【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

陛下、詔書を発布 第184回臨時国会は2013年8月2日(金)、東京で召集

2013年07月31日 07時13分40秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]先の通常国会の開会式でおことばを述べられる陛下、宮内庁ホームページから。

 天皇陛下は詔書を発布され、第184臨時会(第184回臨時国会)を2013年8月2日(金)、東京に召集されました。これは憲法第7条、国会法第1条にくわえて、国会法第2条の3にもとづきます。




 「参議院議員の通常選挙が行われたときは、その任期が始まる日から30日以内に臨時会を召集しなければならない」とあり、7月29日(月)から30日以内に国会を召集しなければならないという、いわば立憲主義に陛下がしばられており、詔書を発布されたことになります。

 ところで、「東京に召集する」とはどういう意味でしょうか。

 先の通常国会で、民主党の大西健介さんが次のような質疑を、鬼塚誠・衆議院事務総長とかわしています。

 「国会の召集詔書を見ると、○月○日に国会の常会を東京に召集するというふうに書いてありますけれども、東京以外での召集というのが理論上可能かどうかについて確認をさせてください

 「帝国議会時代ではございますが、実例はございますし、東京を別の都道府県にかえるということは、当然、可能でございます。ただ、東京で開く場合におきましては、例えば立川で開くとか、そういうことについて検討の対象になるかと思いますが、国会議事堂という、議会として活動するための施設がございますので、東京で開くということにつきましては、当然、国会議事堂で開くということになるんじゃないかとは思います。」(衆・決算行政監視委員会第一分科会 2013年6月21日(金))

 このように、鬼塚事務総長は、東京以外での国会召集は可能だとしながらも、「東京で開く」とは「国会議事堂で開く」という意味だとの認識を示しています。

 実は、東京を首都とする法律はありません。

 陛下のあまりにも偉大な曾祖父、明治天皇が1868年7月17日に、「江戸は(略)よろしく親臨以てその政を視るべし。よって自今江戸を称して東京とせん、これ朕の海内一家、東西同視する所以なり」との詔書を発布されています。これは、京を西(京都)と東(東京)を同一視し、江戸で政治をする、という意味にとれます。正直、あいまいで解釈は分かりませんが、このように陛下が江戸に引っ越され、王政復古後の政治をなさるために、「江戸を東京とせん」とおっしゃったことから、遷都したと考えられています。この最大の理由は、籠から、人力車・馬車など車輪の時代に応じた都市計画は、京都・大阪(大阪)では狭いので、土地が広い江戸・東京に移すという経済計画が念頭にあったと考えられます。(参考文献・土岐寛『東京問題の政治学』) 。

 このように法律にないことを、官僚が解釈する官治政治が日本で続き、現行憲法でも、各府省の活動を国会が歳出額でしばる「予算」を天皇陛下が公布しないのに、 官僚が自民党内閣のお墨付きで国民をしばる「政令」は天皇陛下が公布している現状にも引き継がれています。

 選挙があっても、国会を開かないような国は世界にはまだまだたくさんあります。

 しかし、私たちは、普段気にしていなくても、なかば「自動的」に、選挙後の国会を天皇陛下が詔書という実に透明な格好で、誰でも読めるインターネット官報で掲示しています。召集詔書は一人一人の国会議員に配布されず、官報への掲示で、配布したことになります。

 この国民が陛下すらしばるという立憲主義を守りながら、官僚が安倍内閣を通じて陛下を利用して政令などで国民をしばる官治政治を打破する。政治を国民の手に取り戻す。

 それができるのは、自民党と民主党の二大政党だけです。そして、野党として党再建のための黄金の3年間にのぞむ、民主党国会議員、民主党員の一人当たりの重荷はもっとも重くなったと自覚しなければなりません。 

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