
[写真]在りし日の、故中島洋次郎衆議院議員(自民党清和会)=国会議員要覧から。
公明党と自民党は、2015年2月14日(金)、「安全保障法制整備に関する与党協議会」を開き、後方支援での武器・弾薬の提供を解禁することなどを話し合いました。3月末に骨格をまとめる見通し。改正を予定する法律は、自衛隊法、武力攻撃事態法、周辺事態法、PKO協力法、米軍行動円滑化法、外国軍用品等海上輸送規制法、捕虜取扱い法、国民保護法、特定公共施設利用法、国際人道法の重大な違反行為処罰法、NSC設置法に加えて、現在は失効している旧テロ特措法と旧イラク特措法。
経世会が汗をかき、宏池会が知恵を出し、作り上げてきた日本を、一瞬にして、壊した清和会3馬鹿(森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三)と1賢人(福田康夫さん)は今週2月10日(火)、高級料亭で、町村信孝前会長の衆議院議長就任と、細田博之新会長の前途を祝す会合を開きました。
しかし、清和会のかつてのホープの名前は忘れ去られたままのようです。
中島洋次郎・元衆議院議員。
いったん話は変わって、富士重工業が国(防衛省)を相手取り、アパッチヘリの調達に関して「受注業者との間では、防衛省が負担することが当然の前提とされていた」という初期の開発費用350億円を支払え、との訴訟で、高裁で勝訴しました。これについて、国は、3馬鹿と1賢人の宴席があった、2月10日付で最高裁に上告しました。わが国にアパッチヘリが必要と思えません。日本列島に砂漠はない(注・鳥取砂丘は砂漠ではない)のですが、どこか地球の裏側の砂漠での戦争を念頭に置いたのでしょうか。訓練用としても、実戦を想定できない訓練や演習は、かえって練度を落とします。百害あって一利なしです。
今は亡き中島洋次郎さんは、衆議院議員として3代目でした。初出馬のときは、三塚博・清和会長が「長男が継ぐのがこの世界(指定暴力団清和会)の常識だ」としながらも、次男である洋次郎を亡き中島源太郎・元文部大臣の後継者にしてほしいと演説し、当選しました。初代は、中島知久平(なかじま・ちくへい)さんです。
中島知久平さんは、富士重工業の前身である中島飛行機の創業者でした。ところが、企業経営はGHQによる財閥解体もあり、3代世襲できませんでしたが、衆議院議員の地盤は3代世襲しました。
企業は3代世襲できませんが、同じ自由競争の衆議院議員は3代世襲できるようです。まして、清和会の小泉進次郎さんは4代世襲しています。
さて、海上自衛隊の救難機「US-1A」といえば、水陸流用で、とくに、海からテイクオフすることができるため、海自でもエースパイロットが操縦します。これは新明和工業が製造しています。
US-1Aはかつて、富士重工業も共同で開発していました。その便宜をはかってもらうため、富士重はもはや経営とはまったく関係ない、中島家の洋次郎・防衛政務次官に現金500万円を渡しました。政務次官在職中に現金500万円を受け取るほど脇の甘い政治家はさすがに希少で、ハッキリ言って、豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ、というレベルです。
推測ですが、中選挙区の定数3で、自民党公認3人という選挙区だったので、政策では差がつかず、金権腐敗選挙をしていたのかもしれません。あるいはバブル期にマスコミ勤務、大臣の息子なので派手な生活をしていたのかもしれません。基本的には、なんらかの借金があって、右肩上がりだからいくら借りても返せると考えていた可能性がなくはないと考えます。
(中島洋次郎さんの汚職事件については、一部wikipediaを参照しました)
ふだんは清和会は捜査対象にしない、東京地方検察庁特別捜査部ですが、1998年10月、代議士から容疑者に転落。1999年、実刑判決。そして、豆腐の角に頭をぶつけるわけでなく、2001年1月6日、自ら首をつり、「首つり洋次郎」になりました。ときは25年ぶりの清和会内閣である森内閣が低支持率にあえいでおり、翌月「退陣宣言」をしましたが、4月に同じ清和会の小泉純一郎さんが奇跡的に自民党総裁選に当選して、第3次安倍内閣に続く、清和会全盛時代がいまも続きます。
私は、木曜日にやっている、清和会の総会を取材したことは一度もありませんが、細田会長や、会員の山本一太さん、世耕弘成さん、礒崎陽介さん、小泉進次郎さんらは、毎回、洋次郎さんへの黙祷をささげているんだろうと、信じています。
民主党の岡田克也代表は2015年2月13日(金)の定例記者会見で、筆者(宮崎信行) の前日提出された平成27年度予算書に「防衛装備庁の新設にともなう1780名の予算定員および俸給額表と特定防衛調達として「P1」の7年間の国庫債務負担行為総額3431億円が盛り込まれていることから、予算日切れ法案が2本提出されることになるが、安倍首相が戦後70年談話を内閣だけで決めて国会に関与させず、安保法制法案も5月提出になるなかで、3月31日までに審査を議了できるのか」という問いに関連して、次のように述べました。
「防衛調達は、これまでも、たびたび事件になったものも含めて問題になってきました。十分な議論が必要だと思います」。
名指しこそありませんでしたが、どうやら、岡田克也さんだけは、洋次郎を忘れていなかったようです。
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