【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

中野寛成委員長で衆院社会保障と税の一体改革特別委員会がスタート 理事も実力者揃い

2012年04月26日 19時08分41秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 いつだって泰然自若と思いながら、きょうは本会議後に「社会保障と税の一体改革特別委員会」が開かれたことを数時間見逃しておりました。私としたことがどうしたのでしょうか。

 衆議院規則第101条第4項に「委員長が選任されるまでは、年長者が委員長の職務を行う」となっています。そして、国会法第45条により、「特別委員長の互選は、推薦による」となっています。国会史上、特別委員長が複数人の選挙になったことはありません。

 このため、民主党の渡部恒三さん(79)が議事をしました。


 和田隆志さんの推挙で中野寛成さんが満場一致で選ばれました。ちなみに15年間の野党時代の民主党で最高の官職は衆議院副議長でした。それを恒三さん、寛成さんと引き継ぎましたが、あの第44回郵政選挙終了後に、福島県警や大阪府警から、2人の選挙事務所(恒三さんは当選、寛成さんは落選)は家宅捜索されています。そういう風に考えると、福島県警や大阪府警というのはとても偉い役所だなあと感じますよね。まあ、余計な話をしてすいません。

 中野寛成・衆院一体改革特別委員長はあいさつで「少子高齢化をはじめ、社会経済情勢が変化する中、国民生活の安定と安心を実現するためには、社会保障の維持・充実、子ども子育て支援、そのための安定財源の確保、また財政健全化への問題など我が国がかかえる諸課題への対応が求められています。こうした状況のもと、委員長として当委員会の重要性を認識するとともに委員各位のご理解、ご協力をいただきまして、公正かつ円満な委員会運営に努めていきますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます」。

 この後、委員長が理事を指名。民主党から鉢呂吉雄さん、武正公一さん、古本伸一郎さん、松本大輔さん、和田隆志さん、自民党から伊吹文明さん、逢沢一郎さん、公明党の西博義さんが選ばれました。

 鉢呂さんは郵政国会のときの民主党国対委員長で、ことしの通常国会では予算委員会筆頭理事として本予算を仕上げました。野党理事の協力もあり、閣僚の外国出張がしやすい環境をつくりました。民自公修正の経験はないと思いますが、小沢一郎幹事長時代に衆院厚生労働委員長して各会派をまとめて法案を起草するなど議員立法の技にも長けています。

 武正さんは、この日の午前中に、参院総務委員会で民自公実務者(法案提出者)として、「郵政見直し法案」(180衆法6号)を仕上げたばかりでした。あす成立です。

 古本さんは、衆参ねじれの昨年の特例公債法案採決に向けて、衆院財務金融委員会筆頭理事として自民党とねばり強く交渉し8月に成立にこぎ着けました。何よりそれに至るまでのプレッシャーに耐えたことが特筆に値します。同じ民社協会員である中野委員長の懐刀です。ただ、意外と古本さんは民自公修正実務者の経験はないようにも感じます。

 松本大輔さんは、国対副委員長でコツコツとやっています。修正実務はおそらくないのではないかと思いますが、縁の下の力持ちです。

 和田隆志さんは、衆院財務金融委員会の理事を複数回務めており、財務省出身でもあり、実務面でも期待できます。たしか金融庁関係の法案の修正にも取り組んでいたように記憶しています。

 自民党の伊吹文明筆頭理事は、党税制調査会の顧問ですし、谷垣禎一総裁を京都仲間でシッカリと支えています。万年筆をとって法案を書くのが好きだとも聞きますから、期待できます。財務省出身です。

 逢沢さんは昨年の自民党国対委員長のうえ、谷垣総裁とは互いに父の代から同じ宏池会ですし、シャドウ首相補佐官でもあるので、迅速な審議に対応してくれると考えます。

 公明党の西博義さんは、今回のメンバーでは珍しく本籍地は総務委員会で、昨年来の地方税制・震災特別立法での民自公修正の扇の要として存在感を増しています。

 まだ委員名簿は入手していないし、ホームページに載っていませんが、45人の委員の中には、まだ選挙地盤が安定していない1期生も多いです。かなり拘束時間が長い委員会です。衆院通過から、1ヶ月以内に衆議院解散になる可能性が「小沢無罪」で高まりました。どうか、この委員会に参加している委員は、運動部選手が地区大会に行ったとき授業に参加していたことになる「公休」というのがあると思いますが、地元行事も特別に「公休」として国のために送り出す。地元有権者のみなさまのご理解、ご協力いただくようお願いします。

 審議は連休明けの5月7日(月)以降の予定。その時点で会期末まで6週間と4日間しかありません。一体改革関連法案には継続審査はありえません。会期末当日の灼熱の照り返しにめげずに走り抜いて成立させて欲しいと考えます。3・11の閣僚(国家公安委員長)だった寛成さんですが、典型的な議会人。「党の政策責任者(民社党政審会長)」になったのは20年以上前のこと。その名の由来の中野正剛(せいごう)は前回の国難(太平洋戦争時)の最後、不首尾な人生となりました(遺書を残さずに自殺)。すでに永年勤続表彰の肖像画は衆議院に飾られている寛成さんですが、しっかりと一体改革法を仕上げて、憲政に名を残してください。当ブログも命がけで、一体改革の今国会成立を期します。もう私今第180国会はこれだけに絞って、と言っていいほどまっすぐにひたむきに取り組んでいきます。



 平成24年4月26日(木)、衆院一体改革特別委員会がスタートしました。明日への責任を果たすために、一歩も後ろに退くことは許されません。良識ある国民はもっと前に出て、必ず一体改革を実現しましょう。

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