[画像]背景は大島九州男(大島くすお)さんのホームページで、左側に差し込んだ写真は、大島さんを応援するスリッパ姿の野田佳彦前首相(大島さんFBから、おそらく大島さん本人撮影)
インターネット選挙解禁となれば、まずは現職に関しては、前の任期の実績を確認することから始まるでしょう。
全国比例の大島九州男(大島くすお)さん。
1期目の過去6年間、変わらず訴えかけてきたある提案があります。
理事として仕上げた補正予算の賛成討論のなかで、次のように演説しています。
「中小企業の金融対策においては」「1990年代に、まさにゼネコン危機に陥ったときに、政府は公的資金でゼネコンの救済をしようとしたんです。しかし、国民の反対に遭ってそれは断念をした。しかし、1997年に北海道拓殖銀行が破綻をしたときに、国民は銀行に公的資金を投入することに対しては文句を言わないということに気付いた。そして、やったことは何か。銀行にゼネコンの借金を棒引きさせて、そしてそこの銀行に公的資金を投入したんですよ。そして、その投入した銀行の公的資金は税金であります。その税金を、国民の血税をゼネコンに還流をさせた、まさにその政策が今の経済の疲弊を生んでいる」
との経済観を示しました。
そのうえで、「中小企業については」「担保いっぱいにしっかり借りてもう融資をしてもらえない、そういうところに対して担保を一斉に2倍に評価するとかいう思い切った政策をやることによって中小企業を救うというような、そういう具体的な議論をするのが参議院の予算委員会ではないでしょうか」と語っています。
つまり、中小企業およびその経営者の土地をを担保にした融資について、その評価額を一斉に2倍にすれば資金繰りが楽になる。 そういう追加景気対策(補正予算)をすべきだ、というのが大島さんの「具体的な議論」です。
大島さんは、その後もこの「担保いっせい2倍論」をずっと訴え続けています。
先の通常国会では、本会議で質問。麻生太郎金融相(副総理・財務相)は次のように答弁しました。
「大島議員からの御質問のありました中小企業、零細企業に関しましての資金繰りというものは極めて重要な問題だと、私どももさように認識をいたしております」「金融庁としては、金融機関に対し、担保、主に不動産担保でありますが、バブル以降かなりこれが傷んでおるという事実は間違いない事実でありますので、こういった担保、保証に過度に依存するというような融資の態度を改めるように指導している」
そして、大島さんの「担保2倍論」について、麻生金融相は次のように答弁しました。
「ただし、お断りはしておきますが、担保の評価額というものは、これは、あくまでも極めて客観的かつ合理的な評価方法でこれは算出されているところでありますので、お申し越しのように、単に単純に二倍にすればいいというような話ではとてもないので、そういったところでは時価と懸け離れたような話にはいかがなものかと」。
こういう風に、突っぱねられてしまいました。
まあ、筆者としても、方向性は大賛成ですが、総論賛成、各論反対というのが正直なところです。しかし、こういう主張をテレビ入り本会議で演説できる議員が今の参議院にどれだけいるでしょう。その心意気や良し。
では、その勇気の源はどこから来るのでしょうか。それは良い仲間に恵まれているからでしょう。大島さんのFB(フェイスブック)によると、7月1日、大島さんは千葉選挙区の前環境大臣、長浜博行候補(予定者)と一緒に、野田佳彦前総理から5カ所で応援演説を受けたそうです。
で、ごらんのように室内でスリッパ履きで、応援演説する野田さん。私けっこう長く国政を見ていますが、総理経験者のスリッパ姿って見たことありません。内輪のうち解けた会合だからこそのスリッパ履き。7ヶ月前までは天皇陛下やアメリカ大統領の前に出ていた野田さんが、7ヶ月後には「スリッパ野田」に早変わり。政権交代ある政治で、政治が身近になったし、当事者として積極的に政治にかかわれば、前総理がスリッパ姿で話しにくる。
「担保一斉2倍論」への野田さんの賛否は、私はあずかり知らぬ所ですが、大島さんが何を主張しても、元財務大臣・元総理がスリッパで応援する人なんだから、言いたいことを言えばいいのです。
というわけで、左の写真は高校時代の大島さん(左から1人目)。右の写真はその12年後に同じ場所に立つ私(左から2人目)です。
同じ学舎で育った大島先輩の「物を言う勇気」。私も見習いたい。ところで、大島さんになぜ、九州から東京の学校に通ったのかたずねたところ、「それを話すと、長くなるから」とのことでした。鉄工所経営者のお父さんが医者かなにかにさせたかったのかもしれませんが、様々な糧を得て、中小企業の痛みが分かり、社会の風邪を治す政治家になったのです。
それだけにとどまりません。
大島くすお候補(予定者)のホームページにある次のことば。
「奉仕と無の心で取り組む
大島くすおは、皆様に支えられて少しずつではありますが、確実に一歩ずつ前進しています。小さな一歩を積み重ね、日本だけではなく世界の人々が“みんな笑顔”で暮らせる社会を実現するために…奉仕と無の心で、世界平和の実現へ向けてがんばっています」
今こういうこと言う参議院議員候補(予定者)って大島さんぐらいしか、いませんよ。
ぜひ次の6年間で、世界の人々がみんな笑顔で暮らせる社会と世界平和を大島さんが実現させて欲しい。
小さな一歩を積み重ね・・・少しずつでも。
<当ブログ内記事で振り返る、大島九州男(大島くすお)の6年間>
第1次野党期、2007年11月2日付)参院1年生が続々質問デビュー!
第1次野党期、2009年2月6日付)【かんぽの宿】世直し3党、追及PT(プロジェクトチーム)を発足
第1次与党期、2010年1月28日付)第2次補正予算成立 大島九州男さんがノー原稿で賛成討論
第1次与党期、2011年8月20日付) 議員立法に憲法89条論争おこる 橋本聖子さん、大島九州男さんら 参院文科委
第1次与党期、2012年1月13日付) 岡田克也さん、民主党行革調査会のバトンを引き継ぐ
第1次与党期、2012年4月14日付) 青春民主党「行革実行法案」を提出
第1次与党期、2012年9月3日付) 参院決算委員会の「準」総括質疑 会期内に平成22年度決算を仕上げるべきだ
◇
<この記事で引用した国会会議録は以下の通り>
[国立国会図書館データベースから引用はじめ]
174 - 参 - 本会議 - 3号 平成22年01月28日
○大島九州男君 民主党・新緑風会・国民新・日本を代表させていただきまして、平成二十一年度第二次補正予算二案について賛成の立場から討論をさせていただきたいと思います。
まず冒頭に、ハイチ地震におかれまして被災をされました皆様方に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
そして、百年に未曾有と、この経済危機に補正予算の早期成立が望まれる中に、野党の皆様におかれましては速やかな審議に御協力をいただきましたことを心から感謝を申し上げます。
予算の審議を振り返りますと、経済、雇用、そして医療やいろんな分野について真摯な議論がある一方、まさにテレビ、マスコミ受けをねらった質問が多かったという事実も否めません。本来ならば、予算委員会というものは予算がどれだけ国民のためにちゃんと使われていくか、そういったことを真摯に議論をする場所であります。
例えば、雇用の問題であるならば、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんたちが高齢になって農業、漁業、林業がなかなか働き手がいない。じゃ、そういう場所にちゃんと失業者の人を手当てするという、そういう具体的な政策をやる議論をしたり、そこには自衛隊のOBの人たちに訓練をしていただいて、そして、まさにお年寄りにいろんな指導をしていただくことによって高齢者の生きがいをしっかりと担保をするような、そういう具体的な、今までの雇用訓練にかかわるようなそういう問題ではなくて、そして、環境においては、まさに大企業に偏重するような太陽パネルやエコポイント、エコカーのみに偏らず、まさに中小企業の、下町の企業の皆さんに仕事が回るような風力、波力、地熱、そういった中小企業に仕事が回るような、そういう仕事を創設するような予算を議論するとか。
そして、中小企業の金融対策においては、まさにこの経済状況をつくった原因はどこにあるのか。皆さん、思い出していただきたい。一九九〇年代に、まさにゼネコン危機に陥ったときに、政府は公的資金でゼネコンの救済をしようとしたんです。しかし、国民の反対に遭ってそれは断念をした。しかし、一九九七年に北海道拓殖銀行が破綻をしたときに、国民は銀行に公的資金を投入することに対しては文句を言わないということに気付いた。そして、やったことは何か。銀行にゼネコンの借金を棒引きさせて、そしてそこの銀行に公的資金を投入したんですよ。そして、その投入した銀行の公的資金は税金であります。その税金を、国民の血税をゼネコンに還流をさせた、まさにその政策が今の経済の疲弊を生んでいる。
中小企業については、今本当に予算の中で必要なことは何かといえば、担保いっぱいにしっかり借りてもう融資をしてもらえない、そういうところに対して担保を一斉に二倍に評価するとかいう思い切った政策をやることによって中小企業を救うというような、そういう具体的な議論をするのが参議院の予算委員会ではないでしょうか。
今、私がるる申し上げましたけれども、今回の補正予算の審議においては、テレビ、マスコミ受けをねらったような質問に国民は辟易とするわけであります。
以下、今からこの補正予算に賛成をする根拠を述べさせていただきます。
まず第一に、雇用においては、長期失業者そして新卒の学卒者に対する配慮ある予算であること、第二に、環境予算においては新成長戦略において未来の夢ある新エネルギーについての予算であること、そして第三に、中小企業の資金繰りにおいて中小企業に配慮する予算であること、そして最後に、補正予算といえば、今までの政権は、業界団体にばらまくためのお金として、選挙対策、業界対策、いろんなところに持っていった、まさにそういう補正予算ではなく、国民のために、国民の生活が第一の補正予算であるということが今回の補正予算の第一であります。
我々は、国民の声を代表する一人として、この国民一人一人を本当に自分の家族と思う心で予算を作る、法律を作る、そういう心の友愛の補正予算であると認定をし、一人一人の議員の皆様に心からこの補正予算二案に賛成をしていただきますことをお願い申し上げ、私の賛成討論を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
私が言う中小企業というのは、従業員さんが本当に四、五人だとか、家族含めて何人かでやられているというそういう下町の中小企業、言うなれば零細企業とも言われておりますけれども、そういう方たちはいろんな制度を、総務があって、係がちゃんといつも銀行に行っていろんなやり取りをできているかといったら、そういうことができていない、こういうのが現状なんですよ。ところが、大企業は当然それぞれの専門があって、そういう制度融資だとかそういったことにも専門的にやられている方もいらっしゃる。そして、銀行も、中小企業の貸出しなんかというのはどこで見ているかというと、企業の資産の担保、そしてそこになおかつ社長である個人の保証、そしてその個人の資産を含めて、それで担保評価をして融資をしているというのが現状なんですね。だから、ここが厳しい状況の最大の原因です。
183 - 参 - 本会議 - 3号 平成25年02月01日
○国務大臣(麻生太郎君)
大島議員からの御質問のありました中小企業、零細企業に関しましての資金繰りというものは極めて重要な問題だと、私どももさように認識をいたしております。
金融庁としては、金融機関に対し、担保、主に不動産担保でありますが、バブル以降かなりこれが傷んでおるという事実は間違いない事実でありますので、こういった担保、保証に過度に依存するというような融資の態度を改めるように指導しているほか、現実問題として、いわゆるABL、ABLとはアセット・ベースト・レンディング、難しい言葉で、売掛金を担保にしてそれに融資を認めるという制度です。これはこれまでやっておりませんので、こういったものを通称ABLと呼んでおりますけれども、こういったものを新たに対応していこうというようなことを考えているというところで、施策としてはそのような方法を目下講じているところであります。
ただし、お断りはしておきますが、担保の評価額というものは、これは、あくまでも極めて客観的かつ合理的な評価方法でこれは算出されているところでありますので、お申し越しのように、単に単純に二倍にすればいいというような話ではとてもないので、そういったところでは時価と懸け離れたような話にはいかがなものかと。(拍手)
[引用おわり]