【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【訃報】小島千鶴子さん逝去106歳、伝説の女性経営者で戦争時の「岡田屋」社長、岡田克也さんのおば(父の姉)「雑誌エコノミスト」を読んで「ヒトラーを生んでしまったドイツのハイパーインフレ」研究

2022年05月26日 08時26分39秒 | 岡田克也、旅の途中
[写真]小嶋千鶴子さんが亡くなった翌朝の、四日市のようす、宮崎信行撮影。

 太平洋戦争中に「岡田屋」の代表取締役をつとめ、ドイツ戦間期の「ヒトラーが生まれてしまったハイパーインフレ」の研究から、旧日銀券を携え一人でリヤカーを引いて名古屋に行き、すべて商品に引き換えて四日市に帰り、戦争による物資不足に陥った四日市市民が新日銀券を携えて競うように商品を「岡田屋」で調達し、呉服屋から年商8兆円(岡田屋・フタギ・シロ3社合併)の商品流通会社の礎をつくった伝説の女性経営者、小嶋千鶴子さんが106歳で亡くなったことが分かりました。
 
 東京新聞が報道し、直後に、おいで元副総理の衆議院議員・岡田克也さんがブログで発表しました。

 小嶋千鶴子さんは、先週2022年5月20日に亡くなりました。葬儀・告別式は近親者のみで既に執り行われました。

 小嶋さんは、毎日新聞社の週刊誌「エコノミスト」を耽読し、ドイツが第1次世界大戦で負けた後に、ハイパーインフレとなり、その影響で独裁者アドルフ・ヒトラー率いるナチス国家社会主義ドイツ労働者党が政権を握ったことを、ほぼリアルタイムで把握。太平洋戦争敗戦濃厚となった日本も同様な運命をたどりそうだと察し、東京・早稲田大学から鹿島灘の海岸で塹壕堀の労役をしている弟・卓也に代わり、旧・日本銀行券をすべて名古屋で商品にかえてリヤカーで帰着。物不足の人が岡田屋呉服店で日用品を買い求めました。軒先の大繁盛を見つつ、わずか数か月で社長の座を東京・早稲田大学商学部在学中の弟に譲りました。

 この経験から、岡田卓也さん(96歳)は「小売業の繁栄は平和の象徴だ」としています。小嶋さんは卓也さんに社長を譲った後も、イオン常務として幹部に「今どんな本を読んでいる」と指導したと伝えられています。

 岡田克也さんは今朝のブログで「経営者としての活躍は私にはわかりませんが 」「私の名前克也は、千鶴子さんが名付け親だと聞いています。人に勝つのではなく、自分に克ことが大切だ、との意味だと聞かされました。公私の混同は絶対にしない、何事も計画を立てて先の見通しをもって着実にすすめ、読書と勉強を怠らないなど、今の私の人生の基本となることは、千鶴子さんから教えられました」と振り返りました。

(当ニュースサイト内関連記事 2018年11月30日付「[書評を兼ねて]「イオンを創った女 評伝小嶋千鶴子」で岡田克也さん「叔母は勉強家ですよね、第1次世界大戦後のドイツの超インフレを分かっていて、残っていた旧円を名古屋で商品に替えてきた」

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