【衆議院予算委員会 平成29年2017年2月9日(木)】
29年度予算案は8日目で、そのうち一般的質疑は3日目。
2009年初当選で政務官経験の無い民進党3期ないし2期生の猛攻で、たびたび審議が止まる、史上最も熾烈な一般的質疑となっています。
ポイントは2点に絞られてきました。(1)防衛省が持つ南スーダンPKOの日報で「ジュバで戦闘があった」と繰り返し出てくることと憲法9条及びPKO協力法参加5原則との整合性(2)共謀罪について国際テロ防止条約の批准に必要なテロ等準備行為3つについて包括的なものとして立法する事実が無いとする点ーーをめぐる、防衛相、法相の答弁とその揺らぎです。
民進党の後藤祐一さん、緒方林太郎さんらの問いに、稲田防衛相は「日報に書かれた南スーダンジュバでの戦闘とは、法的な意味での戦闘では無い」としました。憲法9条の武力の行使にあたらず、PKO5原則である停戦合意も維持されているとの認識を示しました。
浜田靖一委員長の差配で、横畠裕介内閣法制局長官が答弁。「PKO協力法では武力紛争という言葉を使っているが、あえて、武力行使という言い方をしている」としPKO継続を内閣法制局がアシスト。
緒方さんは「りんごと、赤いりんご、は同じだ」と語りました。
私は大統領軍と前副大統領軍がたたかい、大統領軍が国連文民の警護に応じなかった南スーダンは、原則から外れているように思います。日本だけでなく、国連の問題もあるでしょう。
金田法相の答弁もたびたびストップ。民進党の山尾志桜里さんは「TOC条約の批准に必要なテロ準備行為の(1)ハイジャック(2)サリン等(3)サイバーの3つの穴は(現行法及び政令の改正すればいいので)埋まった」とし、包括的な共謀罪の法案については「立法事実が無い」と語りました。金田法相は、成案(改正法案の政府原案)ができるまでに、それ以外の罪が出てくるかもしれない、というたいへん厳しい答弁。
この後、共産党の高橋千鶴子理事は、法相と防衛相の答弁の祖語について精査するよう委員長に頼みながら、東北の被災者の国保受給状況について厚労大臣に問いました。
維新の井上英孝さんも共謀罪論争に参戦。維新は、法務省刑事局長も呼んでの議論をして、民進党と一線を画しました。
委員長の判断で後回しになった緒方さんの残りの質疑。ここで、法務省大臣官房秘書課長が政府参考人として登録されました。課長の答弁は異例。課長は、「大臣が記者クラブに配った文書は、私が記者ブリーフィングすることになり、事務次官に判子はもらっていないが報告したので決裁を受けている。公文書だ」と述べました。
おそらく今夜麻生財務相が訪米しますから、次回の開催は公報で知らせることにして、昼過ぎに散会しました。
【参議院情報監視審査会 平成29年2017年2月9日(木)】
おそらく人事案件だと思います。
【参議院外交防衛委員会】
国際情勢に関する参考人質疑がありました。岡本アソシエイツの岡本行男さんは「アメリカの有権者で最も多い白人女性の53%がトランプ大統領に投票しており、排外主義というよりも経済的な問題で支持された。トランプ大統領は就任直後ということで過激な判断をしているように思えるが、アメリカ社会の健全性は保たれているのではないか」などと話しました。
公明党の浜田昌義さんは「ブレクジットやトランプ大統領の動向に関心を持っている」と熱心に質問しました。
【衆議院議院運営委員会】
本会議の段取りなど。
【衆議院本会議 平成29年2017年2月9日(木)】
国会同意人事。情報公開・個人情報保護審査会の委員に、泉本小夜子さんら。国家公安委員、NHK経営委員、中央労働委員会などの同意人事がありました。
三国谷勝範預金保険機構理事長の続投の同意は起立多数で認められました。
国会同意人事のみで散会しました。
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(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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