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【脱原発】3メートルの落差でも30kWの電力、らせん水車で小水力発電に挑む

2015-06-18 20:42:15 | 福島、原発

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» 2015年06月11日 15時00分 更新

蓄電・発電機器:

3メートルの落差でも30kWの電力、らせん水車で小水力発電に挑む

日本では導入例が少ない、らせん形の水車を使った小水力発電の実証実験が鹿児島県の薩摩川内市で始まった。川から農業用水を取り込む場所に水車を設置して、わずか3メートルの落差の水流で発電する。最大で30kWの電力を作ることができて、年間の発電量は30世帯分になる見込みだ。

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 薩摩川内市(さつませんだいし)の北部を流れる川に沿って、らせん形の長い水車が動いている(図1)。市が小水力発電の導入促進モデル事業として国から補助金を受けて建設した「小鷹(こたか)水力発電所」の水車発電機だ。2012年から検討を始めて、2015年6月9日に実証試験を開始した。

satsumasendai1_sj.jpg 図1 「小鷹水力発電所」のらせん水車。出典:日本工営

 らせん水車を設置した場所の近くには、川の水をせき止めて農業用水を取り込むための井堰(いせき)がある(図2)。井堰から管を通って水が流れてくるが、水車で利用できる水流の落差は3メートルしかない。小さい落差の水流でも大きな電力を生み出すために、らせん水車を採用した。

satsumasendai4_sj.jpg 図2 らせん水車の設置場所。出典:新エネルギー導入促進協議会

 薩摩川内市が導入した水車はドイツから輸入したもので、直径が2メートル、長さが6メートルある(図3)。水が上から下へ、らせん状に流れる力で回転する仕組みだ。発電能力は30kW(キロワット)になり、年間の発電量は11万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して30世帯分に相当する。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は43%で、小水力発電としては低めだ。

satsumasendai5_sj.jpg 図3 らせん水車の設置工事の様子。出典:薩摩川内市企画政策部

 この実証試験を通じて、薩摩川内市と設計施工会社の日本工営は発電効率やコストのほか、小水力発電で問題になるゴミの蓄積や魚の生息に対する影響、水車の騒音について検証する予定だ。導入効果が大きいことを実証できれば、全国に数多くある農業用水路に普及する期待がある。

 薩摩川内市には早期の再稼働が見込まれる九州電力の「川内原子力発電所」がある。その一方で市は再生可能エネルギーの導入も推進してきた。南国の日射量を生かした太陽光発電や、東シナ海から吹く風を利用した風力発電の導入プロジェクトが相次いで始まっている。市内の全域に川が流れていて、小水力発電の適地も数多くある(図4)。

satsumasendai3_sj.jpg 図4 薩摩川内市の河川。らせん水車を設置したのは北部を流れる「田海川」。出典:薩摩川内市企画政策部

 


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