【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

79日間延長、2012年9月8日(土)まで 第180通常国会 229日間に(解散の場合は早期終了)

2012年06月20日 18時56分47秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 第180回通常国会は2012年6月21日(木)までの会期を79日間延長し、2012年9月8日(土)までとなりました。

 会期は229日間で、昨年の第177通常国会(震災国会)の220日間を上回ることになりました。

 民主党の城島光力・国対委員長が自民党、公明党などに伝えました。会期の延長は1回までで、衆議院の優越規定があるので、衆議院多数派である民主党の方針が国会の議決となります。

 通常国会の会期が229日間となるのは、鈴木善幸内閣の第96回通常国会の244日間に次ぎます。第3次吉田茂内閣の第13回通常国会は235日間でしたが、これは5回にわたって五月雨式に延長したもので、国会法改正につながりました。ただし、第96回通常国会も年末召集で1ヶ月近い「自然休会」があった時期です。議会制度百年史(衆議院・参議院編)の「国会史(下)」によると、第96回国会は12月21日召集で、22日に院の構成を終えて自然休会。翌年1月25日に開会式、政府4演説をしていますから33日間の自然休会がありました。

 ですから第96回通常国会は244日間の会期でも自然休会を除くと211日間でした。第180通常国会の229日間は実質、最長の通常国会といえそうです。最長の国会は第2次田中角栄内閣の第71回特別国会の280日間。


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第169通常国会6日間延長、6月21日が会期末

  延長国会は、社会保障と税の一体改革修正法案(民自公提出)と平成24年度特例公債法案、改正区割り審設置法・公職選挙法の成立が必須。このため、日本国憲法60条にもとづく「衆院で可決した法案を参院で否決した場合に参院送付後60日後以降に衆院の3分の2以上で再議決すれば法律として成立する」という60日ルールを会期内に使うためには、7月11日(水)までの衆院本会議での可決が必要になります。

 政府・与党首脳は一体改革を確実に成立させる意思を示したと受け取れます。直近の民意である衆参ねじれのもと、小沢グループ(小沢一郎会長)と参議院自民党(中曽根弘文会長)の妨害により法案審査が大きく遅れています。責任政党と有権者はは力強く、この国会で小沢グループを成敗しなければいけません。
 
 延長国会は同時に「議連方式」による全会一致での議員立法のチャンスにもなります。今国会は閣法の成立率は最低ですが、衆参ねじれの下、委員長提出の衆法、参法の成立件数は多い状況にあります。

 内閣法制局のホームページによると、今国会召集後の新規提出法案は閣法が82本で21本が成立。前国会以前に提出した継続審査法案は23本中3本成立。衆法・参法は新規提出50本のうち11本が成立しています。閣法24本に対して、衆法・参法が11本成立しているのは対比としては異例。衆参ねじれの熟議のもと、議員立法が増えています。小沢グループも、口だけでなく、法案を出したらいかがでしょうか。

 府省によっては、事務次官など幹部級職員の人事異動が9月にずれこむ可能性があります。

 小沢グループにより、労多けれど実少ない国会になって、とても残念です。

 衆議院が解散された場合のみ、9月8日より早く会期は終了します。

 その辺のことは、今後の政治日程でお伝えしていきます。

 野田さんは信じた道を一歩一歩前に前に進むしかありません。

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