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【IWJブログ・特別寄稿】大接戦の新潟県知事選、米山隆一候補が猛烈な追い上げ!現職の泉田裕彦氏も実質的な「後継指名」(ジャーナリスト・横田一)

2016-10-12 01:22:57 | 都知事選 県知事選 市長選

IWJ Independent Web Journal
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/337805より転載

【IWJブログ・特別寄稿】大接戦の新潟県知事選、米山隆一候補が猛烈な追い上げ!民進党議員が続々と新潟入りで「野党共闘」再び!現職の泉田裕彦氏も実質的な「後継指名」(ジャーナリスト・横田一) 2016.10.11

記事公開日:2016.10.11

(取材・文・写真:ジャーナリスト・横田一) 

 10月16日の投開票日まで、残り1週間を切った新潟県知事選挙。最大野党である民進党が「自主投票」を決めたこともあり、当初は自公推薦の森民夫・前長岡市長の「圧勝」が予想されていた今回の知事選だが、選挙戦が告示日から中盤にさしかかるにつれて、情勢に変化が見られ始めた。

 「泉田路線の継承」を掲げ、新潟県が抱える「柏崎刈羽原発の再稼働反対」を前面に押し出す野党3党(共産・社民・生活)推薦の米山隆一候補が、猛烈な追い上げを見せているのである。「自主投票」となった民進党の国会議員も、続々と新潟入り。「野党統一候補」として森ゆうこ氏が新潟選挙区から立候補し、自民党候補に僅差で勝利した先の参院選と、同じような構図となっているのである。

 

 危機感を募らせた自民党の二階俊博幹事長は、自民党の国会議員を勢力的に新潟入りさせるなど、テコ入れを図っている。

 日本のこれからの原子力政策、そして来年1月にも行われると噂される衆議院解散総選挙の展開を左右すると言われる、今回の新潟県知事選挙。新潟現地で取材を重ねているジャーナリストの横田一氏からのレポートを掲載する。(IWJ編集部)

 

新潟県知事選で実質的な「野党共闘」成立~「自主投票」を決めたはずの民進党議員が、続々と新潟入り

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市刈羽村)の再稼動を左右する新潟県知事選(10月16日投開票)は、実質的な「野党共闘」が成立し、「安倍政権の原発政策、イエスかノーか」を問う与野党激突の選挙戦となっている。推薦を決めた野党三党(共産・社民・生活)の他、自主投票を決めた民進党の国会議員が続々と現地入りしているのだ。

 10月5日には、民進党副代表の近藤昭一衆院議員が県内2箇所で街頭演説を行った後、長岡市での個人演説会に参加。その会場を訪れると、野党共闘成立を印象づける光景が現出していた。

 会場の前方左手には、近藤氏の隣に共産党の藤野保史(やすふみ)衆院議員と社民党の長部登(おさべ のぼる)県会議員が座り、そして演台を挟んだ右手には、米山候補と選対本部長で生活の党出身の森ゆうこ参院議員の姿があった。

 7月の参院選新潟選挙区では、民進・共産・社民・生活が「野党統一候補」の森ゆうこ氏を支援。森氏が僅差で当選を勝ち取った時と同じ体制となっていたのだ。

▲左から藤野保史議員(共産党)、近藤昭一議員(民進党)、米山隆一候補、森ゆうこ議員(無所属)
左から藤野保史議員(共産党)、近藤昭一議員(民進党)、米山隆一候補、森ゆうこ議員(無所属)▲演説会で支持を訴える米山隆一候補
▲演説会で支持を訴える米山隆一候補

 翌10月6日にも、民進党の阿部知子衆院議員が2度目の新潟入りをして、十日町での個人演説会に参加。四野党議員が勢ぞろいする「野党共闘」の光景が再び出現した。

 最も分かりやすい”絵”になったのは、10月7日夕方の新潟駅前の街頭演説である。街宣車上には、志位和夫委員長(共産)と福島みずほ副党首(社民)と小沢一郎代表(生活)の3野党党首・副党首だけでなく、民進党の松野頼久衆院議員(前維新代表)も立ち並び、米山候補への応援演説を行ったのである。

▲野党各党党首らによる米山候補への応援演説の様子▲野党各党党首らによる米山候補への応援演説の様子

 最後にマイクを握った松野氏は「私は米山さんとずっと政治活動を一緒にしている。ねえ、米山さん」と米山候補に声をかけながら、民進党執行部への批判をまじえつつ、次のように熱っぽく訴えた。

 「民進党は米山さんを推薦していない。ちょっとおかしいじゃないですか(「そうだ!」との声と拍手)。でも自主投票ですから、僕は居ても立ってもいられなくて、『こんな素晴らしい男はいない』『これだけ骨のある男はいない』という思いで、民進党の仲間が米山さんの応援にどんどん入っています」

 「野党共闘」に動こうとしない蓮航執行部を問題視した松野氏は、米山候補を「新潟の小池百合子」と評しながら、「退路を断っている」とその共通点を訴えた。

 「米山さんは退路を断って、まるで東京の小池(百合子)さんと同じように、すべての政治生命をかけて、たった一人で手を挙げたのです。この知事選に政治生命をかけたのですよ。それに、今、こうやって、みんながついて行ってくれている。野党三党の皆さんがついて来てくれている。本当にこの退路を断った戦いで、何とか勝たしていただきたい」

▲米山候補の応援を行う民進党・松野頼久議員▲米山候補の応援を行う民進党・松野頼久議員▲米山候補の街頭演説には多くの市民が駆けつけた▲米山候補の街頭演説には多くの市民が駆けつけた

当初は「不戦敗」との悲観論が漂うも・・・米山隆一候補の「捨身」の出馬表明で状況は一変

 「福島第一原発事故の検証と総括なき原発再稼動は認められない」が持論である泉田裕彦知事は、原発再稼動に突き進む「原子力ムラ内閣」こと安倍政権にとって、目の上のたんこぶのような存在である。

 地元の自民党県議が官邸や自民党本部へ陳情に行くと、「知事を代えるのが先だろう」などと難癖をつけられるのだという。そうした自民党本部の意向を受けてのことだろうか、反泉田知事の小田敏三社長率いる地元紙「新潟日報」は、反泉田知事派の自民党県議と連携しながら社をあげての泉田知事批判キャンペーンを展開した(月刊誌「選択」10月号や「週刊金曜日」9月9日号参照)。

 遂に泉田知事は「心が折れた」「もう疲れた」(古賀茂明氏の証言)と周囲に漏らしながら、8月30日、新潟日報の一方的報道を理由に、四選出馬を撤回した。

▲出馬撤回を発表した新潟県の泉田裕彦知事▲出馬撤回を発表した新潟県の泉田裕彦知事

 その途端、安倍総理から推薦状をもらった自公推薦の森民夫・前長岡市長が最有力候補となり、「柏崎刈羽原発の再稼動の可能性が高まった」と株式市場は判断して、東京電力の株価は上昇した。

 一方、泉田県政を継承する候補者探しは難航。民進党新潟県連は自主投票を決定し、連合新潟も森氏支持を決め、「不戦敗」との悲観論が漂うなか、次期総選挙に新潟5区から出馬する予定だった民進党第5支部長の米山隆一氏が、県知事選出馬を表明。これは、告示まで6日というギリギリのタイミングだった。

 それでも民進党は、県連も党本部も自主投票の方針を変えようとせず、推薦をしないどころか、民進党第5支部長だった米山隆一氏を「解任」とし、衆院選の公認を取り消した。松野氏が「退路を断った」「県知事選に政治生命をかけた」と訴えたのはこのためだ。再稼動反対の民意の受け皿になった米山氏の支援に回るのではなく、逆に冷たく民進党から追い出したのである。

 しかし、「自公推薦で連合新潟も支持の森候補が圧倒的有利」という予測は、都知事選と同様、見事に外れる結果となった。既成政党(民進党)に苛められながらも出馬を決断した米山候補は、三野党に加えて市民団体などの支援を受けて急速に浸透している。

 選対本部長の森ゆうこ参院議員らによる「安倍総理から推薦状をもらう森民夫候補では再稼動に反対できない」「県知事は官邸ではなく、新潟で決めよう」との訴えに、多くの新潟県民が呼応。米山候補は出馬表明が大幅に遅れたのにもかかわらず、選挙戦前半の段階でほぼ横一線にまで追い上げているのである。

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