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『もしトラ』で外務・防衛既得利権は消滅する -佐々江賢一郎理事長に未来の日米関係を語る資格はない-

2024-03-15 | 小日向白朗学会 情報
 2024年3月8日、日本経済新聞は日本安全保障に付いて実に興味深い記事を配信した。それが『元駐米大使、トランプ氏再選でも「日米同盟揺るがず」』である。

『……
8日、都内で記者会見する佐々江賢一郎元駐米大使
元駐米大使で日本国際問題研究所の佐々江賢一郎理事長は8日、都内の日本記者クラブで記者会見した。11月の米大統領選で共和党の候補者指名が確実になったトランプ前大統領が再選しても「日米関係への影響は心配していない」と述べた。
佐々江氏は2012年から18年まで駐米大使を務めた。17年に前大統領が就任した当時の大使で、前大統領とのパイプ作りに尽力した。
佐々江氏は前大統領について「外交への関心は薄い」
……』
 この記事に登場する佐々江賢一郎理事長であるが、2021年から駐米大使を務めたと日本外交の要人である。しかし、日本政府の要人であっても日本国民のために働いたのかは別である。実のところ佐々江賢一郎理事長は日本外交を危険に晒してしまった張本人なのである。
 令和4(2022)年9月22日、内閣総理大臣岸田文雄が「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の開催を決定した。この告示を受けて、同有識者会議は、開催決定から僅か一週間の令和4年09月30日には開催された。第一回目の会議には、有識者として上山隆大、翁百合、喜多恒雄、園部毅、黒江哲郎、佐々江賢一郎、中西寛、橋本和仁、山口寿一が、政府側として岸田内閣総理大臣.木原内閣官房副長官〔官房長官代理〕、林外務大臣、鈴木財務大臣、浜田防衛大臣等が出席した。そして座長の選任が行われ外務省OBの佐々江賢一郎が選出された。
そうである。
 佐々江賢一郎氏は過去の安全保障政策の中で最も幼稚で危険な「防衛三文書」を起案した当人なのである。その防衛三文書では、アメリカの核と駐留軍を基盤として仮想敵国「中国、北朝鮮、ロシア」と開戦準備するというものである。そのため日本国民には「六公四民」という過酷な税負担を求めることになってしまった。本来ならば、外務省は諸外国との間で発生する諸問題を武力ではなく外交で解決するための省庁である。それが、よりによって「話し合い」を放棄して国内外の防衛利権と組んで「武力」により立ち向かうという、本末転倒した危険な組織としてしまったのだ。
 さらに問題なのは「防衛三文書」の根幹である日米同盟は、対中国に関して完全に機能しない。そのわけは、アメリカは1970年代にキッシンジャーが纏めた「一つの中国」政策を再確認したことから、台湾有事でも尖閣問題でも軍事介入しないことを中国に約束してしまった。それを、あの戦争屋バイデン政権が認めているのだ。したがって台湾有事にアメリカ軍は「待ど暮らせど」支援に駆けつけることはないのであるが、その結果、未だ中国敵視政策を続けて島嶼防衛などと云っているのは日本政府だけとなったのである。それもこれも2024年度予算を獲得したいことと、武器輸出を認めさせたいだけなのだ。したがって一にも二にも自由民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、立憲民主党執行部に外務省、防衛省、通産省、財務省の各省庁と経団連と連合という防衛安全保障利益集団の為だけなのである。
 その中心にいるのが麻生太郎自由民主党副総裁であり、官僚を取り纏めているのが佐々江賢一郎日本国際問題研究所理事長なのである。だから麻生太郎自由民主党副総裁は台湾やアメリカに出かけ無意味な台湾有事は安全保障上の大問題であると「バカ」の一つ覚えのフレーズで扇動し続けている。かたや佐々江賢一郎日本国際問題研究所理事長は「もしトラ」があっても日本の安全保障は変わらないと日本記者クラブで虚偽発言を続けることで自分たちの悪行と失敗から国民の目を逸らすことに腐心しているのだ。そもそも外務省は、昭和27年に「日米安保条約」と「行政協定(後の日米地位協定)」そして「国連軍地位協定」を締結して日本の国権をアメリカに売渡した当事者である。その後、幾度か、これら不平等条約や協定を改定する機会がありながら根本的な改定は行わないまま70年を費やすという無能を絵にかいたような対応しか行わなかったのは周知のことだ。それは「日米安保条約」と「行政協定(後の日米地位協定)」及び「国連軍地位協定」が彼らの既得の特殊権益であったからである。
 ただし外務省も過去70年間で一度だけ薄氷を踏む思いをしたことがある。それは、2018(平成30年)年6月12日にアメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長及び国務委員会委員長による史上初の首脳会談がシンガポールで行われ、会談後、アメリカと北朝鮮は共同声明で「朝鮮戦争を終結させる」ことで合意したときである。通常の感覚ならば朝鮮戦争を終結させることは世界平和にとって歓迎すべきことである。ところが、これに強い危機意識をもった利権集団がいた。それが日本の安全保障を牛耳ってきた自由民主党と外務省である。彼らが恐怖心を覚えたのは、日本の安全保障は朝鮮戦争が継続することで法制が組み立てられているからである。特に「国連軍地位協定」では朝鮮戦争が終結して撤退が完了すれば90日以内に駐留アメリカ軍は撤収してしまう定めとなっている。朝鮮戦争が終戦になると、日本の安全保障とは無関係に駐留米軍は撤退してしまう。その時、日米安保条約を基本として組みたてられた安全保障政策は根拠を失うとともに、自由民衆党と外務省が仕組んできた「安全保障政策」という利権構造が白日の下にさらされることになる。これに慌てた自由民衆党と外務省は、既得権益をアメリカからイギリスに移すことを画策することになる。そして生れたのが「日英円滑化協定」なのである。この協定が「国連軍地位協定」の延長であることは、同協定内に「国連軍地位協定」が失効、つまり、朝鮮戦争終戦になった場合に「効力を発する」と明記されていることで明らかである。その結果、「行政協定(後の日米地位協定)」はそのまま存続することから、これまで通り辺野古沖を埋めたてて空母着艦用訓練基地を作り続けるとことで特殊利権を温存することができる。これはほんの一例にしか過ぎない。
 これらのことを踏まえるならば佐々江賢一郎日本国際問題研究所理事長が日本記者クラブで「もしトラ」があっても「日米関係への影響は心配していない」と語ったことは、自身への気休めであって、大いに危惧していると、自ら吐露しているとしか考えられない。なぜならば、トランプ大統領は2024年11月に行われるアメリカ大統領選挙で再選された場合に、NATOとの関係を見直すと表明していること、加えて今度こそ朝鮮戦争終戦は現実のものとなるであろうことから、駐留アメリカ軍も完全撤退になって自由民主党と外務省が行ってきた安全保障政策は根底から完全に崩壊することは確実となるからである。
 その時、安全保障政策を食い物にしてきた政治界、官僚、財界は「裏金。パーティー券」問題などとは比べ物にならない一大「疑獄事件」に発展することは間違いないところであろう。

【参考】
「もしトラ」

トランプ氏と朝鮮戦争終戦問題

バイデン政権と朝鮮戦争の関係

朝鮮戦争が終戦となった場合の日本政府の対応

一つの中国政策
(2023年06月22日)『上海コミュニケ
以上(寄稿:近藤雄三)
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