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大英博物館が空っぽになる!?

2023-08-28 | 小日向白朗学会 情報
 2023年8月24日に閉幕したBRICSヨハナスブルグ首脳会議であるが、いよいよ始動し始めた。すなわち、同首脳会議最終宣言で採択された94項目の中に次のような一項が含まれていたのである[i]。
『……
BRICSは、加盟国の文化財の不正取引と闘うための断固とした措置を講じることを約束する。「我々は、有形・無形の遺産を含む文化遺産の保護、保存、修復、促進を支援することに合意する。
……』
これは、2023年7月28日、ヨハネスブルグ首脳会議の前哨戦となったロシア・アフリカ首脳会議で採択された最終宣言を引き継いだものである[ii]。
『……
[28日 ロイター] - ロシアとアフリカ諸国は、植民地主義で被った損害の補償を求め、文化財の返還を追求するために協力することに合意した。ロシア北西部サンクトペテルブルクで開催された「ロシア・アフリカ首脳会議」で宣言を採択した。
 ロシア大統領府のウェブサイトに掲載された宣言によると、ロシアとアフリカ諸国は「アフリカの脱植民地化プロセスを完成させ、植民地化の過程で持ち去られた文化財の返還を含め、植民地政策の結果としてアフリカ諸国が被った経済的、人道的な損害の補償を求める」ことで合意した。
また「攻撃的ナショナリズム、ネオ・ナチズム、ネオ・ファシズム、アフロフォビア(アフリカ嫌悪症)、ルソフォビア(ロシア嫌悪症)」を含むあらゆる差別と不寛容に対抗することでも合意した。
……』
 つまり、二つの首脳会議で採択された宣言の中には、BRISCは加盟国から持ち出した美術品を返還させるというメッセージがあった。これを受けて動き出したのが中国である。
2023 年 8 月 28 日、環球時報に『大英博物館は中国の文化財を無償で返還すべき』[iii]とする記事が掲載された。
『……
中国メディアとして、我々は大英博物館に対し、不正なルートで入手した全ての中国文化財を中国に無償で返還し、抵抗的で長引いておざなりな態度をとらないよう正式に要請する。まず第一に、遺物の返還を世界に公約し、長年懸案となっていたこの作業をできるだけ早く開始すべきである。私たちはまた、インド、ナイジェリア、南アフリカなど英国によって略奪された他の国々による文化財の返還請求を支持します。我々は英国政府に対し、植民地時代の汚点を清算し歴史的罪を償う英国の誠実さを試す、検証となるこのプロセスを促進するための法的手続きやその他の手続きに協力するよう求める。
……』
 この記事では、中国は自国の文化財だけではなく「インド、ナイジェリア、南アフリカ」のBRICS加盟国も同様に返還要求をすると述べている。
ナイジェリアについては2022年7月にイギリス・ロンドンにある「ホーニマン博物館」が所蔵していた「ベニン王国」から略奪した工芸品72点を返還すると約束している[iv]。今回の中国の発表は「ホーニマン博物館」のような中小の博物館ではなく、イギリス帝国史の象徴である大英博物館であることから、返還対象となる美術品は膨大な量となることが予想される。
 イギリスが中国で行った略奪事件で思い浮かぶのは1856年10月8日に起きた第二阿片事件(アロー号事件)のことである。そしてイギリス、フランス連合軍が行ったのは「円明園の略奪と破壊」であったことは夙に有名である。また、この事件に関わっていたのは、ギリシャ・パルテノン神殿の彫刻を削り取って本国に送ったエルギン伯爵(Earl of Elgin)であった。また、この事件を担当したのは広州領事ハリー・パークスであった。その後パークスは駐日公使となり長く日本を統治していた。

 今回の中国が大英博物館に起こした行動に伴い、他のBRICS諸国からも同様の返還要求が続々と寄せられることになるのだろう。となると、ヨハネスバーグ首脳会議でBRICS加盟国となるエジプトも遠からず「ロゼッタ・ストーン」を返還請求することになるのだろう。
 となると、近い将来、略奪品の収納庫であった大英博物館は空になってもおかしくないであろう。
以上(寄稿:近藤雄三)

[i] https://tass.ru/ekonomika/18575467

[ii] https://jp.reuters.com/article/russia-africa-forum-compensation-idJPKBN2Z81SR

[iii] https://tass.ru/mezhdunarodnaya-panorama/18598443?s=03

[iv] https://www.bbc.com/japanese/62460902

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