小日向白朗学会 HP準備室BLOG

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カルト(Cult)とかした野党

2023-08-25 | 小日向白朗学会 情報
  1. はじめに
 日本の政権与党である自由民主党は、朝鮮戦争が終結するまでアメリカ軍が日本に安定して駐留できるようにすることと、自衛隊をアメリカ軍の指揮権下で第二次朝鮮戦争及び台湾海峡危機の際に海外派兵が可能となるように憲法を改正することを目的としてCIA資金で結党した政党である。CIAが自由民主党結党を進めたのは、当時の社会党が第一党となった場合に、日本政府と「行政協定」や「国連軍地位協定」を締結して朝鮮戦争を継続できるように法整備を進めてきたものの、政権交代ですべてが見直しとなってしまう懸念があったからである。そのためアメリカはCIAを窓口として、強力な与党を整備するとともに、野党を分裂させて政権与党を目指すことのないようにさせることにした。
そして出来上がった自由民主党は、昭和30(1955)年 11月15日に立党宣言とそれに付随する「党の使命」で、つぎの様に述べている。
『……
国内の現状を見るに、祖国愛と自主独立の精神は失われ、政治は昏迷を続け、経済は自立になお遠く、民生は不安の域を脱せず、独立体制は未だ十分整わず、加えて独裁を目ざす階級闘争は益々熾烈となりつつある。
……』
とある。
 サンフランシスコ講和条約締結のその日に、アメリカに日本の主権を売渡していたにもかかわらず、日本国民については「自主独立の精神は失われた」と国民の精神を問題にしているのだ。それは、自由民主党が国家主権をアメリカに献上してしまったことが国民の知るところとなると時の政権が持たなかったからである。
それから70年の歳月が経過した。
現代では自由民主党の悪行が次々と明らかになっている。
さぞや野党は、ここぞとばかりに政権与党である自由民主党を政権の座から引きずり下ろす国民運動を展開して政権交代への準備ができている、はずである。
ところが、あに図らんや。野党である日本維新の会、国民民主党は第二与党になりたいと言い始めている。

2、日本維新の会について
2023年07月2日、時事通信社が「維新の馬場代表、二大政党制に意欲=「異次元の歳出削減」訴え」とする記事を配信している。
『……
日本維新の会の馬場伸幸代表は26日、東京都内で開かれた内外情勢調査会の会合で講演した。次期衆院選の目標として「野党第1党」の座獲得を改めて挙げた。その上で「自民党と維新の二大政党制にして、政権奪取の争いをやっていきたい」と表明した。
 馬場氏は「自民党1強と多弱の野党という状況の中で、政治がなかなか前に進まない現状がある」と指摘。自民との違いについて「保守という原点は同じだが、大きく改革をするかどうかだ」と強調し、自民を「現状を維持する保守政党」、維新を「改革をする保守政党」として対比した。
 現在、維新の衆院議員は41人で、野党第1党の立憲民主党は95人。
 岸田政権の姿勢について、馬場氏は「防衛費(増額)であれば増税、子どもに対する投資には社会保険料増額と言っている」と批判。「今すべきは『異次元の少子化対策』ではなく『異次元の歳出削減』だ」と述べ、「身を切る改革」の重要性を訴えた。 
  維新の創業者で大阪府知事や大阪市長を務めた橋下徹、松井一郎両氏の政界復帰については、「怒ればあの2人は想像できない行動力を発揮するが、今のところそういう怒りを秘めているようには見えない」と説明。現時点で否定的な見方を示した。
 ◇馬場代表講演のポイント
 一、自民、維新の二大政党制に意欲
 一、次期衆院選の目標は野党第1党
 一、自・維の違いは改革姿勢
 一、異次元の少子化対策より異次元の歳出削減
  一、橋下、松井両氏の政界復帰に否定的
……』
 「日本維新の会」馬場伸幸代表は、堂々と、野党という立場をかなぐり捨てて、第二与党となって二大与党間で政権奪取を行うことを目指すというのである。これは日本国民にとって非常に危険な話であって、単に大政翼賛体制という程度の甘いものではなく、実は、日本の安全保障を永遠にアメリカの手に委ねようとする話なのだ。
それは、アメリカに日本の統帥権を献上した自由民主党がCIAの要請に従い改憲を行って自衛隊の海外派兵を可能とすることを党是としてきたことと深い関係がある。
 最近の例では、自由民主党が統一教会を利用して、憲法改正に必要な国会議員数を纏めるために統一教会の資金と要員を利用していたことが明らかになった。
 残るは、国会内の反対意見を抑えることであった。そして2021年10月31日に行われて第49回衆議院議員選挙で統一教会の力を全力活用したことが功を奏して与党と改憲を目指す野党が躍進することになってしまった。
そこで自由民主党は、予てから野党内に作り上げてきた関係を利用することにした。この自由民主党の思惑に、政権与党になり防衛利権をむさぼりたい「日本維新の会」の利害が一致した。その様子は、2021年11月12日付け、読売オンラインに「自民、憲法改正に積極的な維新に接近」に掲載されている。
『……
自民党が、衆院選で躍進した日本維新の会に接近している。憲法改正や防衛力強化に積極的な維新との連携で議論の前進を図るためだ。同様に国民民主党との連携も模索する。自民の改憲案の実現や防衛力強化に消極的な公明党をけん制する思惑もある。
国民民主との連携も模索
 自民党の茂木幹事長は9日夜、維新の馬場幹事長と東京都内の中国料理店で会食した。茂木氏は「国民投票法を何としても一度は国民の手に委ねたい。国民に憲法を触らせたい」と述べ、改憲の国会発議と国民投票実施に意欲を見せた。馬場氏は「(国会で)憲法審査会をしっかり動かしてほしい」と要請した。 会合は、自民側が持ちかけた。両党の国会対策委員長らも同席し、国会で連携して改憲議論を進める方針を確認した。 衆参両院の憲法審査会では、野党第1党の立憲民主党などが開催を拒み、今年1~6月の通常国会では、衆院で4回、参院で6回の開催にとどまった。状況打開のため、自民は国民にも触手を伸ばす。自民党憲法改正推進本部の衛藤征士郎本部長は8日、国民の玉木代表に電話し、改憲論議で協力を要請。玉木氏は「憲法の議論は、どんどん進めなければいけない」と応じた。
 自民内には「維新、国民を巻き込めば、与党だけで議論を進めていると批判されずに済む。今が改憲のチャンスだ」(幹部)との見方が広がる。与党に維新、国民を加えると、衆参両院で改憲の国会発議に必要な3分の2以上に達する。
 維新と国民は衆院で計52議席を持ち、公明の32議席を上回る。自民党幹部は、「維新、国民と話をまとめれば公明は改憲の議論に乗らざるを得ない」と皮算用をする。維新は「野党として是々非々で付き合っていく」(松井代表)としながら、改憲論議ではむしろ加速に向けて自民に圧力をかける構えだ。
……』
自由民主党は2021年11月総選挙直後から動き出していたのだ。自由民主党は、日本維新の会が与党となりたいという権力志向を改憲に利用することにしたのだ。それと併せて、そもそもの目的である自衛隊を海外で運用が可能となる能力向上を図ることにした。そして2022年3月にロシアがウクライナに侵攻したことを絶好の機会ととらえ、兵備力整備に必要な仮想敵国をロシア、中国、北朝鮮とすることに成功して莫大な予算を獲得した。
 日本維新の会は、自由民主党がアメリカのために日本を治外法権の国としてきたことに賛成し、今後も継続させてことを望んでいるのだ。そのご褒美が、政権与党となることなのである。

3、国民民主党について
2023年8月2日、朝日新聞デジタルに「前原氏、代表選出馬を正式表明 「非自民・非共産」で政権交代目指す」という記事が配信されている。
『……
国民民主党の前原誠司代表代行は2日、国会内で記者会見を開き、党代表選(21日告示、9月2日投開票)に立候補すると正式に表明した。玉木雄一郎代表との一騎打ちになる可能性が高く、自民党との距離感や、日本維新の会などとの野党協力のあり方が争点となる見通しだ。
 前原氏は会見で「自民にしっかり対峙(たいじ)する強い野党が必要だ。非自民、非共産の枠組みで野党結集を進め、政権交代への道筋をつけたい」と強調。自民との対決姿勢を鮮明にした。
 玉木氏は、同じく旧民主党を源流とする立憲民主党とは距離を置きつつ、政府予算案に賛成するなど与党寄りの姿勢が目立つ。前原氏は、内閣支持率が低調でも政権が維持されるのは、野党が割れているからだと指摘。「自民の補完勢力にならない。自民を利することはしない」とし、維新や憲法・原発などの考えが近い立憲の一部議員らと連携して政権交代を目指す考えを示した。
 前原氏は、党所属議員や国民民主を支援する連合傘下の産業別労働組合幹部らと意見交換を重ね、立候補に必要な推薦人(国会議員4人・地方議員4人)をすでに確保したとしている。
……』
この前原であるが、2022年12月16 日に『談話 防衛3文書の閣議決定にあたって』を発表している。
『……
本日、外交・防衛の基本方針である「国会安全保障戦略」、防衛の目標と手段を示す「国家防衛戦略」、防衛費の総額や装備品の整備規模を定めた「防衛力整備計画」の3つの文書が閣議決定されました。
 政府が防衛3文書を改定するに先立ち、国民民主党は安全保障調査会において『国民民主党の安全保障政策2022~我が国の自立的な安全保障体制の構築に向けて~』を取りまとめました。
……
 今回の政府防衛3文書には反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有やミサイル防衛の強化、防衛費増額などが明記されており、国民民主党が提案した考え方が概ね反映されたものと受け止め、公党としての一定の役割を果たせたものと考えます。
……
 我が国を取り巻く安全保障環境は、様々な安全保障上の課題や不安定要因により一層厳しさを増しています。国の安全保障に関しては、与野党の垣根を越えた取り組みが必要であり、国民民主党も積極的に議論に参加していく決意です。
 今後も国民民主党は「自分の国は自分で守る」という基本理念に基づき、自立的な安全保障体制の構築を訴えて参ります。
……』
 前原は、防衛三文書で最も重要な「国家安全保障戦略」の中で仮想敵国をロシア、中国、北朝鮮とした理由が、「我が国を取り巻く安全保障環境は、様々な安全保障上の課題や不安定要因により一層厳しさを増しています。」と日本政府が壊れたラジオのごとく繰り返した「ロシアがウクライナに侵攻したこと」を原因として台湾有事と同時に日本の領土である尖閣諸島に中国が攻めてくることにあると考えているのだ。
前原が連想をたくましくするのは構わないが、尖閣列島を台湾が領有を宣言していることも云わず、アメリカ軍の意向を斟酌し中国の動向が問題だと「したり顔」で談話を発表しているのだ。
ところが、前原が大きな期待をよせるアメリカであるが、その後、ブリンケンは簡単に訪中し「one china policy」に回帰してしまった。その結果、前原自慢の「防衛三文書」から仮想敵国としての中国が消滅してしまったのだ。さらに、もう一つの仮想敵国であるロシアは、ウクライナ軍を圧倒し、アメリカ国防省まで政権崩壊を心配するまでに至っている。したがって「防衛三文書」で仮想敵国としたロシアと中国は、既に存在しない。残るは北朝鮮のみとなってしまった。したがって三国の仮想敵国のために割り当てた防衛予算には根拠がないのだ。根拠のない国家予算を推進し賞賛してきた前原の政治責任は重い。前原は、極端な外交音痴と言わざるを得ない。
 また、前原の戯言は、これだけに止まらない。日本は主権の無い国家で有るにも関わらず「自立的な安全保障体制の構築」などと、恰も日本に国権が有るかような幻想をまき散らしている。日本の国家主権は「行政協定」読めばわかる通りで、無いのだ。
 前原は、この責任をどのように取る心算なのか。前原は代表戦に出馬していることから、党首になったら、自由民主党と会派を組んで与党に逃込もうとしている以外に考えられない。

4、まとめ
現代日本の政治状況は「与党vs.野党」という対立構造で説明することはできない。これは自由民主党が長年取り組んできた野党対策が功を奏して大政翼賛体制が整いつつあるからである。そして、大政翼賛体制が完成に近づきつつある中で、それに反比例するように「五公五民」と揶揄されるほど重い税負担を強いたことで国民の不満が増大している。本来ならば「国民の健康と幸せを追求する」ためにあるべき国政論議が「日本をロシア、中国、北朝鮮による侵略から国民を守るため」と称して敵愾心をあおり、愛国心を鼓舞したうえで、莫大な防衛予算を増税で賄うことまで始めている。
何故に自由民主党がここまでできたのかといえば、アメリカに自衛隊の指揮権を売渡すことで国政を担当することを許されたという秘密を70年の長きにわたり国民に知られることのないように厳格に管理してきたからである。
そのため国民は、自由民主党が実施する安全保障政策を信じてしまい騙され続けてきた。しかし、昨年末に政府が公表した「防衛三文書」を皮切りに、長引く不況に疲弊している国民に更なる増税を求めたことから、自由民主党が推し進める政策に疑問の声が広がることになった。自由民主党が売り渡した国権を取り戻す絶好のチャンスが到来してきた。
 それにも拘らず、日本の野党である日本維新の会、国民民主党、立憲民主党の一部は、政権党である自由民主党と同じように日本の国権を売渡すことが日本の安全保障だと言っているのだ。そもそも日本に主権がない中で、憲法を改正してアメリカ軍の指揮のもとで海外派兵を行うことが日本の安全保障政策として実施されるべきであると言っているのだ。
彼らは、アメリカ軍の行動が正義であると信じているのだ。
アメリカ軍が正義であるいう根拠が「反共産主義(正義)vs.共産主義(悪)」であるからという程度の恐ろしい話である。
 前原、玉木、馬場は「戦争の実態は、金もうけを兵士の犠牲により行う」ことだということを知らないのである。もはや、カルトのレベルの守旧派なのだ。やはり、日本維新の会、国民民主党は自由民主党と同様に選挙という国民運動で政界から去ってもらう以外にないのだ。
 つまり、本当に日本が今後とも平和であるためには、自由民主党が大政奉還して下野すること以外にない。日本の碩学蜷川新ならば令和の大政奉還という政変を「令和維新」と名付けたであろう。日本の与党及び野党は、日本の国権を回復してから憲法改正論争でもイデオロギー論争でもなんでも心行くまで論議を重ねていただきたい。国権を回復前に憲法を改正することで喜ぶのはアメリカであり、苦しむのは日本国民なのだ。

p.s.
むかし、レマルク作「西部戦線異状なし」という映画があった。そこに描かれているのは担任教師が若者に愛国心を鼓舞して扇動し戦争に送り込むものの、ついには戦死する。しかし、西部戦線で一兵卒が戦死することなどは「西部戦線異状なし」なのである。
日本政府は、声高に島嶼防衛などと言っているが、愚かで、間抜けな作戦である。昔の戦史を紐解くならば島嶼防衛を実施した島々マキン、タラオ、ペリユウ、グアム、サイパンが玉砕の島々であることを知るはずである。
以上(寄稿:近藤雄三)
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