【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎第177通常国会は2011年1月24日(月)召集 会期末は6月22日(水)

2011年01月14日 20時57分22秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
 2011年1月14日発足した菅再改造内閣は、「第177常会(第177回通常国会)を2011年1月24日(月)に、東京に召集する」ことを決めました。憲法第7条の天皇の国事行為で近く官報に詔書が載ります。

 これに伴い、国会法第1条にもとづき、枝野幸男・新官房長官が衆参の議院運営委員会理事会に出席し、伝達しました。衆院側では、川端達夫委員長(民主党)が午後5時15分過ぎに開会を宣言。枝野さんの説明を、自民党の菅義偉理事、公明党の遠藤乙彦理事、民主党の山井和則理事ら、理事会はオブザーバー参加の日本共産党の佐々木憲昭・議運委員らが説明を聞きました。

 第177通常国会の会期は2011年(平成23年)1月24日(月)~6月22日(水)までの150日間で、1回のみ延長できます。

 本予算の衆院通過のめどは、3月2日(水)、本予算と予算関連法案の成立のめどは3月31日(木)。参院で可決できない場合は、民主党執行部は衆院で再議決する方針。また、民主党執行部は両院協議会のあり方について、衆参与野党での話し合いを求めていくことにしており、世論の支持を得たいところです。

 今回は補正予算案がないので、召集当日の24日(月)に、平成23年度本予算をいきなり提出。菅直人総理の施政方針演説、前原誠司外務大臣の外交演説、野田佳彦財務大臣の財政演説、与謝野馨経財相兼「社会保障・税一体改革担当大臣」の経済演説の政府4演説が衆参本会議で行われます。衆・本会議はTV中継される見通しです。

 報道によると、政府は、予算も含めた政府提出法案(閣法)を64法案を新規提出し、閉会中審査・継続審査の19本とあわせて83法案を議論したい考え。また、これとは別に条約承認案件が19本で、すでに100を超える議案の審議が必要な状態になっています。このほか、議員立法で、政務三役を大幅に増員する「国会法改正案」が残っていますが、筆頭発議者が小沢一郎元幹事長のままとなっており、出し直しになる可能性があります。このほか、民主党の岡田克也幹事長は「企業団体献金を(法施行)3年後に廃止し、個人献金の寄付優遇税制を拡充する政治資金規正法など改正案」、「経費の見直し(国会仕分け)による運営コスト2割削減と、それが実現するまでの間、暫定的に国会議員歳費を1割削減する歳費法など改正案」を提出する方針です。

 統一地方選は前半戦が4月10日(日)、後半戦が4月24日(日)。この後、一般法案の審議に加えて、団塊の世代が毎年200万人以上65歳となり、年金受給者が増える2012年からの年金の世代ブームを踏まえて、与野党での税と社会保障の一体改革(消費税アップ)の議論が必須となっています。政権交代のたびに年金制度が変わるわけにはいきませんので、これは民主党、自民党の合意が不可欠です。また、公明党が提案した「科学技術・イノベーション特別委員会」が24日の衆・本会議で設置されると思われます。

内閣改造「最後の1人は誰?」&日本共産党衆参議員、松本龍大臣に申し入れ

2011年01月14日 07時27分13秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[画像]定期党大会で熱弁をふるう総理大臣の菅直人代表、2011年1月13日、幕張メッセ、民主党インターネット中継からキャプチャ

 菅直人総理は、14日内閣改造に踏み切ります。午前中の定例閣議で辞表を集め、与党党首会談を経て、昼過ぎに組閣本部を設置。閣僚を呼び込みます。この後、夕方に衆・議運委理事会が開かれ、新・官房長官が「第177回通常国会の24日召集」(憲法7条「天皇の国事行為」)を国会法1条に定められた「通常国会の10日前」に国会に伝達します。

 さて、内閣法2条は、「国務大臣は17人までとする」と定めていますが、けさまで、菅総理は16人の国務大臣を内定しました。国家公安委員長から岡崎トミ子さんが外れることは各社の報道が一致しているものの、「閣内に留まる」「閣外に去る」との2つの報道があります。ですから、「残り1ポスト」が内閣に空いている格好です。

 ホントウに菅さんは悪い人ですね(笑)。今のところ、鳩山グループからは、2大臣ということですが、小沢グループ(旧自由党と一新会)から閣僚の起用はなし。また、初入閣も今のところないので、小沢グループ議員に「小沢卒業」の念書と謝罪文を書かせた上での一本釣り、功労者の初入閣、あるいは、例えば新党改革の舛添要一代表の入閣などが考えられます。午前中のかけひきで、好材料がなければ、岡崎トミ子さんの閣内残留(国家公安委員長の担当は他の国務大臣に)、あるいは、鉢呂吉雄さんの初入閣が落とし所になるかと思います。

 また、菅内閣の発足のときに、(55年体制下の)自民党出身者が岡田外相、北澤防衛相、自見金融相の3人になってしまい心配しましたが、その後、改造内閣で幹事長に転じた岡田外相に代わり鹿野農相となり、そして再改造内閣で、4人になることになり、自民党の責任政党ぶりが、再評価されてきたのかなとうれしく思います。仮に「最後の1人」が前田武志・参院議員となれば、5人となります。そのくらいの方が、参院自民党も、国会で融和路線に転じてくるのではないでしょうか。2011年は自民党にとっても正念場です。

 もちろん、自民党全体としての政権復帰は、2013年ごろの第46回衆院選以降ということになります。

 ところで、昨日の党大会で、菅さんは、「日本は新興国の兄貴分になる」として、ベトナムのズン首相との友情に触れました。ベトナムというのはホントウに素晴らしい国です。私も2回行ったことがあって、もう13年来渡航していませんが、友人がハノイに転勤していて、在勤中に行きたいのですが、不景気でなかなか行けませんが、ズン首相はベトナム共産党大会で続投が決まりました。一方、日本方式の新幹線は、ズン首相率いる政府では導入が決まりながら、国会では「予算が高い」との理由で、予算が否決され、1年後に再チャレンジとなります。その国会議長は、最高位のベトナム共産党書記長に転出したそうです。

 さて、日本共産党の山下芳生(やました・よしき)参院議員が、衆参の日本共産党議員団が松本龍・防災担当大臣に申し入れにいったと書いています。山下さんのブログに書いてあって、我ながら良くチェックしていると、思います。鳥取の方も、病気療養中に、飛行機で行った事があって、鳥取空港から鳥取砂丘はわずか15分ほどですし、海も近いですからオススメですが、雪の重みで船が転覆するという、驚くべき雪害がありました。日本共産党衆参議員は、その現地調査報告を松本さんにし、申し入れをしたところ、日本共産党のブログによると、松本さんは「さっそく現地まで行って、報告していただき、感謝申し上げたい。要望についてはしっかり受けとめた。まずは被害の全容把握に努力したい。激甚災害指定については、要件を満たせば、早急に対応する。漁船転覆がどうして起こったのか、検証していただくよう県にお願いした」とていねいに答えたとしています。

 13日付日経夕刊の「政界面」によると、元自民党参院国対委員長の村上正邦さんは「院内に入ると、まず(日本)共産党の部屋に行って御用聞きをするようにした。次に公明党、社会党と周り、その情報を頭に入れた」と述懐しています。

 日本共産党は初当選以来、所属委員会を固定することにしており、例えば、ブログに出てくる高橋千鶴子・衆院議員は、衆・厚生労働委員会にずっと所属していますから、厚労委のかつての審議の経緯なども詳しいでしょう。日本共産党は第22回参院選で議席を減らし、参・外交防衛委員会の議席を失い、井上哲士参院議員は、古巣から決算委員会に移動したようです。

  共産・社会主義は絶対悪であり、それについて論じる事自体許されません。これは憲法20条・21条などとは関係なく、人間としての道徳の問題です。しかし、党勢衰退が著しい中、内閣提出法案に賛成することは日本共産党にとっても生産的なことです。日本共産党も2011年が正念場だという認識を持って、しっかりと責任ある政党に脱皮すべきときを迎えているのではないでしょうか。

松本防災担当相に鳥取・島根大雪災害で緊急申し入れ

 鳥取・島根の大雪災害について、党国会議員団として、松本龍防災担当相に緊急の申し入れを行いました。高橋千鶴子衆院議員・党災害部会長、仁比聡平前参院議員、紙智子参院議員秘書と。

 まず私から、先日、現地調査して感じたことを、HPの写真も紹介しながら報告。

 「鳥取では雪で船の転覆が相次ぎ、大きな船だと数千万円単位の自己負担になるので、漁業をやめざるを得ないという声がでている。島根のイチゴやブドウ農家は、ビニールハウスがつぶれ、10㌃当たりで1000万円にのぼる被害がでており、共済に入ってない農家も多く、このままでは産地がつぶれてしまう。再建しようという意欲を引き出す支援を」と訴えたうえで、6項目の緊急要望(下記)を説明しました。

 松本防災担当相は、「さっそく現地まで行って、報告していただき、感謝申し上げたい。要望についてはしっかり受けとめた。まずは被害の全容把握に努力したい。激甚災害指定については、要件を満たせば、早急に対応する。漁船転覆がどうして起こったのか、検証していただくよう県にお願いした」などと述べました。

 国・県・市町村が協力して、被災者の生活再建と営業再建に対する支援が充分行われるよう、引き続き現地のみなさんと一緒にがんばりたいと思います。

                 ※       ※       ※
 
                                          2011年1月13日

防災担当大臣 松本 龍 殿

                                     日本共産党国会議員団

鳥取・島根大雪災害に関する緊急申し入れ

鳥取県、島根県における大雪災害を踏まえ、以下、要望する。

1.被害の全容把握を急ぐこと。

2.多数の漁船が転覆・沈没するなど、甚大な被害を受けている漁業経営の再建にむけた支援を講じること。
① 共同利用小型漁船に係る激甚災害指定を含め、被災船の引揚費用、エンジンや魚群探知機等の修繕・更新に係る経費への支援を行うこと。
② 転覆・沈没で油漏れが広がらないようオイルフェンスの設置等、対策を急ぐこと。
③ 経営再建までの休業補償・生活費等への支援を行うこと。

3.ビニールハウスの倒壊、農作物の被災等、深刻な被害を受けた農業の再建に必要な対策を講じること。
① ハウスなど農業施設の撤去費用、修繕費用、新設費用への支援を行うこと。
② 被災農作物(規格外品)が出荷できるよう特別の支援を行うこと。
③ 経営再建までの休業補償、生活費等への支援を行うこと。

4.除雪費用に対する弾力的な財政支援を行うこと。
① 例年を大幅に上回る除雪費用負担が強いられている鳥取・島根両県、関係自治体の除雪費用に対する財政支援を行うこと。
② 除雪事業補助の対象となっていない自治体を含め、除雪体制の確保と財政支援を行うこと。

5.福島県国道49号線での立ち往生(昨年12月25日)に続き、国道9号線等の主要道路が長時間にわたって不通となった。初動の遅れ、連絡体制の不備が指摘されているが、緊急時の安心安全を確保するために必要な人員体制等について検証し、除雪体制などに必要な体制を確立すること。

6.地方自治体に対する財政支援を行い、生活道路や歩道の除排雪等、住民生活の確保を図ること。
                                                以上