、ご理解いただけると嬉しい。この夏は『ラスト・ファイブ・イアーズ』を観劇予定。ふたり芝居。全編歌のみは、初体験。だから、この後は。まったく違う感想を語っているかもね。

おとなの夏休み #1

2005-07-06 23:59:46 | テレビドラマ
日本テレビ 『おとなの夏休み』 主婦の初体験!?私たち海の家はじめます!
脚本:一色伸幸
演出:雨宮望
音楽:GONTITI
出演:寺島しのぶ,石黒賢,中島知子,中越典子,宇津井健 他


視聴する予定は特になく(←しょっぱなから失礼)。タイミングよく始まったので。そのまま、ナガラ見。で、最後まで。

寺島氏の芝居をみるのは初めて。やり過ぎない感じが、好印象。もともと贔屓に見ているのが中島氏。この人の演技は。頑張りがみえたりするけど、素直で好き。重い病気に罹ってしまったという大役を、どう演じていくのか。楽しみにするのは悪くないかなと思った。脇を固める大倉氏は。なぜか。舞台上よりテレビで視聴するほうが、好きだと思える役者さん(←今日はホントに失礼)。深刻でありつつ軽妙なんて、難しいはずなのに。味だよなぁ。
もともと、タイトルクレジットは真剣にみる癖があり。今日のびっくり。え? 秋山菜津子さん。出てた? 気付かなかったよぉ。不覚。そして。ここで流れるサザン・オール・スターズは。夏に合い過ぎて、ちょっと卑怯なくらい。この音楽は、毎回選曲が変わるのかな(番組HPからの推測)。GONTITIさんが選ばれるのだろうから、期待はふくらむ。

初回は、いきなり海の家の営業権を譲り受けてしまったところから。これから始めることになる中での日常が描かれるらしく。縁のない話しながら。時折、台詞のなかに混じる本音に、共感できる部分もあり。
と、いうわけで。主に、役者さんと音楽に惹かれて。今クールの視聴ドラマ、一本決定。
あ、『海猿』はビデオの中に眠ってて。2回目までに、無事見られたなら。書くかも、な現状。

ラヴ・レターズ

2005-07-05 00:14:01 | 演劇:予告編
『ラヴ・レターズ』 LOVE LETTERS
劇場:ドラマシティ
期間:2005/8/17
作:A.R.ガーニー
演出:青井陽治 → PARCO劇場・青井氏のメッセージ
出演:寺脇康文,戸田恵子


~かけがえのないあなたへ贈る、リーディングドラマ~
舞台にはテーブルと二脚の椅子。並んで座った男優と女優が、手にした台本を読み上げるだけの2時間。「ラヴ・レターズ」は1989年ニューヨークで初演されるやいなや、全世界で上演され、静かなブームを巻き起こしました。パルコ劇場でも1990年8月19日に幕を開け、いよいよ今年8月に300回目の公演を迎えます。この一つの台本を、年齢も個性も異なった様々なカップルが読み続けています。


この演目は。ほんの数回ごとにペアを変え。本っ当に、いろんなふたりで上演されてきて。きっとこの先も、ずっと続いていくことだろう。
実は。1999年に観るはずだった。上杉祥三氏&長野里美氏。これぞベストペアだと思い、かなり頑張ったのに行けなくて。それが悔しくて仕方がなくて。それで、封印してた(笑)。
少人数の芝居は逃げ場がないなんて話は前にちょっと書いたけど。濃密な心の関係性を、堪能したいのなら。この二人こそ、と心から思えるベストペアで観るべきなのだ。絶対に。今年で14年目、8/24で300回を迎えるらしいのだけど。この日は誰がやるんだろう。

幼馴染みのふたりが。思春期に、異性として意識し合いはじめ。なのに。友達以上にはなれないことに気付き。それでも手紙のやりとりだけは途切れることなく続く。幼少の8歳から50年後まで。年齢ごとに書いた自分の手紙を読むふたり。手には台本を持っているのだけれど。当然、ページをめくる仕草だって演技。台詞なんて、役者さんの頭の中には完璧に入っているのに。今しも、読み上げているように見えるのが朗読劇。

大阪公演。ド平日のマチネのみ。なんでやねん!? と思ったら。失礼。8/17って世の中、お盆休み?(←人としてどうよ、と思うのはこういうとき・・・) 行きてぇ。寺脇さんのアンドリューと戸田さんのメリッサ。うっわ、見てぇ。。仕事、休みにならへんかなーっ。

夏めくショコラ

2005-07-04 21:49:58 | チョコレート
LOTTE 夏めくショコラ
「冷やしてもおいしい」シリーズ


個人的には。夏のチョコ。常温でもぜんぜん平気だけど。やっぱりこの季節、ひんやり感があればあるで嬉しい。

氷のように透きとおり、しゃりしゃりとける涼しげなおいしさ。
だそうで。たしかに表面のチョコの食感(しゃりしゃり)は不思議。抹茶ミルク味とマンゴーミルク味が同時発売。パッケージには、冷やして「も」とあるが。どっちも、冷やした「ほうが」美味しいな。


[抹茶ミルク]
夏、炎天下から木陰に入って。飲むグリーンティは美味しい。そんな気持ち(←お手軽な性格)。少しの苦味と甘味がいい具合に混じっていて。口の中が冷えていく感覚が、爽やか。


[マンゴーミルク]
マンゴーは。ひそかに(でもないか)ブームになりつつあるよね。これもおいしい。ちゃんと、冷やした果物の風味が生きてる。

マンゴー味といえば。森永の『小枝』シリーズからも発売されているけど。なんとはなしに。マンゴーには、なめらか感触を求めてしまうので。いつもは美味しく感じるパフが。今回はちょっと微妙かな。

退き際(ひきぎわ)

2005-07-02 16:16:59 | だいじなこと
本日、休日。遅く起き出して。ぼぉぉ、とネットニュースなど読んでいたら。こんな記事が。

<不合格>理由は年齢?55歳主婦、群馬大を提訴
群馬大医学部の今年度入学試験で、年齢を理由に不合格にしたのは不当だとして、東京都目黒区の主婦(55)が大学を相手取り、医学部医学科入学の許可を求める訴えを6月30日までに前橋地裁に起こした。<後略> (毎日新聞) - 7月1日19時40分更新


こういうものの受け止め方は、人それぞれであり、それでいいのだけど。
世の中には、肉体労働職というものがあって。たとえばスポーツ選手などがわかりやすい例。でも、一見そうは見えない職種でも。一に体力、二に体力。なんてものは多々あって。
体力低下の、ひとつの目安となるのが年齢だとすれば。年齢差別はされるべきでなくても。区別を必要とするものは出てくると思う。その職種が、他人をまきこむものなら尚更に。
能力的にはまだ、イケると思っていても。キツい、と感じることが増えてくると。背中に薄ら寒いものを感じ始める。嫌でも「引退」という文字がアタマを掠める。

断言はできないけれど(幸い、病院とは縁がないので)。お医者さまとは。知識や技術は、あって当然。それを使いこなすために。まずは体力と気力。この考え方は、誤解かな。

この女性が。主婦の仕事をこなしつつ、あきらかに20歳とは異なる記憶力で。高度な勉強を続けて合格するまでには、どれだけの努力と情熱を要したことか。想像を絶するほどすごいこと。尊敬するから、医療を学びたい気持ちを止めたいわけではない。
ただ、思うことは二つあって。卒業後は、世のために働いてくださるからと。育成には、高額な税金が投入されているのではなかったっけ? ならば、学んで終了ではならないし。医学部の勉強は6年だと聞く。たいていの会社の、定年制度で定められている年齢になる。その年齢で、初めて一線に立ちましたというセンセイの、患者になるのは不安だよ。

近代能楽集

2005-07-01 00:15:38 | 演劇:予告編
『近代能楽集』 MODERN NOH PLAYS
劇場:シアターBRAVA!
期間:2005/7/9 ~ 7/17
作:三島由紀夫
演出:蜷川幸雄
『卒塔婆小町』/出演:壤晴彦,高橋洋 他
『弱法師』/出演:藤原竜也,夏木マリ,瑳川哲朗,鷲尾真知子 他


当初、狙える日が楽日のみという微妙な状況で。楽日チケットなんぞ、早々に完売し。残念さに、何も書かずにいたのだけれど。予定が変更。本日チケット引取完了。

『卒塔婆小町』は1990年に観劇。確か、エディンバラ国際演劇祭の凱旋公演だったと記憶しているが。自信はない。蜷川氏演出作品は、初ではなかったけれど。これほど印象的だった舞台はない。出演者は、壤晴彦氏と井上倫宏氏。

芝居の間中。舞台に、椿の花が降り続ける。ぱさ、という乾いた音が、絶えることなく続く。子どものころの家の近所に、椿の垣根があって。同じように落ちる光景を知っている。武家では、椿の花は忌み嫌われていたのだと。そんな話を聞いたのも、当時だった。形を保ったまま、まるごと落ちる風情に、斬首を連想するからだと聞いて。満開の季節には、足早にこの垣根を通り過ぎた。

こんな舞台装置のなかで。ぼろを纏い老醜をさらす老女に、青年が出会う。老女が、若く美しかった過去の栄光を語り始める。姿はそのままなのに。いつしか、老女が絶世の美女に見えてくる。狂おしく小町を見上げる青年が美しく見えて。美男美女の恋情に酩酊する。
この物語は。観終わって、劇場を一歩出たところで完成する。舞台が見せた、ひとときの夢を。現実の空気に触れながら。幻を追う心持で、何度も何度も思い出す。

ごめん。予告でなく。昔語りになってしまったよ。こんなに鮮明に思い出せる自身に驚いてもいる。こういう演目は。再度観て、記憶の上書きをしないほうがいいのかもしれないが。『弱法師』が観たいので、行ってくる。
ここまで書いたら。当時のもうひとつの演目も。『邯鄲』。主演は松田洋治氏と松本留美氏。生意気なのに憎みきれない次郎と、愛情過多だけど退けるには可愛い菊を。思い出す。