【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

労働者派遣法2015年改正法で、零細の派遣元は経営難に、派遣登録者は大手派遣元の正社員へ

2017年08月19日 18時39分13秒 | 法律の執行状況

 報道(人手不足が派遣業を直撃、倒産12%増)によると、中小零細の人材派遣業者の経営が難しくなっているようです。

 これは、帝国データバンクの情報を、日刊工業新聞社系の「ニューススイッチ」が報じ、gooニュースが集めて見出しをつけている=ポータルサイトが「アグリゲイト」した=ものです。

 稀代の悪法、労働者派遣法2015年改正法が、施行されてから、来月末で2年になります。

 ところで、上の記事に含まれる背景説明ですが、私はやや違う分析をしています。2015年改正法には、派遣元にとっては、有料職業紹介、一般派遣、特定派遣がすべて許可制となり厚生労働省の所管となる改正条項が盛り込まれていました。このため、派遣元会社の「飯の種」である、特定派遣が、大手派遣元に食われたのだろうと考えます。

 一方、最近の日経新聞報道によると、大手派遣元は、派遣登録者の正社員化をすすめるようです。この場合、登録者には一つだけメリットがあって、派遣先が無いは、派遣元から給料がもらえます。

 2015年改正法によって、わずか2年でもたらされた、問題点はなにか。

 それは、「実質正社員」として働く派遣社員が、派遣元の正社員に置き換わることで、一人一人の労働者が本来受け取れる給与が、減ったことです。

 大手の派遣元会社から派遣してもらえば、長期間にわたって、実質固定で、同じ労働者に同じ職務をしてもらえることになります。よって、正社員の地位が今よりも薄弱になり、正社員も、実質正社員も、収入は今後も下がります。

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(C)2017年、宮崎信行。

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【訃報】長島忠美・自民党衆議院議員享年66、新潟5区2017年10月22日に補欠選挙へ

2017年08月19日 07時44分33秒 | その他

 NHKニュースによると、長島忠美・自民党衆議院議員が、ゆうべ、平成29年2017年8月18日(金)夜亡くなったそうです。享年66。心より哀悼の意を表します。

 お盆シーズンですからニュースを見逃していた方も多いでしょうが、16日付で、倒れたとの報道がありました。そのときの、事務所発表のコメントは、おおかたの大人なら極めて厳しい容体だろうと分かる文面でした。とはいえ、わずか3日の出来事。驚いている人も多いでしょうし、後援者のみなさんは無念でしょう。

 長島さんは当選4期で、復興副大臣をつとめました。もともと、新潟県中越地震で、自治体全住民避難のさい、ただ一人持つ衛星電話ともに殿(しんがり)をつとめた村長さんとして、全国的に話題になりました。その後、郵政解散で、比例単独で当選。小泉チルドレンに。国会内では、素朴な村長さんのイメージではなく長くやっているベテランの先生という威厳。卒業した学校法人東洋大学の理事長も、先輩議員から受け継いでいたようです。

 長島さんは小選挙区に転じており、新潟5区選出です。このため、平成29年2017年秋の統一補欠選挙は、(2010年区割りの)青森4区、新潟5区、愛媛3区の、少なくとも3つ以上行われることになりました。9月15日までの欠員が10月第4日曜日にまとめてやることになっています。

 新潟5区は、前回長島さんが57%の得票で圧勝。ところが、生活の党の候補者(現参議院議員)も33%獲得。もともと、民進党の地盤があるところなので、民共社自の統一候補が8%のスイングをとると、勝利することになります。逆に、自民党が3勝となると、民進党代表がいきなりつまづくことになります。

 それにしても、この3選挙区。すべて自民党衆議院議員が亡くなったことで欠員が出ました。各々、51歳、66歳、61歳。体力自慢の国会議員がこれほど若く相次いで亡くなるのは異例。第47期になってから、衆議院自民党は議員会館に明らかにピリピリしたムードになっていますが、解散も近くなってくると、いろいろな心労がある、ということは断定的に推測していいと考えます。

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