鴻風俳句教室

皆さんのホームページです
写真と俳句で美を追求しましょう
そしてこの世に生まれてきた証を残しましょう
 

五月雨の干ぬ桜の芽ふくらめり//緑なす庭をふんまへ八重桜

2012年05月31日 12時55分33秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ
















>>五月雨の干ぬ桜の芽ふくらめり

>>緑なす庭をふんまへ八重桜


  この街で咲くのが一番遅いのが、この八重桜のようである。
 この八重桜が散ると今年の桜もすべて終ったという感じがする。

  今年は、花の付きが本当に悪かった。
 「寒かったから」「病気にかかったから」「栄養が悪いから」「寿命だよ」などと、
 もっともらしいことを言うのだが、kouは蟻のために根が枯らされたと思っている。

  蟻に根を傷めつけられ駄目になったものとして、芍薬もある。
 紫陽花もそうだ。躑躅もである。

  薬品も色々と買ってきて、散布するのだがどうも蟻を退治することはできない。
 どなたか、この薬がいいよというものがあったら、教えてください。 

奉行所の太鼓櫓へ初夏の風//太平洋見ゆゴルフ場花曇

2012年05月28日 09時45分25秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ


































>>奉行所の太鼓櫓へ初夏の風

>>武勇なる武揚の書や散る櫻

>>城壁の美しき石垣桜狩

>>函館の多様な市電夏間近

>>太平洋見ゆゴルフ場花曇

>>単線の無人駅なる初夏の空

>>何処までもまつすぐ道山櫻

>>百選の水湧き流れ櫻冷え


 函館行き二弾である。
 
 函館奉行所は幕末の「箱館」開港により設置された江戸幕府の役所でした。
1854年(安政元年)の日米和親条約により、箱館と下田が開港され、
箱館山麓に最初の奉行所を置きました。

 その後、五稜郭の中で業務が開始。蝦夷地の統治や開拓。
開港地箱館での諸外国との交渉など瀑布の北方政策の拠点となったわけです。

 1871年(明治4年)、開拓使により奉行所庁舎を含むほとんどの建物が
解体され、大正時代以降は公園として一般公開されていました。

 2006年(平成18年)から復元工事が始まり、史実に忠実な工事が進み、
2010年(平成22年)、140年の床を越えて箱館奉行所が再現されたのです。
                        (「箱館奉行所」パンフレットより抜粋)

 復元工事をしている間に一度奉行所を見ていたが、完成したものを見たことがなかったので、
一度完成した奉行所を見たいと思っていた。
 
 奉行所の中には入館料500円支払う。
廊下にも青畳が敷きつめてある。
バリアフリーを考えてこうしたものにしたのだろうかと思う。
また、中庭には白い玉砂利が敷きつめられ、
テレビや映画で見る悪人を調べるそのものを思わせた。
 
 何処のお城もそうだが、城壁の石垣が美しく積み上げられている。
いつも思うのだが、人間の手で一つひとつの石を削り、
積み上げて行くという根気には驚嘆するばかりである。
ピラミッドを見た時も「大きい」より、よくも人間がこれを積み上げたものという
感嘆の方が大きかった。

 奉行所を見て、函館駅に電車で戻る。
函館の市電はその車体が様々で、いつ来ても面白いと思うのである。

 鹿部ロイヤルホテルまで戻ったがまだ明るいので、6階のまどから外を眺める。
下はゴルフ場である。ゴルフ場の向こうは太平洋である。

 昨日に引き続き、「鹿部駅」まで散歩に出掛ける。
この鹿部町は間欠泉がある。
ホテルの人に「間欠泉まで散歩がてら見てきたいのですが。」というと、
「遠くて無理ですね。」と言われ止めてしまった。
北海道では一町と言っても広すぎてあるいつ行かれないことを知っているからだ。

 駅からは直線の道路が何処までもつづいている。
道の両側には別荘と思われる立派な家が立ち並んでいる。
窓や玄関戸にはシャッターが下りている。
本州方面のお金持ちが、一年に1度か2度訪れるのだろう。
お金持ちはいいとつくづく思う。

 帰りも「千歳の名水公園」でトイレタイムとなる。
行く時には、どこかの小学生が思い切り走りまわっていたのに、
人っ子ひとりいない公園である。  
  
  





残雪の駒ケ岳浮く木々の海//地に零る桜の花弁運ぶ風

2012年05月24日 20時14分17秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ










































>>朝曇り昭和深山の薄煙

>>残雪の駒ケ岳浮く木々の海

>>夏の風吹き抜くばかり無人駅

>>少年と犬の見上ぐる夏の空

>>たんぽぽのどっと咲き出す壕の水

>>地に零る桜の花弁運ぶ風


 用事があって函館まで行ってきた。
 札幌に出てから、遠距離高速バスで行く。
 中山峠が山崩れで、千歳・支笏湖・美笛峠を通って行くことになる。
 中山峠周りより、1時間ほど時間が余計にかかる。
  
 途中、昭和新山でトイレタイムである。
 いつ来ても薄煙を吐き続けている。
 昭和18年12月、突然畑の地面が隆起してきた。
 それから45年9月まで隆起し続けて形成されて作られた山である。

 駒ケ岳が見えてきた。この山も未だに薄煙が吐き出されている。
 本日の泊まりは、鹿部ロイヤル惚れるである。

 翌日、用事を終えてから、函館に出る。
 今の季節は、桜の満開の時と思い、五稜郭に行く。
 途中、さまざまな彫刻が並んでいる。
 熊の題は「じっと手を見る」と題されていた。
 啄木の「働けど働けどなほわがくらし楽にならざりじっと手を見る」から、
 名づけられたのであろう。

 案の定、五稜郭の櫻は満開であった。

 桜を眺めていた、男性に「きれいですね。」と話しかけると、
 「毎日、散歩がてら見に来ていますが、今日が一番きれいですね。」といい、
 さらに「今年は寒くて、なかなか花が咲かないで、旭川が先に咲くなんて、面白い
 ことが怒りましたね。」と話していた。

 五稜郭は五画の平面を持つ様式の城砦である。
 江戸幕府が北方警備の函館奉行庁舎として1864年に建造した。
 城の濠を作った時、その土で土塁を作った。
 その土塁の上を歩くと、桜の木々が眼の高さより下に見える。
 こうした桜の木々を下に見る場所は北海道にはない。
 
 

たんぽぽの向かうは保育所おやつ時//園児来てたんぽぽの花冠織り初む

2012年05月22日 21時03分49秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ
























>>たんぽぽに元気をもらふ昼下り

>>たんぽぽの向かうは保育所おやつ時

>>園児来てたんぽぽの花冠織り初む

>>アスファルト破りたんぽぽの一家族



 たんぽぽの季節になった。中にはすでに白い綿毛になっているものがある。
この季節になると北原白秋の「いつしかに春の名残となりにけり昆布干し場のたんぽぽの花」の
短歌を思い浮かべる。

 利尻に長年住んだせいだろう。
昆布干し場は砕石を敷き、たんぽぽの花が咲くことは今では珍しい。
だが、昆布の干し場と干し場の間に咲くたんぽぽの花が季節の移ろいを告げるのだ。
 さらに昔は砕石も敷くこともなく、たんぽぽの花が咲いていたのも事実である。

 北海道のたんぽぽは、金色に耀居ているが、
九州などでは白色のたんぽぽの花が咲いているという。
北海道の金色のものも良いが、白色のたんぽぽも美しいことだろう。

 

満開の桜今年も恙無し//この先は高速道路花の影

2012年05月21日 13時04分49秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ






































>>満開の桜今年も恙無し

>>淡き雲浮く散歩道桜満つ

>>この先は高速道路花の影

>>櫻待つ心は人を待つ思ひ

>>鳥影も見えぬ蒼天花浄土


 忙しくて更新ができないでいたが、撮影日は5月14日。
場所は恵庭ふるさと公園付近の散歩道である、

 今日は、じぃじの庭の八重桜が満開である。
桜が咲くころは人恋しく、心が沈んでいる。

 心が沈むのは、教室では毎日17~8人が俳句を貼るのに
こちらに立ち寄って、1行でもコメントしてやろうという気持ちがわかないのだろう。

 それでも、更新もしていないのに130名ほどの方が見ていて下さっている。
嬉しいことである。
   

五月雨にむらさきつつじ濡れゐたり//おもひきり蕊を延ばせし蝦夷躑躅 

2012年05月16日 10時22分27秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ





















>>五月雨にむらさきつつじ濡れゐたり 5・16

>>おもひきり蕊を延ばせし蝦夷躑躅  5・16

   わが庭の「蝦夷紫躑躅」が咲きだした。雨に濡れて咲く紫躑躅もまた風情がある。
  ほったりと高貴な色香を漂わせている。

   町の街路樹にも使われ、「北海道文教大学」の前面通りなども何処までもこの花で
  彩られている。

   雨ばかり降り続くこの頃だが、雨の振り止むのを待って撮影してきた。
  このごろは更新を怠っているので、俳句もあまり感心はできないのだが。

一群の水芭蕉過ぐ水の音//走り去る獣の残せし座禅草

2012年05月09日 12時35分11秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ





































>>純白な弥陀の光背水芭蕉

>>一群の水芭蕉過ぐ水の音

>>みどり児を包むおくるみ水芭蕉

>>サルルンの目覚めし水や水芭蕉

>>禅寺の門の仁王や達磨草

>>走り去る獣の残せし座禅草

 今年も水芭蕉を見に行ってきた。と言っても、30分も歩くと防風林があり、
くるぶしぐらいの雪解け水を歩き、中に入って行くと水芭蕉の一群に出会う。

 北海道の水芭蕉は背丈が短い。
葉は大きくなると1m近くにもなるのに、花の丈は本州のものに比べると短い。
雪のためか、風のためか、天候のためかは分からないが大きくなれないのが残念である。

 座禅草もまた同じである。
北海道では座禅草も同じで、背丈が短い。地べたにくっついているという感じがする。
子供たちは「婆のけっつ」という。「けっつ」とは「お尻」という意味である。
蹴飛ばすと臭い匂いを出すからだという。

 この水芭蕉、座禅草が枯れると、北海道も俄然夏らしくなるのである。 

燃えたぎる心忍ばせアマリリス//血脈に結ばれ四花のアマリリス

2012年05月07日 09時51分20秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ














>>燃えたぎる心忍ばせアマリリス

>>血脈に結ばれ四花のアマリリス

>>大輪の花に四気ありアマリリス


 花は葉の変形という。
 しかし、アマリリスは花と葉が余りにも違った形をしている。

「四気」は「四季」とも書き、春・夏・秋・冬をいう。

  冬の終り頃から、芽を出し始め、1m以上に伸び、葉がひょろひょろと伸びる。
 ヒガンバナ科だから伸びるのは当然なのだろうが、茎も葉も思い切り伸びる。
 
  春の終り頃になると、1m伸びた茎の上に4つの蕾がつく。
 花開く前の蕾の大きさは20cmほどになる。

  夏に入ったとたんに咲き出す。
 花はせいぜい1週間から、10日ほどで終る。
 終ると、鉢から抜き出し、畑の隅に植え、堆肥をごっそりと掛けておく。

  秋、雪が降り始める10月末ごろには、掘り出し、植木鉢に植えてやる。
 こうして、アマリリスは四気を十分に堪能して毎年花を咲かせている。

  毎年、白に近いピンクと、この情熱的な真っ赤とが、20年近くも咲き続けている。
 別な色も加えてやろうかとも思うが、この二つをじぃじが生きている限り咲かせ続けて
 やることが、「血脈」と言えるのではないかと思っている。

  お休み中でも見にきてくださっています、130名の皆様に感謝いたします。
  

水仙に六花のかをり呼び覚ます//水仙の喇叭にエジソン話し中 

2012年05月04日 09時35分14秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ









>>水仙に六花のかをり呼び覚ます 5・4

>>水仙の喇叭にエジソン話し中


  水仙の花が咲きだした。
  それだけのことなのだが、北海道人はこの黄色い水仙の花を見ると
  「ぁ、春が来た」となんだか妙にうれしくなってくるのである。
  

開拓の村の入り口鯉のぼり//国宝の土偶三体夏来る

2012年05月03日 12時39分58秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ




















>>開拓の村の入り口鯉のぼり
>>残雪の山に応えて鯉のぼり
>>国宝の土偶三体夏来る
>>骨格の雄々しきマンモス夏兆す

  息子と「北海道開拓記念館」の「北の土偶展」を見に行ってきた。
 恵庭からは車で1時間ほどかかる。
  「江別市野幌森林公園」の広大な原生林の中にある。
 道路わきには、汚れてはいるもののまだ雪が残っている。
 それでいながら、桜の花も1本だけだが咲いていた。
 雪と桜の対比を面白いと思った。

  土偶は北海道新聞社70周年事業の一環として開かれているものだが、
 土偶と仮面あわせて、141点展示されている。
 国宝が3体、国指定重要文化財30体、その他、県や道の指定の文化財などがあった。
 外国なら、フラッシュさえ焚かなければ写真に撮ることも許されているが、
 (撮影が駄目なものには駄目と指示がしてある)
 日本ではフラッシュをたかなくても撮影を許されない。非常に不合理だと思うのである。

1枚だけ盗撮してきた。
 題して「お前の母ちゃんデベソ」と言いたくなる土偶である。

  土偶もさることながら、それ以外の常設の展示物の方がkouには興味があり、
 説明文を読んでいると、時間の経つのを忘れるほどであった。
  
  つくしがぞっくりと首をのばしていた。
遠くから見ても、「北海道百年記念塔」を高いと思うが、
 近くで見ると一層高く見えるのである。