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「小学校を待望していたのは安倍首相だ!」 独占インタビュー 長男・佳茂氏が告白〔サンデー毎日月30日号〕 /「森友」問題から透ける愛国教育の本性~復古主義的政策相次ぐ 〔東京新聞 2017.4.6〕

2017-04-18 16:50:29 | 森友学園疑惑

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https://mainichi.jp/sunday/articles/20170417/org/00m/040/009000dより転載

「小学校を待望していたのは安倍首相だ!」 独占インタビュー 長男・佳茂氏が告白

サンデー毎日4月30日号

「悪いのは籠池だけ」という幕切れは許さない

 森友学園を巡る問題は、籠池泰典前理事長(64)が証人喚問で関係者の国会招致を訴えたが、政府・与党の拒否で進展していない。そんな中、籠池氏の長男佳茂氏(37)が本誌の取材に応じ、かつての「同志」への憤りをあらわにした。

 

 森友学園がつくろうとした小学校「瑞穂の国記念小学院」の完成を待ち望んでいたのは、ほかならぬ安倍晋三首相ですよ。結論を言うと、安倍先生は積極的には関与していない。政治家だから自らやれない部分について、妻の昭恵氏を通じて支援していただいたのだということです。

 昭恵氏は2014~15年、学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)で3回、講演して学園の教育方針に賛意を表明している。15年9月5日の講演では、校名について前理事長の泰典氏が、「安倍晋三記念小学校」と提案したのに対し、次のような趣旨のことを二度にわたって述べている。

「主人が『総理大臣は時には批判にさらされることもある(中略)名前を付けていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい』ということで、ご理解いただいた」

 そして、この講演の際、昭恵氏が「安倍晋三からです」として、100万円の寄付金を差し出した、と泰典氏は証人喚問(3月23日)で証言している。

 12年には、幼稚園で安倍先生ご自身が講演される予定でしたが、先生が自民党総裁選に出馬されたため、キャンセルされました。安倍先生側とのつながりは、幼稚園のPTA関係者の紹介と聞いています。実は、12年夏ごろ、私の携帯電話に安倍先生から講演についての連絡がありました。

 仲介した人がなぜか、私の電話番号を伝えていたようです。安倍先生には「私は息子です」と言い、父の連絡先を伝えました。同じ年、総裁選の遊説が大阪であった際には、母(諄子氏)に言われて父の名代としてあいさつしました。大阪市のリーガロイヤルホテルで安倍先生に面会し、父の名刺を渡したのです。

 佳茂氏は、自身の結婚を巡って両親と疎遠になり、今回の問題が起きるまでの4年間、実家に帰っていなかった。

 学園は3月10日、突然、小学校の設置認可申請を取り下げた。世間では、「何らかの裏取引があったのでは」とささやかれたが、水面下では複雑な動きがあったのだという。

 問題発覚後も母と昭恵氏の間で、メールのやり取りが続いており、母や妹(現学園理事長の長女・町浪(ちなみ)氏)は「だまされているな」と直感し、「家族を支えないと」と思いました。小学校設置認可を取り下げた3月10日、塚本幼稚園で開いた記者会見に同席しましたが、その時、本当に久しぶりに父の横に座ったのです。

 取り下げの経緯は、父から聞いた話です。当時、学園の顧問弁護士だった酒井康生弁護士が3月8日、「もうこれ以上はあきません。上からも言われているので、辞任させてほしい」と、顔面蒼白(そうはく)で伝えてきたそうです。世間の批判も強くなり、「これ以上、森友学園にかかわるのはまずい」ということだったのでしょう。

 酒井弁護士は、父に「このままでは、小学校の建設業者が資金ショートし、倒産する」と言ったそうです。ところが、10日の記者会見の直前、酒井弁護士は私に「業者が倒れたら塚本が倒れる。しかし、業者は倒れないようだ」とまるで違う説明をしました。父母は「業者に迷惑がかかるのは気の毒だ」と考え、これが申請を取り下げる決断につながりました。

 国有地問題が盛んに報道されていた2月下旬でも、酒井弁護士は「いまは小学校の設置認可を得ることだけを考えましょう」という姿勢で、そういう趣旨のメールも残っている。それがなぜ、わずかの期間に、申請取り下げを勧め、辞任を申し出るようになったのか、理解できません。

 15日には、日本外国特派員協会で予定されていた父の記者会見を急きょ、キャンセルしましたが、これも酒井弁護士の助言によるものです。同じ15日、こちらは「今やめられると困る」とお願いしたにもかかわらず、酒井弁護士は辞任してしまいました。

8億円値引きの真相知る弁護士

 本誌の取材に対し、酒井弁護士は「守秘義務があり、答えられない」と話した。

 建設を請け負っていたのは大阪府吹田市の藤原工業。同協会での記者会見は、23日の証人喚問後に実施された。

 藤原工業は倒産どころか、未納の工事代金があるとして、同じ時期から幼稚園や実家の仮差し押さえを申し立て、認められたのは報道された通りです。

 藤原工業との接点ができたのは、「大阪維新の会」にいたこともある元大阪府議の紹介がきっかけです。小学校建設の際、4社ほどで入札を実施し、同社が落札しました。

 維新との関係で言えば、小学校の地鎮祭には、松井一郎・大阪府知事の名前で祝電が届いています。

 本誌の取材に対し、元府議は「籠池泰典氏とは以前からの知り合いで、小学校建設の話も聞いていた。維新だからというわけではなく、私個人を支援してくれていた藤原工業がさらに成長するきっかけになれば、と紹介したが、こんなことになったのは忸怩(じくじ)たる思いだ」と語った。

 藤原工業は取材に応じなかった。

 国有地の約8億円の値引きについても、父はどういう力が働いてああなったのかは詳しいことは何も分からないのです。

 昨春、くい打ち工事中に、新たなごみが出たという話を聞かされた時、真っ先に心配したのは「開校が延期になるのは困る」ということでした。元々、当初予定より1年延期になっていましたしね。

 新たなごみについての処理方法や、購入時の価格について、国との交渉を担当したのは、酒井弁護士です。

 安倍首相やその支持勢力が理想とする教育を実現するための小学校をつくろうとした泰典氏。彼の計画を称揚した「同志」たちが、一斉に手のひらを返した。潮目が変わったのは、2月24日の安倍首相の国会答弁だったと佳茂氏はみている。「私の考え方に非常に共鳴されている方」と共感していた泰典氏のことを「非常にしつこい」とこき下ろしたあの答弁だ。

 私は、幼稚園の運営の仕方に危惧を抱いていた部分はあったのです。退園者の保護者からのクレームや、政治的な主張への違和感、また虐待があるかのようにいわれるなど、今回の問題の初期にはこうしたことでたたかれました。

 両親の表現の仕方が誤解を招き、真意が伝わらない。こうしたボタンの掛け違えも一因かと思います。教育勅語の暗唱などは、否定する人もいる。教育勅語を取り入れた15年ほど前から、いわば爆弾を抱え続けてきたわけです。

 その中で、父は「教育はこのままではいけない」との思いから、「出るくいは打たれる」のを覚悟で、理想の教育に取り組んできました。

 小学校建設は、理想の具体化でした。計画した当初は、「それはいいことだ」と日本会議関係者ら、さまざまな人が賛意を示され、父はそれに乗せられた部分もあったと思います。

 現に3月には、財界関係者が幼稚園の視察に訪れるはずでしたが、キャンセルされました。また、日本会議は「6年前から会費を払っていないので、既に籠池とは関係ない」という姿勢です。

国よりも首相を守る「保守勢力」

 私自身のことでいうと、04年の参院選の時、山谷えり子先生(自民党参院議員)の選挙事務所のスタッフを務めました。きっかけは、日本会議関係者の紹介です。東京・平河町のマンションの一室にある事務所で数カ月、勤務しました。ですが、別の週刊誌の取材に対し、山谷事務所はスタッフとして在籍した事実を否定したそうです。

 取材に対し、日本会議事務総局は「籠池泰典氏は現在、会員ではない」と回答。山谷氏の事務所は「13年前の参議院選挙時に、3カ月程度ボランティアとしてお手伝いいただいたかと思います」としている。

 こうした手のひら返しのきっかけは、全て安倍先生の「非常にしつこい」発言だったと思います。

 この問題は、森友学園、弁護士、建設業者、設計事務所、財務省、国土交通省とさまざまな利害関係者が登場します。ここに昭恵氏が入ってくると、全ての構図が見えてくる。つまり、安倍先生への「忖度(そんたく)」が働いたことが分かるのです。

 そして、安倍先生の「非常にしつこい」発言を境に、今度は逆方向へ忖度が働いた。これまで、応援してくれていたはずの人々が、学園との関係を消し去るのに必死になっているのです。

 日本会議が主張するような社会にするために、父は学校をつくろうとしていたわけです。なぜ、籠池を助けようという運動が起きないのか。そんなことで憲法改正なんてできませんよ。

 補助金申請に不正があるとして、父が近々逮捕されるのではという話も聞こえてきます。私にしたら「何が国家や、何が国なんや」という話です。保守を語っている人たちが守りたいのは結局、国ではなくて、安倍晋三という政治家なのでしょう。

 この問題、父一人を悪者にして終わりにすれば、日本の社会にとってダークなものだけが残るのではないでしょうか。ますます「権力にモノ言うたらアカン」という空気が、はびこることになるでしょう。

(本誌・花牟礼紀仁)

(サンデー毎日4月30日号から)

 

【関連記事】

森友理事長(長女)、「100万円寄付」偽証の声に反論 〔週刊新潮 2017年4月20日号〕


 

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東京新聞 TOKYO Webhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/

 「森友」問題の陰で、教育勅語の容認など復古主義的な「愛国教育」政策が相次いで決まっている。こうした教育を推進する政府与党は「首相への侮辱」を証人喚問の理由にするなど、森友問題の審議では筋の通らない動きを繰り返す。だが、この二つは背中合わせだ。教育勅語に代表される教育の本質は自分の頭で考えない、体制に盾つかない人間の育成。そうした国民を望む人びとが、森友問題の主役だともいえる。・・・
                                             (池田悌一、白名正和)(4月6日 紙面から)

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