【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第1次補正予算が成立 岡田幹事長「予算は組んだら終わりではない」「いかに被災者のために使っていくか」

2011年05月02日 17時15分55秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 【2011年5月2日(月) 参院予算委員会】
 【2011年5月2日(月) 参院本会議】

 平成23年度第1次補正予算(復旧補正)が全会一致で可決、成立しました。

 ホッとしました。

 参院予算委員会での討論で、自民党は、「3党合意はすでに民主党内に異論があるようだが、完全履行を求める。与党・民主党の決定権限が分からず、老婆心ながら心配している」としながらも賛成しました。公明党は、「歳出面では公明党の要望が取り入れられている」と評価したうえで、「歳入面ではまったく賛成できない」として、年金財源の安定化に向けた検討を求めました。この後、参院の各委員会で関連法案がすべて全会一致で可決。午後3時過ぎの参院本会議で可決、成立しました。

 ところで、おそらく国会議員や記者の多くが勘違いしているでしょうが、「財源確保法」は、①財投特会から一般会計への繰り入れ、②外為特会から一般会計への繰り入れ、③旧鉄建公団の溜まり金2・5兆円の国庫への納入(ただし国庫のどこに入れるかは変更)の3つで、この3つはすでに成立済みで、実施・執行中の平成23年本予算(当初予算)に入っています。ですから、この法律は「当初予算・歳入関連法」と言うべきでしょうね。「補正予算関連法」という言い方は間違いだと思います。小舅のようですが。ハッキリ言って、この段落を読んで、極めておこがましいですが、筆者のことを「すごいな」と思った読者も多いでしょう。で、くどいけど、こういうことが分からないのに、赤坂で飲んでる議員に「次はない」と申しあげたい。この辺は、岡田・安住・玄葉・中川・古本の粘り勝ちということになります。まだ平成23年度赤字国債発行法案が残っていますが、なんとかなりそうな気配です。

 2次補正の編成について、菅直人首相が「復興構想会議の1次提言を盛り込む」、野田佳彦財務大臣が「税と社会保障の一体改革の成案を盛り込む」と答弁しました。どちらも6月末ということで、2次補正の編成作業は7月になることから、提出は次の第178臨時国会になる可能性が高くなっています。

 岡田幹事長は定例記者会見で「予算は組んだら終わりではなく、いかに被災者のために使っていくかだ」と述べ、歳出面での予算の実施(執行)状況をしっかりとみていく必要があるとしました。編成作業が7月以降になることから、民主党内非主流派や、野党などの一部議員による、「菅降ろし」「大連立」「復興実施本部」といった復興利権ねらいの動きは大きく見直しを迫られることになりました。

 第177通常国会の召集日時点では、民主党の岡田克也幹事長らの難問は「1、予算関連法の参院での可決」「2、小沢問題」でしたが、走りながら考えるうえで、今通常国会中に必ず処理しなければならない宿題は、国税改正法、地方税改正法、赤字国債の発行特例法の3つだけになったと言えると思います。後は、子ども・児童手当の10月以降の法改正もできれば通常国会でメドをつけたいところです。とはいえ、3党合意もあり、野党の審議拒否も当面ない可能性が高くなり、「走りながら考える」中で見場が良くなり、前が開けてきたと考えます。

 民主党政府外議員がこしらえた議員立法案が、実際の審議の日程に乗る余裕も、今月から出てきそうな気配となってきました。

 tags 岡田・安住・玄葉・中川・古本= 岡田克也・民主党幹事長、安住淳・民主党国対委員長、玄葉光一郎・民主党政調会長、中川正春・衆院予算委筆頭理事、古本伸一郎・衆院財務金融委員会筆頭理事


「私の妻は東京電力社員」と桜内文城議員が告白

2011年05月02日 09時51分16秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]みんなの党の桜内文城さん、参院予算委員会総括質疑、2011年5月2日、参議院インターネット審議中継から

【参院予算委員会 2011年5月2日(月)】

 平成23年度第1次補正予算(案)は、しめくくり総括質疑を迎えました。

 このなかで、みんなの党の参院議員、桜内文城(さくらうち・ふみき、2010年全国比例初当選)は「私事(わたくしごと)ではありますが・・・」とことわったうえで、「私は結婚以来共働きで、私の妻は東京電力に勤めております」として、「末端の社員でありますが、妻には『ボーナスはもらうな』と言っています」と述べ、参考人の東京電力の代表取締役の清水正孝社長に、ボーナス全額カットを求めました。

 「3・11」以降、家族や親族が東京電力社員であることを公の場で明らかにした国会議員は、桜内さんが初めてだとみられます。