クルマ好人雑記帳(移転しました)

速いだけがスポーツカーじゃない、小さいだけがコンパクトカーじゃない。新しいクルマの価値を模索するメモ帳です。

Nakamiganai ~ホンダ・N BOX~

2012-02-25 21:31:05 | クルマ
僕は小学生まで人から「頑固だ。」といわれてきた。決して、人の言うことを聞いていなかったわけではない。ただ、中学受験をするための塾へと入塾したときから、考え方に変化が起きたのだ。
自分が考えたやり方だけではうまく成績があがらないのである。いくら勉強に時間を費やしても成績が大きく伸びることはなかった。塾の先生と面談したとき、担当の先生は僕にこういった。

「ためしに先生の言う勉強の仕方を真似してみるのはどうだろう?」
最初はあまり気が乗らなかったが、先生の言うとおりにしてみると、なんと言うことでしょう。成績は目に見えてあがっていったのだ。ここから僕はひとの意見もちゃんと取り入れるということを学んだのだ。

だが、それが通じない場合もあるらしい。

「バクマン。」という漫画がある。これは週刊少年ジャンプで連載されている漫画のひとつで、主人公達が売れっ子漫画家を目指す物語だ。なかなかリアルな内容で、「ジャンプ」や「ワンピース」など固有名詞がそのまま作中に登場する。その中で主人公達がスランプに陥ったときにファンレターの意見を参考にしようとするが、結局は失敗に終わってしまうというエピソードがある。あまりに人からの意見を取り入れすぎると、自分達の「色」がなくなってしまうらしい。つまり、個性がなくなってしまうのだ。

ホンダが威信をかけて作り上げた新型の軽自動車「N BOX」もユーザーからの意見を十分に反映させて作り上げた車だ。そのユーザーとは主に女性である。以前、テレビ東京系で放送している番組「ガイアの夜明け」でN BOXが作られるプロセス、そしてユーザーに親しまれるディーラー作りという内容で特集が組まれていた。ホンダにとって女性の意見はかなり重要らしく、多くのホンダで事務等で働く女性の意見を採用していったのだ。「ティッシュボックスを入れるケースが欲しい」「自転車を積んで子供の送迎がしたい」。なるほど、確かに僕のような男には(クルマ好きには?)気がつかないポイントばかりだ。それらの数多くの意見を取り入れた結果がこの N BOXを完成させたのだ。


というのは真っ赤な嘘だ。
2007年のロサンゼルスオートショーにおいてN BOXの原型となるホンダ ステップバスが出品されている。N BOXとほとんど違いはない。あれから3年経ったが、ホンダは何していたのかまったく持って不明だ。いや、女性の意見を聞いていたのか。
折角デザインされたリアのホイールアーチ、フェンダー部分をぶった切るように設置されたスライドドアのレール。ここからホンダのクルマに対する美意識は微塵も感じられない。N BOXのカスタムを見ればよりそれがお分かりいただけるだろう。オプションにコンドームがあってもなんの疑問も沸かない。


決して悪い車ではないだろう。発売されてから数ヶ月たつが4万5000台以上が発売され、好調な売り上げぶりである。四角い車体は見切りもいいだろうし、車内効率も最大限に使える。車内は軽自動車とは思えない広さ。後部座席を後ろまで下げればローマ教皇の気分が味わえる。エンジンも軽トールワゴンとしては申し分ないスペックだ。カスタムにはターボエンジンもラインナップされる。燃費はターボエンジンを除いてすべてのモデルでJC08モード走行において20lm/Lと好成績。

ホンダはこのN BOXを「New Next Nippon Norimono」と定義しているがこのような車をもう我々は知っている。そう、ダイハツ・タントだ。ホンダは既に存在しているものを作り上げてまったく新しいと豪語してしまったのだ。

確かに良くできた車だが、わざわざホンダのN BOXを選ぶ理由は一つもない。





にほんブログ村 車ブログへブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
日本ブログ村ランキング参加中です。気に入りましたら1クリックお願いいたします

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kamekichi)
2012-02-26 13:35:56
N BOXを初めて見た時に思ったのは、「自分は好きじゃないけど、売れるだろうな。」ということです。
ここでいう「売れるだろうな。」は、あの売れているタントの延長線上につくったようなクルマだったから感じたことではありましたが。

ゼストが世に出たときも「Hondaらしさが無い」「新しさが無い」と散々言われていましたけどね。(でも、全タイプにフロントスタビライザーを奢るなど、細かい配慮を随所に感じられる良いクルマではあります。)

とりあえず、Nコンセプト4に期待します…w
返信する
kamekichiさんコメントありがとうございます (X5)
2012-03-21 21:43:14
ホンダの軽ユーザーである、kamekichiさんには本当に申し訳ないのですがやはり、どこかチャチな印象を持ってしまいます。マイナーチェンジするたびにとってつけたようにメッキパーツを増やしていく手法は目も当てられません。

僕もコンセプト4には期待大です!ホンダならしっかり煮詰めて、実用的だけれども粋な軽自動車を生き返らせてくれると、切に願っています。
返信する

コメントを投稿