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裁量労働制ありきで突っ走る安倍政権のため厚労省は虚偽データを作成した! 2018.2.19 田中龍作ジャーナル / 裁量労働制のもとで働く労働者の過労死の事例

2018-02-19 23:23:15 | 労働 生活一般

 

http://tanakaryusaku.jp/2018/02/00017576...

裁量労働制ありきで突っ走る安倍政権のため厚労省は虚偽データを作成した

 「裁量労働制で働く方の労働時間は、一般労働者よりも短いというデータもある」(安倍首相答弁=1月29日、衆院予算委員会)―

 ウソを平気で押し通す安倍首相でさえ、その後、撤回、謝罪した虚偽データは、厚労省調査の都合の良い部分だけを つぎはぎ していたことが分かった。

 けさ野党が合同で行った厚労省からのヒアリングで明らかになった。

 裁量労働制は際限のない長時間労働を合法化するとの指摘がある。それをゴマカして国会審議を有利に進めたい官邸の思惑があったものと見られる。

 ヒアリングに出席した元日本労働研究機構・副主任研究員の上西充子氏は「意図、策略がある」と発言した。山井和則議員(希望)は「裁量労働制ありきで突っ走る安倍政権のために裁量労働制の方が勤務時間が長いというデータを使えなかったんでしょ」と追及した。

元日本労働研究機構・副主任研究員の上西充子氏と山井和則議員(希望)は、厚労官僚のまやかしを見逃さなかった。=19日、衆院第16控室 撮影:筆者=

元日本労働研究機構・副主任研究員の上西充子氏と山井和則議員(希望)は、厚労官僚のまやかしを見逃さなかった。=19日、衆院第16控室 撮影:筆者=

 からくりはこうだ―

 一般労働者には1か月のうち最も長く労働した日の時間を聞き、裁量制労働者には通常の労働時間を聞く。こうすれば一般労働者の方が長くなる。

 データ自体は存在した。厚労省の山越敬一労働基準局長が「(こうした傾向を示す)データは他には存在しない」と答弁(15日、衆院予算委員会)したのである。

 冒頭の安倍首相の答弁は「池乃めだかの方がジャイアント馬場よりも背が高いというデータもある」と言っているに等しいのだが、ものさしを変えて、池乃めだかの方を高くしてしまったのである。厚労省は安倍政権のペテンに手を貸したのである。

 何時間働こうが残業代があらかじめ決まっている裁量労働制は「低額働かせ放題」の異名をとる。経団連など財界がノドから手が出るほど欲しい制度だ。

 経営側は残業代の支払いが節約できるが、労働者にとってはたまったものではない。けさのヒアリングは過労死家族会が見守った。

 「裁量労働制は過労死の認定をしてもらえない。間違ったデータをもとに法案が通ってしまったら過労死が増えるんです」。夫を亡くした女性は厚労官僚に対して悲痛な怒りをぶつけた。

ヒアリングを傍聴する過労死家族の会。遺影は元NHK記者の佐戸美和さん。=19日、衆院第16控室 撮影:筆者=

ヒアリングを傍聴する過労死家族の会。遺影は元NHK記者の佐戸美和さん。=19日、衆院第16控室 撮影:筆者=

    〜終わり~

 

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●1月29日の衆議院予算委員会で長妻昭議員は、裁量労働制のもとで働き、過労死に追い込まれた事例を複数紹介した。
これに対し安倍首相は、「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁した。


●この「平均的な方で比べれば」について、データの出所である平成25年度労働時間等総合実態調査結果を確認したところ、裁量労働制で働く労働者と一般の労働者のそれぞれの労働時間の平均値の比較ではなかった。

・・・・

●裁量労働制の方が通常の労働時間制の労働者よりも長時間労働の者の割合が高く、平均で見ても労働時間が長いという傾向は、厚生労働省の要請に基づき労働政策研究・研修機構が実施した2013年の調査における労働時間の分布にはっきりと出ている。同調査では、労働時間の平均で見ても、通常の労働時間制の労働者で186.7時間であるのに対し、企画業務型裁量労働制では194.4時間、専門業務型裁量労働制では203.8時間と、長い。

●安倍首相がそのデータを参照するのではなく、平成25年度労働時間等総合実態調査から「平均的な者」のみを取り出して比較したデータをあえて紹介したことは、データを示すことによって反証ができたかのように装うものでしかない。そのような答弁は不誠実であり、さらに言えば、国民を欺くものだ。安倍首相に続いて同じデータに言及して答弁した加藤厚生労働大臣も同様である。

 

裁量労働制のもとで働く労働者の過労死の事例に対し、データで反論したかのように装った安倍首相

 働き方改革関連法案に関する国会論戦が始まった。この法案(現在公開されているのは法案要綱のみ)は、時間外労働に罰則つき上限を設けるなどの規制強化を前面に出しつつも、高度プロフェッショナル制度の創設と裁量労働制の拡大という規制緩和を同時にねらう「抱き合わせ」法案であり、現在の野党の質疑では裁量労働制が長時間労働を助長するという問題が大きく取り上げられている。その中で、安倍首相と加藤厚生労働大臣の答弁において、データへの言及の仕方に大きな問題があった。

 1月29日の衆議院予算委員会では立憲民主党の長妻昭議員が、裁量労働制のもとで働き、過労死に追い込まれた事例や、あわや過労死、という状況に至った事例を複数、列挙した(議事録(速記録)はこちら。下記はその要約)。

●30代の女性。みなし労働時間は1日8時間だが、残業は長いときは月100時間。繁忙期は深夜1時ぐらいまで残業し、早朝は6時頃出社。昨年11月27日に編集プロダクションの会社で深夜に倒れる。息をしない状況、昏睡のような状態になり、深夜働いていた同僚が気づいて救急車を呼んで一命をとりとめた。

●47歳のアナリスト。残業は月40時間までとみなされていたが、発症前の1か月の残業は133時間。亡くなられた。

●大手印刷会社の男性。27歳で過労死。みなし労働時間は1日8.5時間だったが、メール(の記録か)では、1時過ぎに帰宅して、3時に就寝して、6時半に起床して、7時過ぎには出社。過労死。

●出版社のグラビア担当の編集者。入社2年目で過労死。

●機械大手の34歳で過労死された方。1日の労働時間は8時間とみなされたが、月の残業は100時間以上が多かった。

 そのうえで、全国過労死を考える家族の会の代表の方の声として

今でさえ裁量労働制で働く労働者の過労死、過労自殺が後を絶たない状況にもかかわらず、適用範囲をさらに拡大すれば、労働時間の歯止めがなくなり、過労死が更に増えることは目にみえています。

という指摘を紹介している。

 そして、労働法制を岩盤規制とみなして、ドリルで穴をあけなければならないという趣旨の発言を安倍首相がこれまでに行っていることを紹介し、そのような間違った労働法制観を改めていただきたいと長妻議員は求めた。しかし安倍首相は、規制緩和への意気込みを隠すことなく、こう語った。

その岩盤規制に穴をあけるには、やはり内閣総理大臣が先頭に立たなければ穴はあかないわけでありますから、その考え方を変えるつもりはありません。

 この発言自体も注目に値するのだが、今回とりあげたいのはこの発言ではなく、それに続く次の発言だ。

●立憲民主党・長妻昭議員に対する安倍首相の答弁(衆議院予算委員会2018年1月29日)

それと、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均な、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもあるということは、御紹介させていただきたいと思います。

         ー引用元:なぜ首相は裁量労働制の労働者の方が一般の労働者より労働時間が短い 「かのような」データに言及したのか上西充子)

 

 

 


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