地方選 公認候補、上位当選続々 来春の統一選に弾み
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20180227/ddm/005/010/096000c
2018年2月27日 東京朝刊
立憲民主党が地方議員選挙に擁立した公認候補が軒並み上位で当選している。25日投開票の東京都町田市議選(定数36)では元職・新人各1人が2位と5位で当選した。
党名を前面に集票できる実績を得たことで、来年の統一地方選に向けた候補者擁立の際に、民進党や希望の党に対して優位に立ちやすくなりそうだ。
町田市議選で立憲の2人は合わせて1万1683票を獲得。5人中4人が当選した共産党の計1万9980票には及ばないものの、1人だけ立候補した民進党公認候補(当選)の2720票を大きく上回った。18日投開票の東京都日野市議選では、新人の女性候補が4493票でトップ当選。2位の公明現職を約900票上回った。
立憲に入党した地方議員は26日現在で121人で、1500人弱の民進党との差は大きい。しかし24、25日の毎日新聞の全国世論調査での政党支持率は立憲が13%で、民進の1%、希望の0%を圧倒している。
立憲も党勢拡大で地方選を重視する。町田市議選では枝野幸男代表、福山哲郎幹事長、長妻昭代表代行(東京都連会長)が相次いで応援に入った。
枝野氏は26日、名古屋市で開かれた「ミッドランド毎日フォーラム」(毎日新聞社主催)で講演し、「ピラミッド型の組織を作り、いかに外に広げるかというオーソドックスなやり方は時代に合わなくなっている」とし、「政治に距離を置く人たち、ピラミッド型組織から排斥されている人が参加しやすい場を作るのを、試行錯誤している」と語った。
一方、自民党は町田で12人、日野で3人の公認を当選させ、公明党も町田で6人、日野で5人が当選。立憲の集票力の優位性は野党内にとどまっている。【真野敏幸】
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立憲民主党、福井県内に地方組織
野田富久県議が立ち上げ意向発表
福井県議会の野田富久議員(70)は2日、福井県庁で会見し、3月中にも立憲民主党の県内組織を立ち上げる意向を明らかにした。1日に民進党県連副代表の辞表と離党届を同党県連に提出した。野田氏は「民進の中央の動きには失望した。立民の理念は私と近い。リベラル勢力の一翼を担う組織的なアクションを起こしていく」と述べた。
野田氏は福井市選挙区選出で現在6期目。民進県連によると、辞表と離党届は受理していない。20日に開催予定の県連役員会に諮り、協議することにしているという。
会見で野田氏は昨年10月の衆院選で、民進を通じて希望の党からの立候補を目指したが公認が得られず断念したことや、今年2月の民進の党大会で党改革について熱意すら感じなかったとし、「民進に未来はあるのか。自公政権に変わる大きな流れをつくるには至らないと判断した。座して待つよりも、出て活路を見いだそうと決意した」と離党の理由を説明した。
その上で「県民の意見をしっかり受け止めながら、福井県内でリベラル勢力の潮流をつくる」と述べ、立民の県内組織立ち上げに向け活動するとした。「既に立民から入党の打診がある。現在、複数の市町議らと協議している」と話したが、入党や組織立ち上げの日程については明言を避けた。
今後は「理念や基本政策が同じである民進県連とは連携していく」と強調。希望の斉木武志衆院議員(比例北陸信越)とは、「憲法改正や安全保障、在日外国人の地方参政権付与について、私と考えが共有できるなら引き続き支援していく」とした。
立民本部によると、17都道府県で地方組織が設立されている。