クルマ好人雑記帳(移転しました)

速いだけがスポーツカーじゃない、小さいだけがコンパクトカーじゃない。新しいクルマの価値を模索するメモ帳です。

エンタメへの第一歩~スズキMRワゴン~

2011-03-20 20:59:39 | クルマ
日本はいつのまにか「ガラパゴス」と揶揄されるようになっている。この日本を「ガラパゴス」と呼ぶことに対して、南東太平洋上に浮かぶ本家ガラパゴス島が差別的な発言であると苦言を呈したのは分かる気がする。確かに、日本は極東に浮かぶ不思議な島として世界に認知されていることは知られている。しかし、日本をガラパゴスと呼び始めたのは面白いことに日本(の報道機関)だ。日本独自の規定などをガラパゴスと呼ぶことは「特異」だとか「珍しい」みたいなニュアンスで使い始めたのだろう。特にフューチャーされるのは携帯電話だ。元々肩にかける電話だったものが、トイレットペーパーの芯ほどの大きさになり、電子メール、カメラ、専門のインターネット、そしてお財布機能までありとあらゆる機能が詰め込まれている。十徳ナイフなど過去の遺産だ。
いつも思う。十徳ナイフのコルクを開けるあのグネグネはどんなシーンで必要なんだ?
ワインを過酷な自然の中で、極限の状態で開ける映像が全く浮かばない。


その点では携帯電話も同じで、ガラパゴス携帯やスマートフォンを使いこなすなんて到底無理。そんな時間があるなんて、よほど時間の管理が出来るやり手のビジネスマンか携帯電話しか遊び相手がいないアウトローな人か、しかいない。

(実はここまで書いてこの前置きは無理矢理だし、無意味だと思ったのは内緒。)
ガラパゴスという意味で、日本の軽自動車の規格は特殊だ。3,400mm×1,480mm×2,000mmで660ccという数字の羅列は、日本人の日本人による日本人(車)のための規格といってもいい。こんなに面白いバトルステージは他にはない。排気量でくくられるよりも厳しく、自由が利かないこの規格の中で各自動車メーカーは少しでも人気を勝ち取ろうとしのぎを削っているのだ。

今の軽自動車市場ははっきりいうと○○ばかりで、矛盾ばかり。パワーが少ないくせに車重は重くなり、燃費も悪い。見た目もハイトールワゴンにアルミホイルを貼って醜悪なラグジュアリー(笑)感を出している。
そんなクルマばかりに一石を投じたのが、そうMRワゴン・・・ではなくダイハツ・エッセだ。軽量でシンプル、正に軽自動車本来の姿を具体化したようなものだった。
そこで問題が一つ。広さだ。ハイトールワゴンが多数を占める市場でエッセが比較されると、どうしても狭いと思われてしまう。



MRワゴンほどモデルチェンジ毎にコンセプトが代わるクルマも滅多にないだろう。軸はブレブレであるが、どれもコンスタントに売れつづけたのだから驚きだ。まあ、一番の買い手は日産かもしれないのだが。

さて、改めてこの新しくなったMRワゴンを見てみるとなんともいえない不思議な気持ちになる。第一印象としては、「かわいい」かもしれない。でも可愛さだったら先代の丸っこいフォルムの方が文字通りだし、自分でもなぜそんな気持ちが芽生えるのかよく分からない。きっと、ヘッドライトのデザインは「ぶさ猫」からの流用だろう。真一文字のグリルに泣きボクロのようなウインカー。なんとも愛くるしい。全体的にポケモンというかアニメキャラクターに通ずる魅力がある。しかも、生き物感が出すぎていないところがいい。適度に現実味を帯びているのだ。

ただの「家電」だった軽自動車が「デザイン家電」に昇格した瞬間だ。無印やSMEGの冷蔵庫のような。この類のクルマは家電というか道具でありつづけなければならないからね。ユーザー側から考えれば、の話だけど。


「MRワゴンなんて背が高いし、走りは期待できないよ」
なんて言う人がいるかもしれない。きっとマクドナルドの100円コーヒーをマズイと評価しているはず。マクドナルドに味を求めるなんて、100円に満足以上のものを求めるなんて、ナンセンスにも程がある。欲張りな人には是非ともワゴンRスティングレイやゼストスパークのようなキラキラワゴンをお勧めする。自分が一番偉くなったような気分になれるからね。もちろん、「井の中の蛙的な何か」なんだろうけど。



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2 コメント

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Unknown (LATIO)
2011-03-21 20:04:33
ガラパゴス化・・・元々はマイナスイメージの強い言葉でしたが、いつの間にか良い意味で捉えられるようになってしまいましたね。
シャープからも同名の端末が出ていて、「これは開き直りか!?」と驚いたものです。

1枚目の画像はTopGearのお二方ですか?
テントの中に複数のボトルとは、一体なにをしようとしていたのでしょうね・・・w

MRワゴンのコンセプトは毎回変わっていますね。
3代目はシンプルなデザインですが、最もサイドラインに抑揚が無いなぁ、とも感じてしまいます。
CMでも、タッチパネルのオーディオを必至に宣伝する辺りも、ガラパゴス化してますよね。
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LATIOさんコメントありがとうございます (X5)
2011-04-15 22:10:07
画像はTopgearのあの二人、北極でのワンシーンです。

軽自動車は海外に輸出したりする予定も特にありませんし、まさに日本だけのガラパゴス市場といってもいいでしょう。それだけに日本車つくりの根底が見えておもしろいものです。今回のこのMRワゴンも見るからにガラパゴスでおっしゃる通り、あのタッチパネルなんかその良い例でしょう。

軽自動車においてはどんどん日本人のためのクルマ作りを各メーカーには期待したいところです。
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