・立葵も終わりとなった。
子供の頃は「コケコッコー花」と云って、ひとひらの花を上手に開いて、鼻のてっぺんやおでこに貼って遊んだものである。
・・じぃじは北海道の小樽市で生まれた。「小樽別院稲穂町の説教所」であった。
小樽駅の一つ手前の駅は「南小樽」と云うが、小樽は山坂の多い町で、この「南小樽(通称・南と樽をとって南樽(「なんたる」)は
谷の底がプラットホームで、そのてっぺんに駅がある。その山の上まで登る駅の階段がすごいのである。
・・・その崖一面に「立葵」が咲き、子供心にもなんてきれいなんだろうと思ったものである。
それも今では少なくなってしまった。種がこぼれるのだろうが、自然に消えて行くものなのだろう。
・・・・千日紅も百日紅も今年の盛りを過ぎた。今日からは9月に入った。
・・心中の情念陰り立ち葵
・・情念の赤もて窄む立ち葵 窄む=すぼむ
・・朗らかに十本ほどの立ち葵
・・詩想沸く駅の階段立ち葵
・・紅玉の千を挿頭に千日紅
・立ち葵4枚・他1枚・俳句6句