【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【会期末の珍事】自民党内(甘利明・元経産相と同派閥同県連の委員長)に謎の力が働いたもよう、「海洋再生可能エネルギー発電法案」は政府提出なのに閉会中審査怠り廃案に、自民党内喧嘩はもっとオープンにやれ

2018年07月20日 19時26分17秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 「カジノ国会」の会期末のどさくさに紛れて、不思議な出来事が起きました。

 衆議院は、今第196回通常国会に政府が提出しながらも、延長しても、衆議院で審議入りすらできなかった閣法4本のうち、

 「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律案」(196閣法46号)の、

 継続審議(閉会中審査)の手続きをしませんでした。

 これにより同法案は、完全に廃案となりました。

 自民党・公明党連立政権が提出した法案のうち、衆議院内閣委員会の渋滞で審議入りできなかった

 「サイバーセキュリティ基本法改正案」(196閣法45号)、

 「成年被後見人の権利の制限の適正化のための一括改正法案」(196閣法56号)、

 「国家戦略特区法改正案」(196閣法57号)

 の3本は、本会議で閉会中審査となりましたので、次の第197回国会の召集日に自動的に議案になります。本会議では、閣法45号と閣法56号については、法案そのものではなく、継続するかしないかについて、共産党が反対。閣法57号は、立憲と共産が、法案の採決は別として、継続すること自体に反対しましたが、自公などの起立多数で、次の国会でも審議することになりました。なお、閣法57号は、きのう、内閣委ではなく地方創生特別委員会に付託されていました。

 その中で、与野党の賛成論が強いとされた「海洋再生可能エネルギー法案」が手続きを怠り、閉会中審査手続きが取られず、あさって22日(日)をもって、会期不継続の原則により、廃案になる。

 非常に不思議な出来事で、大玉ころがしのように、自民党の中の一部の有力者の何らかの意思が働いた可能性があります。

 なお、参考情報として、山際大志郎・衆議院内閣委員長と、甘利明・元経済産業大臣は、神奈川県連で麻生派(志公会)ですから、関係が深いとみられます。

 甘利明さんは議員立法「エネルギー政策基本法」の筆頭発議者で、その効果として、エネルギー基本計画の策定を政府に義務付けたことで、けっきょく、経産官僚がエネルギーミックスを決めることになり、省内が、原発族とガス族に分かれる事態を招いています。

 自民党も党内の喧嘩は、旧民主党ほどでなくていいですから、多少はオープンにやっていただきたい。

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