【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「普通の言葉の通じる政治」は程遠く、委員長手当(議会雑費)全廃法案はあす成立のはこび

2023年06月20日 16時30分59秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
 羽田孜は、30年前、新生党結党にあたり、「普通の言葉の通じる政治」を基本姿勢にしましたが、これは北信東信(長野3区と1区)100万人の民度が高いから、東京生まれの羽田さんがマイクで話せば実現しただけで、日本人1・2億人は数学力と合理性がないから実現は難しいと思います。長野3区と1区は、その後の30年間で、新幹線駅が0から5になり、高速道路が2本あり、オリンピックが開催され、小学校も統合されていません。

 旧文通費の改革は何もなく会期があす終わります。委員長手当の全廃も会期切れと思いきや、日本維新の会の支持率が、第20回統一地方選後も上がっていることを見てか、成立の公算となりました。

【衆議院本会議 きょう令和5年2023年6月20日(火)】
 議会雑費(常任・特別委員長手当一日6000円、特別委員長は会期中のみ)を恒久的に全廃する「歳費法改正案」(211衆法 号)と「裁判官弾劾裁判所法改正案」(211衆法 号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。

 地方議会には委員長どころか副委員長手当までありますので、私は議会雑費の恒久全廃が「身を切る改革」のように思えない面もあります。しかし、第20回統一地方選後半戦の区議選で自民党60代以上男性現職が数人単位で落選しており、維新の支持率も伸びていることから、最終日の成立で与野党現職が歩み寄ったのでしょう。

 ところで、地方議員が委員長手当も含めた所得税確定申告を議会事務局に任せているところが実在しますが、同居扶養親族全員の医療費の領収書を渡している政治家は資質に悖ると思いますが、どう思いますか。

【参議院財政金融委員会】
 「休眠預金活用法改正案」(211衆法25号)が可決しました。

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「第212回秋の臨時国会」がことし令和5年2023年秋に必ず開催へ 「金商法改正案」の「令和6年4月1日に施行します条項」は参議院で継続調査

2023年06月20日 05時31分42秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]金融庁の入る合同庁舎、8年前、宮崎信行撮影。

 第212回臨時国会が、令和5年2023年秋に開かれることが確実となりました。

 与党は、あす会期末の第211回通常国会で、「金融商品取引法改正案」(211閣法56号)と「社債株式振替法改正案」(211閣法57号)の成立を断念し、参議院財政金融委員会にとめおく方針を固めました。衆議院では一括審議されましたが閣法56号は自公のみ賛成で57号は全会一致という珍しいケースの突貫工事で参議院に送られましたが、間に合いませんでした。次の国会では参議院先議となり、再び両院での審議・採決が必要となります。

 211閣法56号の多くの改正条項は「令和6年4月1日に施行する」と明記されていることから、参議院での審議は今年秋から始めないと、成立が間に合わなくなります。

 政府は予備費を年5兆円つけています。8年前に震度7の地震が起きた際の第1次補正予算が0・7兆円でしたから、今年度は天変地異が起きても補正予算案は必要ないと考えられます。

 秋に臨時国会を開催することは、岸田文雄さんの念頭にあると判断して、今国会の延長なし、金商法改正案の先送りが決まったと思われます。

 野党は秋の臨時国会で、内閣改造後の、新閣僚での予算委員会や所信的あいさつを求めると思われます。成立済みの防衛力強化基金3兆円の運用やこども予算3兆円の6兆円や、与党のみが扱う6月の骨太の方針、8月の概算要求、11月の税制改正で厳しい攻めが予想されます。

 金商法改正案があるため、岸田さんの臨時国会冒頭解散は難しいことになりそうですが、特別国会もあるし、自民党証券議員連盟会長を長くつとめて業界を「グリップ」できるかもしれないので、金商法改正案が今後の政局の底流として頭の片隅に入れた方がよさそうです。

 以上です。