【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自民党幹事長が吊し上げ? 県会議長・首長らに「申し訳ありませんでした」

2009年08月07日 23時38分10秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代


 報道によると、自民党の細田幹事長が7日、仙台市での同党関係者へのマニフェスト説明会で県会議長や自治体首長らとの質疑応答で、「20分にわたり立ち往生」し、出席者の「申し訳ないと言ってほしい」との要求に応じ、「申し訳ありませんでした」と応じたようです。

 報道では「20分立ち往生」という表現になっていますが、いわゆる“吊し上げ”の状態だったようです。

 “吊し上げ”とは「ひとりの人を大勢で責めなじること」(大辞林)です。

 記事によると、マニフェストの説明の後、質疑応答に移ると、出席者(同党関係者)から、「現場に立てば今回の衆院選の厳しさがわかる」「今度こそ(自民党には)だまされないと言われる」などの意見が噴出したそうです。

 衆院解散後に、自民党幹事長が、同党の地方組織の会合で、“吊し上げ”にあい、要求に応じ、「申し訳ありませんでした」と謝罪するのは極めて異例のことです。

 自民党という政党は国会議員同士は物が言いやすい雰囲気はありますが、中央-地方の構図になると、物が言いにくい閉鎖的な傾向が以前からありましたから、細田さんも“上から目線”で話したのかもしれません。

 話は変わりますが、「厳しい選挙」というと、これまでは「当選の可能性が低い選挙」という意味でした。しかし、第45回衆院選では、当落の可能性に限らず、すべての選挙区すべての政党が「厳しい選挙」になっている、と私は感じております。「厳しい選挙」という言葉の意味合い・ニュアンスが変わりつつあるのではないか、という観測を私はしております。

 民主党陣営にとっても、すさまじく厳しい選挙です。

 なぜこのような事態にまで政治が追い込まれたのか、今回初めて衆院選有権者となった20歳~23歳の方は別ですが、それ以外の有権者はよく考えてほしいものだ、と私は思います。

細田幹事長:20分立ち往生 公約説明会で批判噴出 - 毎日jp(毎日新聞)

 7日、仙台市で開かれた自民党マニフェスト(政権公約)説明会で、県議や党員らから「麻生降ろし」などを巡って混乱した自民党への批判が噴出し、細田博之幹事長が20分にわたって立ち往生する場面があった。

 細田氏は民主党のマニフェストについて、「造花のバラだ」といつもの批判を始めた。さらに「自公政権の景気対策の効果が出るのはこれから」と理解を求めたが、質疑応答に移ると、「現場に立てば今回の衆院選の厳しさがわかる」などと厳しい意見が続出。畠山和純県議会議長は「政権は命がけで守るもの。幹事長には情熱が足りないのではないか」と痛烈に批判し、自治体の首長も自民党の混乱ぶりに不満をぶつけた。

 出席者からも「(有権者を)説得しても、今度こそだまされないと言われる。申し訳ないと言ってほしい」と追い打ちをかけられた細田氏は、「申し訳ありませんでした」と答えるしかなかった。


岡田幹事長、マニフェスト増刷を明かす「うれしい悲鳴」

2009年08月07日 22時59分16秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 民主党幹事長の岡田克也さんは7日付の動画メッセージで、マニフェストの増刷部数を検討していることを明らかにしました。

 岡田克也YouTube公式チャンネルからの共有動画です。

【岡田克也】 嬉しい悲鳴-民主党マニフェストが各地で品切れ

直接のアドレスは↓
http://www.youtube.com/watch?v=dycbg2RDuIY 

 この動画の中で、岡田幹事長は全体で100万部刷って、300小選挙区ごとにそれぞれ3000部配布したが、総支部から「午前中で全部使ってしまった」、「なくなってしまった」という声が党本部に寄せられていることを披露。「どれだけ増刷をしようかといま考えているところです」と述べました。

 郵政解散は劇場型選挙だったとし、「今回またマニフェスト型の選挙に戻って、しっかり議論されるということは非常に良いことだと思います」と政策論争の高まりに手応えをにじませました。

 そのうえで、「是非皆さんも手に取って、見ていただきたいと思います」とより一層のマニフェスト配布に自信をのぞかせました。


日米FTAは「推進」のみ 民主党がマニフェストを修正 自民党のデマを火消し

2009年08月07日 22時37分21秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 民主党の菅直人代表代行は7日、党本部で記者会見し、7月27日付発表のマニフェストの22ページにある「米国との間で自由貿易協定(FTA)を「締結し、」とある表現を、「交渉を促進し、」と直すなどの修正・加筆を発表しました。

 これに先立つ7月23日付発表の「政策インデックス」の14ページには、「米国との間で自由貿易協定(FTA)を推進し、貿易・投資の自由化を進めます」とあります。

 インデックスの「推進し、」が4日後のマニフェストで「締結し、」となった経緯は、マニフェスト策定委員会の参院議員が単純に事務作業でうっかりした、との説が有力です。

 7月27日のマニフェスト発表会で5時40分ごろ、日本農業新聞の記者さんから指摘があり、その後、党内外で反発を呼ぶことになりました。これに自民党が飛びつき、「民主党政権になるとアメリカの安いコメが大量に輸入され、日本産米が壊滅する」という類のデマを主権者に流し、政策論争をかく乱させています。民主党は公示の11日前という段階でマニフェストを修正し、分かりやすく加筆することで、政党としての危機管理能力をみせました。

 とはいえ、デマがデマを呼んでいる可能性がありますので、地べたでの火消しには時間がかかるかもしれません。“ピンチはチャンス”とあきらめて、農業者戸別所得補償への理解の深い浸透をめざすなどして、政策論争に勝利するしかないのではないでしょうか。

 「自民党のデマにはもううんざり」という主権者も多いと思います。

民主党:政権政策の内FTAに部分の修正加筆を発表 菅代表代行が会見で

上記ホームページより、修正・加筆は以下の通り。

(抜粋引用はじめ)

マニフェスト政策各論部分

●外交
51 緊密で対等な日米関係を築く
米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結し、貿易・投資の自由化を進める。

51 緊密で対等な日米関係を築く
米国との間で自由貿易協定(FTA)の交渉を促進し、貿易・投資の自由化を進める。

 その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。

52 東アジア共同体の構築をめざし、アジア外交を強化する
アジア・太平洋諸国をはじめとして、世界の国々との投資・労働や知的財産など広い分野を含む経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)の締結を積極的に推進する。

のあとに

その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。

を加える。

(抜粋引用おわり)


【動画】全国知事会の地方分権改革に関する公開討論会

2009年08月07日 20時37分13秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
[写真]橋下徹大阪府知事(左)の質問にこたえる玄葉光一郎・分権調査会長(右)

 全国知事会主催で憲政記念館で開かれた「地方分権改革に関する公開討論会」のビデオ約2時間を下の全国知事会ホームページで見られますので、お知らせします。

http://www.nga.gr.jp/movie/index.html

 会議には麻生渡・福岡県知事、橋下徹・大阪府知事、森民夫・新潟県長岡市長らが参加。民主党分権調査会長の玄葉光一郎さん(福島3区)がマニフェストに盛り込まれた「地域主権」について説明しました。

政権交代危うし? たるんでる元職

2009年08月07日 20時14分21秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 ちょっと、聞いてくださいよ~(-_-)

 都内の元職に代表代行の一人が応援にかけつけたのですが、暑いとはいえ、たるんでいました。

 私は遊説会場に開始時刻の数分前に到着したのですが、1人目の聴衆だったようです。動員は1人もいなかったようにみえました。この元職は隣の特別区選出の都議でしたが、過去に衆院で3回当選しています。後援会員が1人もいないということはないと思います。周知ができていないんでしょう。

 元職はスーツ姿で、本人タスキも何もしていない。系列地方議員が2人以上いたようですが、元職本人が司会をし、演説をしました。元職の演説が始まってから、スタッフが携帯型スピーカーの場所を変えるという段取り。

 代表代行は演説で、さきの都議選で勝った系列都議2人を紹介しました。応援演説が終わり、再びマイクロファンを持った元職は、「代表代行は格好よくこの場を去っていきます」と数十人の聴衆に注目するよう促しました。次の日程が詰まっている代表代行は党職員にうながされ、都道(県道)にかかる横断歩道を「赤」信号のまま2人で走り去っていきました。全国どこでもそうですが、特に東京という社会においては、赤信号を渡るのは絶対にダメですよ。

 選挙戦はあと、二十数日間もあるのだから、もっと時間や気持ちに余裕を持たなければいけません。この元職はいったい4年間何をやってきたんでしょうか!4年間もの時間があったら、焦りようがないでしょう。

 都連のダメダメさを改めて感じた次第です。都議選勝利の余波はあれども、決戦は衆院選。キッチリと時間をとって、立て直して欲しいです。

 
もっと落ち着こう!