【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【公選法】告示・公示後の支援者が他の有権者に送る電子メールについての動向

2011年05月30日 10時54分46秒 | 大縄跳びの内側から


 公職選挙法(公選法)の第142条に定められた「文書図画の頒布」(ブンショトガノハンプと読みます)は選挙を闘ううえで、もっとも頭を悩ませるルールでしょう。

 これは公示・告示後の選挙運動期間中はもとより、当選(落選)後のお礼文書、もちろん選挙(解散・公示、告示)以前の日常活動中もしかりです。

 さて、このほど、当選した新人知事の告示後の選挙運動期間中の、支援者が有権者に送った電子メールについて、某県警察本部捜査2課が、支援者2人を、公選法違反(法定外文書頒布)の疑いで書類送検しました。今後の検察の判断、あるいは、裁判を見守りたいところです。

 複数の報道によると、4月上旬の知事選告示後の選挙運動中に、新人のA候補者(現在の知事)の支援のために、候補者と同い年の経営者であるB社長と、C社長が、複数の知人にA候補支援を呼びかける電子メールを送ったそうです。報道では、PCメールかケータイメールかは不明です。

 そして、このメールの内容は、全文をみたいところですが、そうすると、この県の地裁まで初公判の冒頭陳述の傍聴に行かないと分からないのが残念です。が、報道によると、メールの中には「「この人しかいません!若い36歳!当選したら史上最年少知事の誕生です!」と書いてある部分があったようです。また、このメールなのか、それとも別のメールなのかは定かではありませんが、「知事選に出ている他の新人候補者は、『犯罪者』です」という趣旨の内容が含まれたメールもあったようです。

 このため、告発状が出ているようで、捜査2課が書類送検したそうです。なお、告発状が出た場合は、警察は検察にその書類を送らなければいけないハズです。

 今後、気になるのは、「あす事務所開きがありますので、よかったら来ない?」、「急遽、あの有名な○○さんが応援弁士に来ることになりました。あすの午後7時に駅西口ロータリーです」、「もう期日前投票行ってくれた?」などといった事務連絡がどうなるか。おそらく違法とはならないと思いますが、選挙戦を組み立てていく中で、どの党派に限らず、戦術をよく話し合うことになるでしょう。

 そして、今後、判例として気になるのは、「ぜひ今度の選挙に行きましょう。→こちらもクリックしてね!」と告示・公示直前まで更新してある、候補者、政党、その選挙では候補者ではないが他の選挙で選ばれた現職政治家らのホームページ、ブログ、ツイッターなどのアドレスを貼り付けて、メールをする行為がどうなるか、というところです。この辺は、総務省選挙部としても、ハッキリとした見解を出してほしいところだと思います。

 今後の推移を見守りたいですが、やはり、「頼むよ」のヒトコトで、誰を頼んでいるのかが分かってくれる、そういう信頼関係と、ふだんから政治の話をタブーにしない。そういったものを、私たち有権者も持っていきたいと考えます。そして、議員、候補者、候補予定者も同様です。

 さて、本来ならエントリーを改めた方がいいのですが、あくまでも、当ブログは小生の雑記帳でございますから、けさの某党の機関誌に印象的な記事があったので、ご紹介したいと思います。この党の党首(国会議員)が、関西の党所有施設で「関西新人議員研修会」を開いたという記事。この党では、統一地方選では、関西で府県議選で1敗するということがありましたが、他の候補者は、現職も含めて、前半戦・後半戦とも全勝しています。そして、党首は、あいさつで「きょうは関西圏でも台風2号の影響で、大雨、洪水警報などが発令されています。(研修会が終わった)午後からは地元に戻り、住民のために全力を挙げよう」と切り出し、「議員の基本はまず気象情報を確認することだ。それは住民の生命、財産がかかっているからだ」と述べました。ホントウにその通りです。そして、先輩市議の活動報告では、市民相談の経緯も含めてすべてをノートに記録しているので、複数回、相談に来た人に「前はこんなことがあり、こう解決できましたね」と声を掛けている、とのことで、そういた細やかな心配りがタイセツであり、問題解決能力を磨いていくことになる、としています。まさにその通りです。私には、それはとてもカンタンなことのように思えますが、なかなかそれがカンタンでない議員もいるようです。それができない人でも当選している場合はありますが、連続して当選するのは厳しいでしょうね。いろいろな人を見てきましたから、それは確信的に言えます。

[当ブログ内関連エントリー]

 なお選挙で負けないためには、次の当ブログ内エントリーも参考になると思います。必ず、現在の、公選法や公選法施行令、総務省や各自治体の選挙管理委員会の通達、裁判判例、最近の警察の裁量の動向などを確認して、自己責任で行動してください。例えば、他選挙区の自治体の選挙管理委員会に一般論として電話で聞いたりするのが便利です。

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