【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

JIS規格の工業標準化法改正案2018年通常国会に提出へ 工業だけでなくサービス・品質など加えて産業標準化法に【追記有】

2017年08月24日 13時24分15秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]経済産業省、2015年7月、宮崎信行撮影。

 「工業標準化法を改正し、産業標準化法とする改正法案」が、平成30年2018年通常国会に提出される運びとなりました。

【追記 2018年5月23日】

 「産業標準化法」は、きょうの参議院本会議で成立しました。施行日は、今後の閣議で政令で決定しますが、来年2019年になるとみられます」

【追記おわり】

 「JIS(ジス)日本工業規格」を、鉱工業だけでなく、サービス業にも広げて、日本産業規格にする、抜本的な改正法案になります。

 前年に、「産業構造審議会・産業技術環境分科会・基準認証小委員会」がとりまとめた、「新たな基準認証のあり方について」を基に法案が作成される見通し。前年夏のパブリックコメントで寄せられた意見も取り込んだ形になると思われます。

 鉱工業分野に対応するJISですが、前世紀終わりから、品質保証の国際標準規格「ISO9001」(アイエスオーきゅうせんいち)、環境マネジメントの「ISO14001」が出てきました。一時は認証獲得ブームが起きました。これらの国際規格の、日本JISでの対応は一部にとどまっています。

 今世紀に普及したITサービス分野の「ISO/IEC20000」、観光及び関連サービスの「ISO13009」などサービス分野は、日本JISでは対応外で、これらの分野に広げるのが改正の主眼となります。

 経産省や政府は「第四次産業革命」という政策パッケージで、経済関係の予算・法改正を進めており、その一環となります。

 話はいったん変わります。この記事を書いている2017年8月に、「人づくり革命担当大臣」ができました。革命とは被支配者が支配者になることを言い、与党内閣の役職では奇異に感じられますが、遡ると、「第四次産業革命」という言葉が官報に載っており、この流れで、「革命」という言葉が内閣で使われるようになったようです。

 話は戻ります。基準認証はブームになります。私が日経新聞横浜支局記者として「介護施設では初めてのISO9001」ということで報じた、社会福祉法人。申請に必要だった分厚いファイルを示して取材に対応してくれた、副理事長(理事長の娘)兼施設長がことしのダボス会議に招かれた、とインターネットで見て驚きました。このようなビジネスチャンスにもつながりますが、手間をかけてとったのに宣伝効果はイマイチだったとの声も聞きます。

 サービス分野は華やかで、宣伝費も多いので、新しい日本産業規格は、飲食チェーン店で「いったんなにがおこったのか?」と思うぐらいの大ブームが起きることになるかもしれません。

 衆参の経済産業委員会は、3年前の大臣の不祥事による辞任に前後して混乱しました。その後は与野党対立は減りましたが、政策減税特別措置の根拠となる法案が8月にずれ込むなど、審議時間が長くなっています。2018年1月の通常国会にも、公正取引委員会が「独占禁止法改正案」を提出する見通しで、参考人質疑など審議時間はかなり長い委員会となりそうな気配です。

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(C)2017年、宮崎信行。

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Miyazaki Nobuyuki


やはり補正予算案に否定的な声、政府与党内政局も、財務省「経済は悪くないなぜ」公明党「年内は無理だ」

2017年08月24日 10時43分45秒 | 第194回臨時国会(国難突破冒頭解散2017年9月)


 きのうのきょうで、恐縮ですが、やはり補正予算に否定的な声が出てきました。

 ほぼ24時間前にエントリーした記事「

来月召集の第194回臨時国会に補正予算案を提出へ 平成29年度第1次補正予算案



 について、きょうの朝日新聞は

 財務省幹部は「経済は悪くない。なぜ、そういう話が出てくるのか分からない」。
 公明の政調幹部「今から年内に補正予算を組むのは無理だ」と話す。

 と報じました。かなり強い表現ぶりですから、自公の幹事長、国対委員長の「2幹2国」の総意が、官邸・財務省に通じなく懸念があります。そもそも、予算書は、その検算や印刷に、当初予算で3週間、補正予算で2週間程度が要るとされています。たとえば、31日に集まった概算要求書を前倒すというやり方をしても、間に合わないスケジュールです。

 このため、解散するためのいわゆる「人参ぶら下げ補正」ではないかとの観測も出ているようです。ただ、それ以前に、自民党公明党幹部と、官邸・財務省との政治的な交渉が必要になってきます。

 与党内政局の火種が出てきたようです。

 ただ、九州北部豪雨については、広範囲の泥の被害だけに、もっと関心を寄せてほしいとの声を、最近よく聞きます。

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食品衛生法改正案を、2018年通常国会に提出のはこび 食品リコール国一元化、HACCP法定化

2017年08月24日 09時57分33秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]厚生労働省、2015年7月、筆者・宮崎信行撮影。

 食品衛生法改正案が、2018年の通常国会に提出されるはこびとなりました。

 厚生労働省は、これを見据えて、平成30年度予算(案)でシステム構築の費用を、財務省に対して概算要求。

 法案は、先々月、2017年6月26日(月)に、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会に示された「食品衛生規制に見直しについて」のA4判4枚を元にして作成されます。

 目玉は、食品リコールを店頭だけでなく、県を通じて情報を集約して、国のホームページで一元的に情報提供することです。概算要求書に盛り込む、全国共通の届け出システムを構築し、自主回収を把握し、消費者に情報を提供することになります。

 それを以前私はこのブログで書いたことがあるような気がしますが、HACCPハサップをチェーン店に義務付け「衛生管理計画」の策定を求める条項も入るようです。条例事項を省令事項にするなど、国主導が強まりそうです。

 衆参の厚生労働委員会は、その前の秋から、働き方改革関連法案、水道法改正案、精神保健法改正案、受動喫煙防止法案を審議する見込みで、この法案が提出されても、その審議入り前に衆議院が解散される公算も、五分五分といったところでしょうか。

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