【2014年3月12日(水)衆・厚労委員会】
日切れ法案「雇用保険法改正法案」(186閣法3号) が質疑されました。参予算委では「外交・安保・公共放送」に関する集中審議が開かれましたが、田村憲久厚労大臣が7時間、衆・厚労委で答弁しました。
民主党は法案の質疑もしましたが、並行して、「JEED(ジード)、独立行政法人・高齢・障害・求職者支援機構」が2014年2月6日(木、ソチ五輪前日)に成立した「平成25年度第1次補正予算」(消費増税下支え補正)に関連した「短期集中特別訓練事業」の入札について、入札公示(2月18日午前10時)の前日の2月17日(月)の午後4時半からおよそ1時間、厚労省職業能力開発局の就労支援訓練企画官や能力開発課長補佐らの訪問を受けた案件について国政調査した。
バッターは、玉木雄一郎さん、大西健介さん、柚木道義(ゆのき・みちよし)さん、長妻昭さんの4人組。
玉木さんは、金曜日の質疑に続いて、「ホームページが書き換わった経緯について質問します」。田村憲久厚労大臣はのっけから「まず今般の事案について、非常に不適切な事務であり、昨今、厚生労働省はたるんでおります。厳しく叱咤したい」と語りました。
玉木さんが「JEEDは公示前日の2月17日に、厚労省と会ったか」と問いました。
民間人出身の小林JEED理事長は「今回は政府に協力しようとしたなかで、疑念が生じ、私としては痛恨の極みです」としたうえで、「2月17日に厚労省の担当官と2人が来訪して、入札の概要や仕様書案についてうかがった」と答弁。
玉木さんは立ち上がり、「今重要なことをおっしゃいました。(入札の概要を記した)仕様書案を(公示前日に)見たんですね」
さて、この後なのですが、公示前日に見せたものを「仕様書案その1」、その後ホームページから2月18日午後2時過ぎにいったん消え、2月19日午後2時過ぎに再度ホームページに載った時に、書き換わったものを「仕様書案その2」と名付けて質疑しました。ただ、理事長が民間人ということもあり、噛み合わず中断。
これはおそらくですが、玉木さんは仕様書案その1よりも仕様書案その2の方がJEEDにとってはハードルが低くなったとの前提で質問していたのですが、JEEDは、仕様書案その2の方がハードルが高くなったと答弁していたことによるものと思われます。つまり、JEEDしか落札(1者応札)できないように仕様書案その2のハードルを上げた可能性があります。この辺は次回以降の質疑になります。
民主党はこの手の追及で過去に大きな失敗をしたことは言わずもがな。ただ、さすがは玉木さんの危機管理能力は高く、ここから立て直します。
玉木さんはパネルで、JEEDが「一者応札になって問題にならないか」と厚労省に聞いたら、厚労省は「問題にならない。外部から問われた際は、厚労省が説明する」と答えたとするやりとりを紹介しました。長妻昭元大臣の資料要求で提出されたものです。
これに対して田村大臣は「JEEDは民主党政権下で再編した独立行政法人なので仕事が忙しい」「民主党政権でなんでも入札という流れができた」としたうえで、「非常に専門性の高い仕事だから、本来ならば随意契約でお願いするのがよかったのもかもしれない」と逆ギレ。
玉木さんはここで「かまをかけた」質問をしました。
「大臣、2月17日の面会は、仕様書案を見せただけですか?」。
これに対して、田村大臣は自ら「面会後、飲食を共にし、2次会に言っている。割り勘かというと、若い人もいるということもありそうでない」。
大臣の告白に玉木さんは「いや驚きました。そんなことないと思って質問したのに」と絶句。
この後、大西健介さんは「企画官はJEEDを訪問する前に、アルソックを訪問しているのではないか」と質問。初めから、JEEDに落札させたうえで、JEEDからの発注先まで厚労省がおぜん立てをしていた可能性を指摘しました。アルソック社は、「3・11」時に東京電力福島第一原子力発電所の警備も担当していたことでも有名です。
柚木道義さんは官製談合防止法第8条(懲役5年)に違反している可能性を指摘。大臣は「省内で調査するが、公正取引委員会も動くかもしれない」としたうえで、「入札はやり直す」と答弁。JEED理事長は「この事業では今後、厚労省の仕事はしない」という趣旨の答弁をしました。
民主党のラストバッターとして、長妻元大臣が登場。
長妻昭さんは眼鏡を新調したようです。
[画像]新しい眼鏡で登場した長妻昭さん、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
長妻さんは虚偽公文書作成の可能性に言及。そのうえで、「我々が聞かなかったら、永久に出ることが出なかった話ですよ」と指摘。
2月7日に成立した補正予算の年度内消化をめぐって、他の事業でも天下り団体への時間に余裕がない予算執行があったのではないかとして、今後も民主党が追及していく構えを示しました。
政権交代可能な二大政党政治において、最大野党は「町奉行」。
今や遠山の金さんは、最大野党の民主党です。
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