このエントリーの投稿日である、平成29年2017年2月21日の時点では、「雇用保険法改正案」(193閣法3号)が衆議院で審議入りを待っていますが、早くも次の改正法案の構想が浮上しました。
これは、同日付日経新聞が報じたもので、雇用保険の対象を拡大。週合計20時間以上勤務で適用するようになり、A社週10時間、B社週10時間の兼業でも対象になるとするもの。
政府は、2018年通常国会以降に改正法案を提出する、と報じています。
スケジュール感としては、今2017年夏に有識者検討会を新設し、その後に、労政審で議論。早ければ2018年に法案提出という考えのようです。
もちろん、雇用保険の対象になる、ということは、保険料を払うことになるでしょう。
通例、給与所得者の場合は、労働災害保険料と雇用保険料を、労働保険料として天引きされます。2つの保険料が1つの費目で天引きされるのは、これが唯一。
内閣官房にある働き方改革会議や、外国人材などを活用する内閣府の特区担当、外国人技能実習生の法務省などとも協議されるのでは。
報じているのは、日経経済1面で、財務省・経産省・厚労省など経済官庁と日銀を主に報じるページ。
多少うがった見方ですが、この日の国会では、財務省・総務省執筆の税制改正法案の審議が始まり、103万円の壁などと呼ばれる、配偶者のパートタイム労働をめぐった所得税の配偶者控除の見直しで、厚労省を呼んでの審議が、与野党ともされました。これは、パートタイムで働く労働時間が増えると、社会保険料も上がり、税負担が軽くなっても、可処分所得がへるかもしれない、との懸念が与党も持っているようです。事前の部会や質問通告で、この動きを厚労省が察知していたことは間違いないでしょう。
最強官庁とよばれる財務省も、法務省から商業登記の情報が流れてくるのに、厚労省が持つ雇用保険料や厚生年金保険料のデータが財務省に流通しないことに懸念を持っているとされています。
「痛税感」が無い税、ともいわれる社会保険料負担と税負担の双方を勘案した税制の必要性が急務の課題となりつつある中での、厚労省の何らかの思惑含みの発信だ、と感じました。
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(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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