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森友問題、安倍首相はケリを付けるべきだ ~昭恵夫人が関係していた疑いが濃厚に 〔安積 明子 東京経済ONLINE 2017.5.9〕

2017-05-09 18:57:51 | 森友学園疑惑

 

東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/170986より転載

森友問題、安倍首相はケリを付けるべきだ

昭恵夫人が関係していた疑いが濃厚に

 
籠池氏が近畿財務局長宛てに出した「未利用国有地等の取得等要望について」と題された2013年8月26日付の書面

共同通信84.7%、毎日新聞71%、朝日新聞75%、読売新聞82%。時事通信68.3%、日本経済新聞74%。これらの数字はいずれも森友学園問題について、「説明していると思わない」「納得していない」「不十分だ」などと答えた世論調査(すべて4月に実施)の数字である。

「多くの国民は納得していない。私はその理由は政府にあると思う。籠池(泰典)前理事長は証人喚問に応じ、多くの国民がその説明に納得した。大阪府もちゃんと報告書をまとめ、財務省から言われて認可したことを書いている。説明が全然ないのは政府だけだ」

連休明けの5月8日に首相出席の下で開かれた衆議院予算委員会の集中審議で、民進党の福島伸享衆院議員が森友学園問題について追及した。

昭恵夫人は「関係」していたのか

また森友学園問題か?と感じる読者も少なくないだろう。しかし、国有地を特例措置で有利な条件で払い下げた問題についての疑惑は解消されていない。冒頭で示した数字が、国民のいらだちを示している。

これまでのところ、事実が明らかにされるほど、特例措置に対する安倍昭恵夫人の関与が明らかになりつつある。

8日の委員会で財務省の佐川宣寿理財局長は、昨年3月に記録された籠池夫妻と「タムラ」と称する人物のやり取りの音声データを、田村嘉啓国有財産審理室長との打ち合わせのものと認めた。

田村氏は売却ではなく貸し付けとすることが特例だったと述べている。なぜ特例が認められたのか。その「原点」といえそうなものが、2013年8月26日付けで籠池氏が近畿財務局長宛に出した「未利用国有地等の取得等要望について」と題された書面だ。

この書面は、ほとんど黒く塗られており、読むことができない。籠池氏の住所や電話番号、国有地の所在地などを除いて、ほとんど秘匿されていたのだ。籠池氏のほか、森友学園の籠池町浪現理事長と学校法人森友学園の開示同意書をとっているにもかかわらず、財務省が開示しないのは、なぜなのか。

その理由は、設立趣意書の左側にある黒塗りの部分に「安倍晋三記念小學院」という学校名が書いてあるから、というのが福島議員の見立て。籠池氏から「安倍晋三記念小學院と書いた記憶がある」と聞いたからだ。このあまりに強烈なインパクトのある学校名が影響し、さまざまな忖度(そんたく)がなされて特例措置が行われたのではないか、ということだ。

「どう見てもこの黒塗りから始まり、特例が認められているとしか思えない。籠池氏によれば、近畿財務局には総理の携帯の番号や昭恵夫人と撮影した写真を見せて交渉を行った。これは総理が言うように、利用された可能性もある。しかし進捗状況は、昭恵夫人に適宜連絡している。昭恵夫人も『主人に伝えます』とか『何かありますか』と籠池氏に言ってきた。それを聞いて籠池氏は『うれしかった』と言っている」

昭恵夫人が「関係」している疑いは濃厚といえるだろう。

求められる安倍首相の「決断」

安倍首相は、こうした追及に対して冷静に応じてみせている。

「籠池氏の証言に基づく一方的な発言だ。私は小学校に名前を使用することを断ったが、結局は1年数カ月も使われていた。にもかかわらず、非難されるのはどうかと思う」

確かに安倍首相の言い分は理解できる。籠池氏に利用されたという面はあるのだろう。しかし、民進党が攻撃の拠り所としているのは2月17日の衆議院予算委員会における安倍首相の発言だ。「私や妻が(私立小学校の認可や国有地払い下げに)関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」という発言である。ポイントは、妻が関係していた場合にも辞める、と発言していること。昭恵夫人の関与が濃厚であることから、この部分を執拗に突いているわけだ。福島議員は質問の最後に、昭恵夫人の証人喚問を求めた。疑惑追及はまだまだ続く。

「すでに私は何時間、何十時間も話した。97兆円の予算を横に置いておいて何時間、この森友問題にばかり質問される」

安倍首相のこの発言に首肯する読者も多いかもしれない。民進党による森友学園問題への”執着”は、民進党の支持率低下にもつながっている可能性はある。しかし、97兆円の本年度予算は、すでに3月に成立済み。野党が森友学園問題を徹底追及せずに腰砕けになってしまえば、閣僚の"緩み"が目立ち始めた安倍政権は、ますます緩くなりかねない。

安倍首相もやり過ごすのではなく、自らケリを付けるべきだ。昭恵夫人の証人喚問を行って関係を断固として否定するのか、あるいは不本意ながらも関係していたことを認めた上で2月17日の発言を撤回するのか。「決断」をするのが筋だろう。

 

安積 明子Akiko Azumi
ジャーナリスト 兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。平成6年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動開始。「歴史は夜つくられる 「佳境亭」女将が初めて語った赤坂「料亭政治」の光と影」(週刊新潮)、「竹島動画バトル、再生回数で日本が圧倒」(夕刊フジ)など多くの記事を執筆している。  



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