クルマ好人雑記帳(移転しました)

速いだけがスポーツカーじゃない、小さいだけがコンパクトカーじゃない。新しいクルマの価値を模索するメモ帳です。

紙一重パラダイス~新型トゥアレグ~

2011-02-28 21:35:32 | クルマ
一年前までは保健の教科が必修、それによって期末テストには保健のテストも含まれていたのだが、何度も学年で最高得点を獲得していた。しかし、「結婚と妊娠」のテーマでは学年で13位になってしまったのは不服でしょうがない。何人もの紳士がいることだけが証明されたわけだ。

もちろん保健の教科書には肉体的なことばかりだけでなく精神面において成についても実に分かりやすく記載されているのはご存知だろう。

欲求がある、ということはその対象物は自分にはないということ。その欲求を満たすために人間は生きているといってもいいかもしれない。でも、あまりにもその欲求が強すぎると、欲張りとして人から非難されてしまう。
にあの堅実さで名のあるフォルクスワーゲンでさえも欲が高ぶりすぎてしまったことがある。そこから出来上がったクルマが完全にwet dreamのようなものでしかなかった。

フォルクスワーゲンは自分を高めようと、メルセデスやBMWの領域に入り込もうとした。その結果できあがったのがVW フェートン。VW初の大型高級乗用車の誕生である。だが、考えてほしい。どこの金持ちがゴキブr・・・カブトムシの羽音がするエンジンを積んだビートルと同じマークのクルマを買いたがるのかを。こんなクルマでレッドカーペットに乗り付けられるかどうか。Sクラスや7シリーズやA8に並んで走れるか。その点トヨタは頭が冴えていた。それまで庶民の人気者だった日本車に「L」の文字を加えただけで大成功させたのだ。フォルクスワーゲンは天狗になっていたのかどうがは知らないが、このクルマは買う理由どころか存在価値すらない。トップレベルの自動車会社が作った高品質で高級な最低のセダンだった。

このフェートンの大失敗を学んだのか、最近のフォルクスワーゲンの評価はすこぶる高い。とくにポロの評価が顕著である。等身大でありながら、しっかりとしたクルマを作る。きっと目に見えにくいボンネットを開けるレバーですら、しっかりとした素材で使いやすく設計されているのだろう。そのフォルクスワーゲンの人気SUVがフルモデルチェンジをしたのはつい最近のこと。今流行りのハイブリッドグレードまで用意されている。先代はプレミアムSUVとしての役割を果たせなかった感が強い。所詮VW(笑)というところがたくさんあったからだ。「カイエンを買いたいけど、やっぱり高いからトゥアレグでいいや」という、「これでいいや車」だった。やはりライバルにブランド力では一歩劣る。確かに価格は魅力的だったかもしれない。しかし、遊覧船で道路を走ろうと思わない。VWがいいクルマを作ろうとした痕跡は多々ある。ただ、時間が足りなかったのか資金が足りなかったのか何らかの理由で中途半端なクルマになってしまった。
モデルチェンジによって、背伸び感が消え親しみやすいデザインになっている。打ち上げられた鯨のようだった先代に比べると大きく進化しており、VWの本気が見て取れる。確かにポロ顔、パサート顔などと言われてしまえば反論できない。だが、これならご近所に嫉妬されずに素晴らしい車に乗ることができる。ドイツ製のSUVにのる人間は基本的に短気で人間的に不出来な部分が多い。追い越し車線をずっと走ってしまうような人種だ。新型トゥアレグなら真面目にドイツ車に乗ることができる。高級と貧相の間でその二つが紙一重に合わさったところに存在するVWにしか作れないSUVだ。子供が拾ってきた子犬を悩みながらも飼うことを許せるお父さんに買ってほしい。
ファッションとしてもツールとしても使える、迷走するプレミアムSUV市場に「存在するべき」なのに「存在しなかった」新しいクルマ。それが新しいトゥアレグだ。



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