【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【1/25】菅首相「のどがいたい」と語りながらも「なぜ党首会談をやらなかった」批判に「やるのはやぶさかではない」と応じるなど7時間質疑をのらりくらりと乗り切る、地方交付税法改正案も審議入り

2021年01月25日 17時29分54秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]参議院別館(左)と衆議院第二議員会館(右)きょねん10月、宮崎信行撮影。

 「宮崎信行公式ホームページ」のデザインなどをきれいにしました。

 7時間コースでしたが、ストップ無し。1分程度押しただけだったようです。菅首相はのらりくらりと乗り切った印象です。

 本会議のようすから、予算委員会ではぶっ倒れてしまうのではないかとひそかに心配していましたが、「のどに痛みがある」(小川淳也さんへの答弁)ためか、かすれていましたが、乗り切りました。

【衆議院予算委員会 令和3年2021年1月25日(月)】

 「今年度第3次補正予算案」は先週末の趣旨説明とあわせて、きょうで審議2日目。そのうち、基本的質疑1日目となりました。

 過去8年間の第3期自民党与党期では異例となるトップバッターが1時間。後藤茂之・政調会長代理が質問。そのうち42分間がコロナ。当選6回の後藤さんは「自民党も新型コロナウイルス対策本部をつくり、幅広い人に聞いてきた」としました。「特措法改正案」(204閣法6号)について「新型コロナ政府与野党協議会での、野党の意見も聞いている」とテレビ向けに強調すると、野党席から激しい野次が飛びました。

 2番手は総務省出身で衆議院議員として国土交通が多い、上野賢一郎さんで「旅館ホテルへの一時金が必要だ」と訴えました。防災減災の質問で菅首相は「視察して、令和元年第19号台風での荒川流域のすさまじさを体感した。全国のダムの事前放流に3年間かけて力を入れることにした」と官房長官の時代の霞が関の押し引きを実績としてあげました。

 自民党神奈川県連の牧島かれんさんは「質問通告を早めにして、その時刻を公表している」としました。平井デジタル相は「デジタル庁は菅内閣の規制改革の象徴であり、成長戦略の柱だ」と述べました。預金口座へのマイナンバー付番についてデジタル相は「平成27年改正法で、31年3月から預金口座へのマイナンバー付番が始まっている。実効性を高めるため、首相主催の閣僚会議を設けた」とし「誤解があるようだが、資産を勝手にのぞいたりするようなものではない」としました。この後、藤原崇さんが農林水産、地方創生、復興について聞きました。

 公明党は、福岡・沖縄から神奈川6区に転出する遠山清彦さんが質問し、既に記事化した通り、首相(神奈川2区)が前向きな答弁をして、横浜自公選挙協力の強化をにおわせました。さらに、遠山さんは「河野ワクチン相は令和の運び屋を自称しているが、先週は副長官と情報の整理ができていなかったのではないか」とし、河野太郎さん(神奈川15区)と坂井学さん(神奈川5区)の連絡が悪いとしました。ワクチンの確保時期は、きょねん8月のまとめで「2・4億回分の6月末確保をめざす」とあり、首相は「めざす」という答弁で本部決定に戻しました。

 野党は、江田憲司さんで、こちらも神奈川8区となります。江田さんは、3・11の日に当時の菅直人代表(民主党代表)から与野党党首会談を求められ、みんなの党幹部として出席したことを明かしました。また、きょねんの特措法でも、安倍晋三総裁が枝野幸男代表に党首会談が求められたとし、なぜ、「与野党党首会談を呼びかけなかったのか」と迫りました。これに対して、菅さんは「党首会談をやるのはやぶさかではない」と素直な受け答えをしました。実際にはあすあさって、内閣・厚労の筆頭理事ら4名が協議する見通し。

 長妻昭さんは「自宅療養中の人もテレビで見ているかもしれない」と想像力を働かせるよう促しました。小此木八郎国家公安委員長は「コロナによる変死は、11月は10件、12月56件、1月は20日までで75件だ」と答弁しました。長妻さんは「8割おじさん」こと西浦博・京大教授を参考人として呼ぼうとしたところ、与党が「民間人だから」と拒んだと明かしました。

 岡本あきこさんは「菅首相、金田勝年委員長と同じく、秋田県に住んでいたことがある」とし、豪雪の除雪などへの対策を評価しました。今井雅人さんが「緊急事態宣言が遅かった」との追及に対して、菅首相は「結果的かもしれないが、今振り返るとあのとき、こう判断していればよかった、というのは出てくるかもしれない。しかし、1月8日の時点で、緊急事態宣言を出すべきだと自分が判断した」と答弁しました。やはり菅さんは心が強いと思います。後藤祐一さんは「ここまで質問が出なかったがバイデン新大統領で何が変わるか」と問いましたが、菅首相は「首相が代わっても、いや、大統領が代わっても、何も変わらない」としました。4ー5年前に安倍晋三さんがテレビの開票速報に釘付けになり、就任前にニューヨークまで飛んでいったのとは様変わりの様相でした。

 あすも午前8時55分から。午前9時から、立憲民主党結党に参画した、長野1区の篠原孝さんが質問。

【衆議院総務委員会 同日】

 「第3次補正予算案にかかる地方交付税法改正案」(204閣法1号)が午後5時10分から審議入りしました。質疑は2時間コースの予定。注目されながらも、予算委員会では一度も答弁がなかった武田良太総務大臣が「国税5税の減収を見込んだ2・6兆円の減額補正により、一般会計から同額を加算する」「償還を繰り延べたり、減収補てん債を新規に発行した利する措置をとる」と法案の趣旨を説明しました。

 野党も法案の趣旨に賛同する見通し。立憲民主党の神谷裕さんは「後年度負担が分かりやすいように、しっかりと見通しを示してほしい」と述べました。そのうえで「ワクチン接種の矢面に立つのは自治体だが、不安の声も聞いている」とし国の準備状況をただしました。

【参議院 同日】

 なし。

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