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原発をやめ地熱発電大国になったフィリピン(伊藤 千尋さんFBより)

2015-11-30 13:22:46 | 福島、原発

伊藤 千尋さんFBより
 

原発をやめ地熱発電大国になったフィリピン

 原発を造ったのに一度も使わず廃炉にしたのはオーストリアだけではありません。同じアジアのフィリピンがそうです。自然エネルギーを開発し、今や米国に次ぐ地熱発電の世界的な大国になりました。

 首都マニラから西へ車で4時間行くとバターン半島です。戦時中に日本軍が捕虜の米兵とフィリピン兵を虐待した「バターン死の行進」の舞台です。海に面した断崖にそびえる要塞のような建物がバターン原子力発電所でした。...
 マルコス独裁政権時代の1985年に完成したとき、建設費は予定額の4倍以上に膨れました。マルコス一族が着服し米国の会社に不当な利益がもたらされたと言われます。1986年2月、市民の「ピープルパワー」によって独裁政権は打倒され、女性のアキノ大統領が率いる政権が生まれました。
2か月後の4月26日、旧ソ連のチェルノブイリで原発事故が起きました。日本も欧米も無視しましたが、4日後、アキノ政権はバターン原発の廃炉を決めました。市民による市民のため政権だからこそできたのです。

 使われなかった原発は今、観光地です。入場料150ペソ(300円)を払って入りました。狭い鉄の階段を上り下りし、厚さ1メートルのコンクリートの壁が2重になり、厚さ50センチの分厚い扉を2つ通った先に、湾曲した大きな鉄の釜のような原子炉がありました。
 入り口の扉の下を見ると、黒いゴムがはずれています。強化ゴムのパッキンが地震のためにとれたのです。福島の原発も津波の被害だけでなく、地震による損傷があったことを連想させます。
 原子炉のわきの階段を上ると燃料棒を入れるプールがあります。燃料棒は取り去られていますが、プールから棒を抜き取って原子炉に入れるクレーンの操作を実地に見せてくれました。
 では、この原発をやめて、エネルギーをどうしているのでしょうか?この国は自然エネルギーでまかなっているのです。

 同じルソン島にあるマクバン地熱発電所に行きました。マニラから南に3時間。40年ほど前に操業を始めた古い地熱発電所です。1062ヘクタールの敷地に発電機10基を抱えます。ヘルメットをかぶって敷地に入りました。
 高さ10メートルの気水冷却器の屋上から滝のように水が流れています。「日本の三菱製です」と女性技師ジョセフィンさん。大分県の八丁原にある地熱発電所と構造も施設も良く似ていると思ったら、メーカーが同じでした。制御室に入ると、ガラス窓の向こうに巨大な発電機があります。「これも三菱製です」。主要部分はすべて日本の三菱製でした。

 最後にジョセフィンさんは「わが国は今や米国に次いで世界第2の「地熱発電大国です」と誇りました。それはそれでいいのですが、施設はほぼすべて三菱製です。なぜ日本のメーカーはフィリピンやアイスランドなど海外に地熱発電所を大量に造りながら、日本で開発しないのでしょうか。
 フィリピンが世界第2位なら、地熱発電の技術が世界一の日本は、米国を抜いて世界一になれるではありませんか。40年前にフィリピンでこのような発電所を造っているのですから、日本でもやれたはずです。日本で地熱発電を開発すれば原発20基分の電力がとれるという政府系の研究機関が発表した数字があることは前に紹介しました。
 では、どうして日本で広がらなかったのでしょうか。大きな理由が二つあります。あ、長くなりました。次回、書きます。どうしたらいいのかの提案も含めて…。

 

 

 


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